金プラチナ短期相場観
二役逆転の金価格、三役好転を目指すプラチナ価格
更新日:2017年11月20日(月)
今年高値圏での保ち合い状態が続く国内金価格は20日時点で4994円。現在地を一目均衡表で見ると、過去26日間の高安中央値を示す基準線(5001)と過去9日間の高安中央値を示す転換線(5002)とがほぼ同一水準で推移し、目先の抵抗水準となっています。現在の価格を26日前に移動した遅行線(4994)は26日前の価格(4998)をわずかに下回り、価格ラインとの揉み合い状態が続きます。
また、時に抵抗帯となったり、サポート帯となるいわゆる「雲」を示す先行スパン1(4983=26日前の基準線と転換線の中央値)と先行スパン2(4918=26日前時点の過去52日間の高安中央値)はその価格差が拡大する「分厚い雲」を形成し、最近の価格ラインを雲の上限がサポートする形となっています。
基準線・転換線と価格ラインとの関係、遅行線と価格ラインとの関係、雲と価格ラインとの関係性では2つの関係性で価格ラインが下回る二役逆転、一役好転の状態。
現状の保ち合い状態から上方向へと抜け出す為には、基準線と転換線が推移する5000円台をしっかり上抜けることがポイントとなり、4980円台での横ばい推移がしばらく続くことになる雲の上限(先行スパン1)にサポートされやすい状態が続くことにもなりそうです。その反面、雲の上限を割り込むと、雲の下限(先行スパン2)付近4900円台前半までは下落しやすく、さらに雲の下限も割り込むようだと三役逆転となり、一段安の展開も警戒される状況となります。
今年安値付近での保ち合いから上抜けの兆しも見られるプラチナ価格は現在3672円。一目均衡表では、基準線(3634)の上で推移する転換線(3647)も上回り、遅行線(3672)も26日前の価格(3631)を大きく上回る水準にある二役好転の状態。
雲との関係では、下限(3632=先行スパン1)を大きく上回り、上限(3685=先行スパン2)にはもう少し、という状態。いわゆる雲の中に潜り込んだ状態となり、揉み合い状態にもなりやすい状況とも言えますが、下限を下回らない限り、雲の上抜けトライのチャンスは続くことになります。
年末にかけて3685円での水平状態が続く雲の上限突破が当面のポイントとなり、これに成功すると三役好転で一段高の展開も見込まれる状況となります。
週末のNY金大幅高と為替の円高進行を反映し、20日の国内金価格は0.34%の続伸。週明け東京市場ではNY金が若干戻して1290ドル台前半、ドル円は一時111円90銭近辺まで下落する場面もあったものの112円を挟んでの揉み合いスタート。朝方にドイツのメルケル首相が4週間に渡り推し進めてきた連立協議が決裂したことが伝えられ、ユーロが急落したことにも連れてややリスク回避的な流れでドル円も売られた様子も。これで再選挙の可能性も浮上することになり、ドイツの政局不安が新たなリスク要因となる可能性も。現状はNY金の保ち合い上抜けによる一段高の可能性と為替の円高一服感とのせめぎ合いとなり、金高ドル安の流れが進行する為にはドル円のもう一段の下落も必要に。先週末に発表された火曜日時点のシカゴ投機筋の円売りドル買いポジションが2013年末以来4年ぶりの水準まで拡大しており、週末にかけてのドル円の下落はこの偏り過ぎたポジションの巻き戻しがスタートした可能性もあり、サンクスギビングの休暇前にもう一段進行する可能性も。そうなれば4970円から5030円までのレンジでやや軟調気味に保ち合い相場が続く国内金価格も上限トライへと向う可能性、上限突破なら流れも変わり、今年高値大幅更新の展開にも。
プラチナ価格は0.8%高となって3営業日続伸。9月20日(3677)以来、2カ月ぶりの高値水準となり11月高値もわずかに更新し、保ち合い上抜けの兆し。金との相関関係が弱まり、価格差も1322円と9月19日(1314)以来2カ月ぶりの水準へと縮小。単独でも金に先行する形でゆっくりと上昇基調が進行する可能性もあり、当面の上値目標は9月の高値保ち合い下限近辺となる3770円辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格11/20とチャート
- 2017年11月20日(月)時点の相場
-
国内金 : 4,994 円 11/20(月) ▲17(0.34%) 国内プラチナ : 3,672 円 11/20(月) ▲29(0.80%) NY金 : 1,296.5 ドル 11/17(金) ▲18.3(1.43%) NYプラチナ : 954.6 ドル 11/17(金) ▲18.4(1.97%) ドル円 : 112.16 円 11/17(金) ▼0.90(0.79%)
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