金プラチナ短期相場観
製造業PMI過去最高でユーロ高、2018年もドル安金高スタート
更新日:2018年1月3日(水)
12月のユーロ圏製造業PMIは60.6となって過去最高水準に到達。8月から5カ月連続の上昇で急加速局面を形成し、その前にも2016年9月から2017年6月まで10カ月連続上昇となっており、2017年は7月を除く全ての月で前月から上昇。米国の12月が55.1にとどまり、英国も56.3へとやや失速状態となったことで世界的にも頭一つ抜け出した水準となっています。
ユーロ圏内では、オーストリアが64.3となって2カ月連続の過去最高、ドイツも63.3で過去最高、オランダは11月に62.4で過去最高となり12月は62.2へと小幅減速、アイルランドも59.1で過去最高。
フランスは速報値59.3から58.8へとやや下げたものの17年3カ月ぶりの高水準。イタリアは57.4と3カ月ぶりの水準へと低下も11月の58.3は6年9カ月ぶりの高水準、スペインも55.8で2カ月ぶりの水準へと低下も11月の56.1は11年9カ月ぶりの高水準。
ギリシャも53.1となって9年半ぶりの高水準。
全ての国が過去最高レベルの水準での好調が続いています。
世界のほとんどの主要国でも2017年は好調を維持して終えたなか、やや減速が懸念され始めている中国も12月は51.5と予想外の反発となったこともユーロ圏の好調をサポートする結果となったものと思われます。
しかし、中国も好不況の節目50を上回る水準を維持してはいるものの、主要国のなかでは最低水準。今後の見通しもよくないとされる中国が2018年に減速傾向となるようなら、ユーロ圏の加速基調もピークを迎えることにもなりそうです。
それでも2018年スタートの日は製造業PMIの好結果を受けてユーロ買いの流れが強まり、ユーロドルは一時1.2080ドル台へと4カ月ぶりのユーロ高ドル安水準まで上昇。終値1.2050ドル台は2014年12月31日以来、3年ぶりの高値水準となっています。
ユーロ高に伴うドル安にもサポートされる形で、2018年も金は上昇スタートとなりました。
2日のNY金相場は0.52%高となり、年をまたいでの続伸は8日め。8日続伸となるのは2014年2月以来、3年11カ月ぶり。9月20日(1316.4)以来、3カ月半ぶりの高値水準で2018年をスタート。年末までの流れを引き継ぐ形でドル安基調に伴う堅調推移、今朝の時間外では1320ドル台へとさらに水準を切り上げる状態。過熱感はMAX水準に高まるなかで9月高値から12月安値の61.8%戻し(1315.0)を達成し、調整も入りやすい局面にも。ドル安の流れがもう一段進行するようなら76.4%戻しとなる1330ドル台も視野に。
NYプラチナ相場の2018年初日は1.46%の大幅上昇スタートとなって6日続伸。6日続伸は昨年7月末から8月上旬にかけての12連騰以来で5カ月ぶり。水準としては11月28日(952.8)以来となり、12月前半の急落分をほぼ取り戻した状態。金の堅調推移に連れる形で今朝の時間外にかけても950ドル台へと水準を切り上げ、昨年9月高値1026.5ドルから12月安値872.4ドルまでの下落幅の半値戻し(949.5)にほぼ到達。やはり過熱感からの調整余地はあるものの次の上値目安61.8%戻し(967.6)も意識される状況に。
ドル円は0.38%のドル安円高で3日続落。12月6日(112.29)以来、ほぼ1カ月ぶりのドル安円高水準。欧州市場でユーロ買いの勢いが強まると、ドル安の流れでドル円も112円70銭台から一時112円00銭台まで下落。NY市場では米長期金利上昇に支えられて112円30銭近辺までの反発。今朝もこの水準での揉み合いとなり、90日移動平均線(112.30)との攻防状態。この水準を維持できなくなると12月初旬以降支えられ続けた112円ラインが重要な攻防ライン、これも割り込むようだと今年も年初のドル安円高基調が一段と進行することになり、当面の目標水準は110円前後まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/2終値とチャート
- 2018年1月3日(水)時点の相場
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国内金 : 5,028 円 12/29(金) ▲14(0.28%) 国内プラチナ : 3,584 円 12/29(金) ▲8(0.22%) NY金 : 1,316.1 ドル 1/2(火) ▲6.8(0.52%) NYプラチナ : 947.8 ドル 1/2(火) ▲13.6(1.46%) ドル円 : 112.29 円 1/2(火) ▼0.42(0.38%)
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