金プラチナ短期相場観
中止か開催か、弾劾か再選挙か
更新日:2018年5月28日(月)
米朝首脳会談中止を発表したかと思えば、今度は会談開催を示唆するトランプ米大統領。米代表団が米朝首脳会談の準備のために北朝鮮を訪れ、当局者と協議していることも報道されています。前後して週末には北朝鮮の緊急要請により、板門店の北側施設「統一閣」で金正恩委員長と文在寅韓国大統領との2回めの南北首脳会談も行われました。
6月12日の会談開催に向けて慌ただしく動き出す関係者達。乖離があると思われる非核化方法について、残り2週間で合意が見られるのかどうか、予断を許さない状況が続きそうです。
イタリアではマッタレッラ大統領が27日、ユーロ懐疑派エコノミストであるパオロ・サボーナ氏の経済相起用を拒否したことを受けて、新首相に指名されたジュセッペ・コンテ氏が組閣を断念。新政権発足を目指していた五つ星運動と同盟は大統領の職権乱用を避難し、大統領弾劾を要求。歳出拡大を推進する新政権誕生の可能性が後退したことはユーロにとっては好材料も、再選挙に向けての実務者内閣組閣の可能性などもあり、今後の動きは流動的。政情不安と先行き不透明感は消えません。
米朝動向ではリスク回避の動きがいったん巻き戻され、イタリアでは若干の安堵感と不安が入り混じり、いずれも今後の行方に警戒感がつきまといます。
この状況に1300ドルを回復していたNY金は週明けに1300ドル割れへと反落スタート、ユーロは対ドルで買い戻されてのスタート、ドル円は109円台後半へと反発スタートも前半へと反落。気迷い状態も見られます。
NY市場がメモリアルデーの祝日で休場となり、ロンドン市場もスプリングバンクホリデーで休日となる月曜、国際情勢とイタリア政局は休みなしで動き続けます。
28日の国内金価格は0.2%の反落。週明け時間外のNY金は1300ドル割れ、ドル円は109円60銭台へと小幅円安スタート。リスク回避の流れが優勢となり、国内金価格も9日移動平均線(4922)が抵抗線となって上値を切り下げる形となり、下落局面を形成中。直近安値4890円台を割り込むようだと一段安の展開で次の下値目安は4850円台。下げ止まりに向けては4940円台の抵抗水準突破が必要。直近安値24日時点のRSIは39.1、その前の安値17日時点では36.1。価格下落に対してRSI下落のボトムは上昇する逆行状態となり、下げ渋りの可能性を示す兆候も。
日足・一目均衡表では基準線(4945)、転換線(4920)の下に位置し、先行スパン1(雲の下限:4909)と同水準。遅行線は26日前の価格(4964)を下回り、雲の中の下限寄り、と軟調な状態。また、29日から30日にかけては先行スパン1と先行スパン2が逆転する「雲のねじれ」が発生。昨年9月に発生した雲のねじれのタイミングでは高値圏から急落、今年1月には上昇トレンドが加速、2月の雲のねじれでは下落トレンドが加速、前回3月末には上昇トレンドが加速していました。今回は下落トレンドの加速を警戒することにも。
プラチナ価格は0.81%の反落。時間外のNYプラチナは900ドルラインの攻防スタートで900ドル台前半を維持。概ね水平移動が続いていた9-21日移動平均線は9日移動平均線(3418)が下方乖離し始め、価格水準もこれに押されて直近安値を下回り、下値トライへの流れが加速する可能性も。大きく見た場合の保ち合い下限となる3380円台までで下げ止まれば上下動を繰り返す保ち合い状態が続くことにも。現時点での可能性は低いものの、下げ幅拡大時には3350円台辺りまでが次の下値目安にも。切り返して3440円を超えると流れが逆転、3510円台を目標に上昇局面形成も。
※参考:金プラチナ国内価格5/28とチャート
日足・一目均衡表では基準線(3439)、転換線(3428)の下に位置し、先行スパン1(雲の下限:3436)にも上値を押さえられ、遅行線も26日前の価格(3456)を下回る軟調地合い。今週若干水準を切り上げる雲の下限、3450円近辺が当面の強めの抵抗水準にも。
- 2018年5月28日(月)時点の相場
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国内金 : 4,909 円 5/28(月) ▼10(0.20%) 国内プラチナ : 3,411 円 5/28(月) ▼28(0.81%) NY金 : 1,303.7 ドル 5/25(金) ▼0.7(0.05%) NYプラチナ : 901.3 ドル 5/25(金) ▼11.3(1.24%) ドル円 : 109.38 円 5/25(金) ▲0.16(0.15%)
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