金プラチナ短期相場観

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金利連動相場のNY金、米10年債利回りの反発で急失速

更新日:2017年11月21日(火)

NY金と米10年債利回り 2017年11月20日米10年債利回りとNY金との逆相関関係が急速に強まっています。
2012年から現在までのおよそ6年間の相関係数は-0.44台とそれほど関係性は見られません。しかし、米国の利上げフェーズ再開とともに金利動向に敏感なNY金と米10年債利回りとの逆相関関係は強まる傾向にあります。直近90日間の相関係数は-0.64897とそれほど強い逆相関でもありませんが、9月以降に限定すると相関係数は-0.9397と極めて強い逆相関関係を示します。

来年2月で議長退任が決定しているイエレンFRB議長は、理事としての任期が2024年まで残っていましたが、議長退任と同時に理事も退任することを表明しました。
市場では既にこれも織り込み済みであり市場インパクトはなかったものの、あらためてイエレン時代の終了を確認することとなり、一抹の寂しさとともにメンバー一新となる来年のFOMCに向けては不透明感が漂います。
12月には今年3回目の利上げが織り込まれている状態も、来年3回の見通しについてはいったん白紙ともいえる状態となり、最後のイエレン議長会見となる12月FOMCとパウエル新体制で初回となる来年3月FOMCを見極めるまでは、2018年の利上げ見通しは立ちにくい状況とも言えそうです。

この不透明感を反映するように、米10年債利回りの上昇ピッチは上がらず、9月以降の上昇局面でも2.45%で頭打ちとなっています。ただし、足下では2.30%近辺がサポートにもなりつつあるようです。
金利連動相場状態のNY金は、1270ドルから1300ドルまでのレンジ相場が続きます。

NY金・日足チャート 2017/10/17 - 11/2020日のNY金相場は1.64%の大幅反落。ドル円が短期的な下値目安までしっかり到達して下げ止まったことでドル売りによる金の上値トライに向けての推進力を喪失、欧州・NY市場にかけて株価も米長期金利も反発の流れが加速、ドル売りの巻き戻しとともに週末の急騰分全てを吐き出す形に。ドイツの政局不透明感も現時点ではリスク材料とはならず、むしろユーロ売りがドル買い加速のきっかけとなった様子も。下げ幅20ドル超の大幅安となるのは9月21日以来2カ月ぶりで今年4度め。1300ドル手前で失速して上値トライに失敗、保ち合い回帰の展開も下値はレンジ下限の1270ドル手前でサポートされた状態に。1300ドルの大台ラインが当面の上値抵抗水準となり、あらためて突破できれば今年高値圏に向けての再トライも。下限割れの場合には1230ドル近辺までの大幅安の展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2017/10/17 - 11/20NYプラチナ相場は3.25%の大幅安となって4日ぶりの反落。下げ幅30ドル超となるのは6月15日(-30.6ドル)以来5カ月ぶりで今年2度め、下落率では昨年12月安値をつけた日、15日(-5.02%)以来11カ月ぶりの大幅安。週末の急騰分帳消しだけにとどまらず、11月3日(921.9)以来2週間ぶり安値圏へと逆戻りで、流れも大きく巻き戻される形で下値トライ警戒感も高まる状態に。920ドルを下回るようだと今年安値更新トライへと向う可能性も。

ドル円・日足チャート 2017/10/17 - 11/20ドル円は0.41%のドル高円安へと反発。東京市場朝につけた安値111円90銭割れは9月安値107円30銭台から11月高値114円70銭台までの38.2%戻し(111.90)とほぼ一致。格好の下げ止まり水準となり、短期下値目標112円前後の水準にもしっかり到達した形となって反発へ。米10年債利回りは2.30%付近、ドルインデックスは93.5ポイント近辺といずれもキリの良い水準にサポートされる形となって反発し、米税制改革法案の年内成立期待再燃で株価も反発基調を強めたことにも連れて112円台後半へ。ただし流れが完全に反転した訳ではもなく、目先はいったん112円台での保ち合い状態となり、11月6日高値114円70銭台から右肩下がりの状態が続くレジスタンスラインとの攻防に。112円後半から113円台へと上抜けると114円付近へと流れが変わる可能性も、再び112円割れなら111円近辺まで一段安の展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/20終値とチャート

21日の国内金価格は3日ぶりの反落で0.58%安。ドル円のもう一段の下落は進行せず、NY金の大幅安の展開に国内価格は10月6日(4936)以来、1カ月半ぶりの水準に。今年高値圏での保ち合い状態は崩れ始め、軟調推移の展開がもう一段進行しそうな状況に。一目均衡表の雲の上限(4980円台)をしっかり割り込んだことにより、雲の下限付近となる4930円台までが目先の下値目安に。上方向には5000円の大台ラインが抵抗水準となり、突破できれば今年高値圏再トライの可能性も残る状況。

プラチナ価格は4日ぶりの反落で1.69%の大幅安。5月末以来半年ぶりの大幅下落となり、保ち合い上抜けの兆しから下抜けの兆しへと切り返す展開に。一目均衡表の三役好転を目指す展開から、雲の下限(3632)を一気に下抜けて三役逆転へ。NYプラチナの下げ止まりによっていったんサポートされる可能性も残されるものの、下値トライの流れが進行する可能性も高まる状態となり、今年安値更新へと向う展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格11/21とチャート

2017年11月21日(火)時点の相場
国内金4,965 円 11/21(火) ▼29(0.58%)
国内プラチナ3,610 円 11/21(火) ▼62(1.69%)
NY金1,275.3 ドル 11/20(月) ▼21.2(1.64%)
NYプラチナ923.6 ドル 11/20(月) ▼31.0(3.25%)
ドル円112.62 円 11/20(月) ▲0.46(0.41%)

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