金プラチナ短期相場観

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米1-3月期GDP速報上振れ、雇用コスト指数も10年ぶり高水準

更新日:2018年4月28日(土)

米・雇用コスト指数 2018年第1四半期米商務省が発表した第1四半期のGDP速報値は前期比年率+2.3%となり、市場予想の+2.0%を上回る好結果となりました。ただし、2017年第4四半期の+2.9%からは減速し、個人消費の伸びが弱かったことが影響している模様。しかし、4月のミシガン大消費者信頼感指数は速報値の97.8から確報値で98.8へと予想以上の上方修正となっており、14年ぶり高水準となった3月の101.4からも小幅低下にとどまり、依然として消費センチメントは高水準にあることも示されています。

また、GDPは4四半期連続で2%超の水準を維持しており、2003年から2006年第1四半期まで(13四半期連続)以来12年ぶりのこと。なお、2四半期連続のマイナス成長で最後にリセッションとなった2009年第2四半期までの後、2009年第3四半期から8年と3四半期連続での景気拡大局面が継続しています。

労働省が発表した雇用コスト指数では、第1四半期は前期比+0.84%となり、市場予想の+0.7%を上回って2007年第4四半期(+0.85%)以来、10年1四半期ぶりの高水準となっています。
前年同期比では+2.71%となり、3カ月連続の上昇で2008年第3四半期(+3.02%)以来9年半ぶりの高水準。4四半期平均では8四半期連続上昇と加速トレンドが続いています。

賃金上昇とインフレ押し上げに寄与する雇用コスト指数は少なくとも今年3月までは順調に加速しており、今後ももう一段の上昇が見込めそうな上昇軌道を描いています。
次週には3月のPCEインフレの2%超えが予想され、今週発表された週間新規失業保険申請件数は48年4カ月ぶりの水準まで低下しており、労働市場の引き締まりが一段と進行中であることも示されています。
次週の4月雇用統計での賃金上昇率は急加速するような予想はありませんが、徐々にその水準を切り上げて加速基調を強めて行く可能性はありそうです。

NY金・日足チャート 2018/3/23 - 4/2727日のNY金相場は0.42%高となって3日ぶりの反発。世界的にも歴史的分岐点となりうる南北首脳会談が行われた日、「非核化」を目標とした共同宣言も市場のリスク要因であり続けた状況打開に向けては今後の米朝首脳会談を経ての具体化動向に委ねる形に。とはいえ注目度は非常に高かったものと思われ、週末とも重なり市場のボラティリティも低下気味。NYダウは今年の1日あたりの平均値幅が378ドルに対してこの日の値幅は164.9ドルと半分以下。NY金の値動きも縮小気味となり、米10年債利回りが3.0%台からの反落基調が続き、ドル高の巻き戻しが優勢となった流れを受けて時間外の1310ドル台半ばからNY市場の1320ドル半ばまで10ドルほどの反発。90日移動平均線(1327.5)を割り込んでの下値トライの兆しは3月後半にもサポートされた1310ドル台で折り返し、いったん保ち合い回帰の動きに。次週に向けてはあらためて1310ドルのサポート水準を割り込めば1300ドル前後までの下値余地。1330ドル台が当面の抵抗水準となり、突破した場合には今年高値圏1360ドル付近再トライの展開にも。
週間ベースでは-14.9ドル(1.11%)で続落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/3/23 - 4/27NYプラチナ相場も3日ぶりの反発で0.69%高。時間外では前日安値を下回って今年最安値更新も906ドルまでと限定的、NY市場では金に連れての反発基調で910ドル台半ばへと10ドルほどの上昇。下値トライに向けた流れは910ドルラインにサポートされて巻き戻し。次週あらためて910ドルを完全に下回ると下値再トライの展開となって900ドルの大台割れも。930ドル台が当面の抵抗水準となり、上抜けできればトレンド好転、900ドル後半へと大きく水準を切り上げるような展開にも。
週間ベースでは-15.4ドル(1.65%)で続落。

ドル円・日足チャート 2018/3/26 - 4/27ドル円は0.25%のドル安円高となって小幅に続落。東京市場では日銀の経済物価情勢展望リポートで物価目標2%達成時期が削除されたことに注目が集まり、黒田総裁会見でも質問が集中。ただし市場反応は限定的で109円10銭台から40銭台までのレンジで小動き。NY市場では米1-3月期GDP速報値の上振れを受けて109円50銭台へと高値更新も一時的となり、むしろ戻り売り優勢となって一時109円割れへと急反落。米長期金利上昇とドル高の巻き戻しとなったなかでもなんとか109円を維持した形に。次週,PCEインフレやFOMCなど上値再トライに向けてのきっかけとなりうる材料も多数あり、109円50銭台の高値を更新できれば110円台半ばまでが次の上値目安に。高値更新できない状態が続くようなら3月後半から1カ月続いた上昇トレンドにも黄色信号、サポート水準としてはこの1カ月の上昇幅の23.6%戻しと90日移動平均線が重なる108円40銭近辺。
週間ベースでは+1.39円(1.29%)、2016年12月以来1年4カ月ぶりとなる5週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/27終値とチャート

2018年4月28日(土)時点の相場
国内金4,951 円 4/27(金) ▼26(0.52%)
国内プラチナ3,414 円 4/27(金) ▼23(0.67%)
NY金1,323.4 ドル 4/27(金) ▲5.5(0.42%)
NYプラチナ916.4 ドル 4/27(金) ▲6.3(0.69%)
ドル円109.05 円 4/27(金) ▼0.27(0.25%)

4/27(金)のその他主要マーケット指標

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米1-3月期GDP速報上振れ、雇用コスト指数も10年ぶり高水準 4/28(土)

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