金プラチナ短期相場観

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米2月ISM非製造業景況指数もピーク水準維持

更新日:2018年3月6日(火)

ISM非製造業景況指数と製造業景況指数 2018年2月米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2月の非製造業景況指数は59.5となり、市場予想の59.0程度を上回り、12年半ぶり高水準となった1月の59.9からは小幅低下にとどまりました。先週発表されたISM製造業景況指数も60.8と13年9カ月ぶりの高水準となっており、製造業も非製造業ともに10数年ぶりのピーク水準を維持する状態にあることが示されました。
非製造業の内訳指数では、景気指数が62.8で1年ぶり高水準、新規受注は64.8で12年半ぶりの高水準。価格も61.0で前月から小幅低下も60超の高水準を維持、雇用は55に低下も1月が61.6の高水準へと急騰していたことによる反動との見方も。製造業の雇用は逆に54.2から59.7へと急騰していました。また製造業の新規受注(64.2)や価格(74.2)も高水準となっています。

これで週末の2月雇用統計でも賃金上昇率が前年比+2.8%程度を維持することになれば、パウエル新体制のFOMCでも景気見通しとともにインフレも強気見通しとなる可能性もありそうで、利上げペースは年3回から年4回方向へと若干上昇することにもなりそうです。

鉄鋼・アルミへの関税を表明していたトランプ大統領も株安懸念からこれを撤回する可能性もあり、米国経済は好景気のピーク状態がもうしばらく続き、インフレもゆるやかな上昇の兆しとなり、金利もゆるやかに上昇、そして株高基調再開でドル安基調も徐々に巻き戻されてドル高方向へ、と推移していく可能性もありそうです。

しかし、引き続きトランプ政権自体がリスク要因であり続けることに変わりはなさそうです。

NY金・日足チャート 2018/1/29 - 3/55日のNY金相場は0.26%の小幅反落。イタリア総選挙での過半数獲得政党のないハングパーラメントとポピュリズム躍進を受けてリスク回避の流れとなった時間外には1320ドル台後半まで上昇。NY市場ではライアン米下院議長の鉄鋼・アルミ関税への反対表明、関税発言はNAFTAなど貿易交渉材料との思惑も台頭し、貿易戦争懸念が後退。株式市場の大幅反発とともに長期金利も反発するとNY金は1320ドル割れ。金市場もトランプ発言に振り回される形で反発の流れも失速。ただし今朝の東京市場の時間帯には1320ドル台を回復し、株高ドル高の流れによる下押し圧力も今のところは限定的。1300ドルから1360ドルまでの広めのレンジ内で20日移動平均線の1330ドル付近にやや抵抗感も方向感模索状態に。現状維持が予想されるECB、日銀会合を経て最終的には週末の雇用統計が今後のトレンドを左右する分岐点となるか。

NYプラチナ・日足チャート 2018/1/29 - 3/5NYプラチナ相場も0.31%の小幅反落。週明け時間外には970ドル台半ばまで上昇して反落すると、NY市場では一時960ドル割れ。それでも先週安値950ドル台半ばで反発し、短期的には2番底をつけた形となって960ドル台半ばへと持ち直し。950ドル台から1010ドル台までの広めのレンジ内下限付近での攻防が続く状態にあり、90-200日移動平均線が集中する950-956ドルの水準が強めのサポート帯となって地合い改善へと向うかどうか。この水準を割り込んだ場合には昨年11月までの保ち合い水準、930ドル前後までの一段安は必至か。

ドル円・日足チャート 2018/1/30 - 3/5ドル円は0.48%のドル高円安となって4日ぶりの反発で106円台を回復。東京市場での105円台半ばの保ち合いから、欧州序盤にかけてはイタリア総選挙結果なども材料視され、105円30銭台まで下落する場面も。しかし、この水準では底堅さも見られ、NY市場にかけては貿易戦争懸念後退でリスク回避も緩和、米株の大幅反発に牽引される形で長期金利も反発し、ドル円も大幅上昇。今朝の東京市場でも106円台前半での堅調推移となり、短期的にはいったん底打ちした様子も。目先は欧日金融政策の動向を確認し、週末の雇用統計次第の状況に。昨年11月からの下落幅に対する23.6%戻しとなる107円半ばの水準が当面の抵抗水準となり、ここを突破できれば109円台も視野に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/5終値とチャート

6日の国内金価格は0.56%高となって5日ぶりの反発。RSIの逆行が示唆したとおりの反発も、綺麗な右肩下がりを描く下落トレンドの戻り局面の一部に過ぎないレベル。1月以降、綺麗に上値を押さえられ続けてきた9日移動平均線(4874)の上抜けなくしてトレンド好転なし、という状況。さらには23.6%戻し(4894)から4900円の大台回復が地合い好転への目安に。ただし今週末までは小動きの展開も。

プラチナ価格は0.28%の小幅高で5日ぶりの反発。金と同様にRSI逆行からの反発も極めて限定的に。23.6%戻しとなる3600円台回復までは2番底への再トライ警戒感は続き、地合い好転に向けては50%戻しと90日移動平均線が重なる3648円が当面の抵抗水準にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/6とチャート

2018年3月6日(火)時点の相場
国内金4,849 円 3/6(火) ▲27(0.56%)
国内プラチナ3,537 円 3/6(火) ▲10(0.28%)
NY金1,319.9 ドル 3/5(月) ▼3.5(0.26%)
NYプラチナ962.1 ドル 3/5(月) ▼3.0(0.31%)
ドル円106.19 円 3/5(月) ▲0.51(0.48%)

3/5(月)のその他主要マーケット指標

朝鮮半島リスク緩和の動きもコーン氏辞任で貿易戦争リスクは拡大 3/7(水)

米2月ISM非製造業景況指数もピーク水準維持 3/6(火)

RSI逆行が示唆する国内金価格の反発 3/5(月)

鉄鋼関税不安のなか逆相関強まるNY金とドルインデックスの攻防 3/3(土)

コアPCEインフレは前年比+1.5%で4カ月連続横ばい推移 3/2(金)


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