金プラチナ短期相場観

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米朝首脳会談中止で動き出した金

更新日:2018年5月25日(金)

「やはり」と思った方も多かったのではないでしょうか。米朝首脳会談中止を発表したトランプ米大統領。
事前に「会談が実現しない確率が高い」などのツイートもあり、北朝鮮側からも崔善姫外務次官の「首脳会談の再考を提案」発言なども伝えられており、会談前の主導権争いがエスカレートしていたなかでトランプ米大統領は「まさか」の一手を打ってきたようです。

この日は北朝鮮が、中国、ロシア、韓国、英国、米国のメディア立ち会いの元、過去6回の核実験に使用した豊渓里の核実験場の坑道を爆破、廃棄していました。パフォーマンスに過ぎないとの見方もあるものの、非核化実現に向けての誠意を世界にアピールした日にもなっていたはずです。

自動車とその部品輸入に対して安全保障を理由に最大25%の追加関税を検討することを発表し、貿易赤字削減に向けてドイツや日本に向けても揺さぶりをかけていた矢先のことで、市場にとってはトランプリスク再燃、という一面もありそうです。

ただし、今のところは今回の会談中止発表によって昨年のように地政学リスクが高まる様子は見られず、北朝鮮側も「いつでも米国側と会談の用意」があるとの声明を発表し、低姿勢の構えも見せているようです。

ビーンボールを投げて相手をのけぞらせておいて、ストライクゾーンを突いてくる、いつもの組み立てパターンなら、会談中止キャンセルもあり得、日程延期での開催の可能性は十分にありそうです。

今回の発表で一時的に走った市場の動揺もそれほど大きくはなく、翌朝には平静を取り戻しつつあるようです。
膠着状態が続いていた金も急騰で反応し、動き始めた様子ですが、早くも巻き戻しのそぶりも見られます。
会談中止キャンセルなら、膠着ラインを下抜ける急反落という反応も警戒されるところです。

NY金・日足チャート 2018/4/20 - 5/2424日のNY金相場は1.15%の大幅反発。金利低下とドル安の流れが続いた時間外には1290ドル前半から半ばへとジリ高推移、NY朝には米朝首脳会談キャンセル報道を受けて10ドル程の急騰。10日ぶりに1300ドルの大台を回復し、NY引け後もこれを維持。1290ドル付近での膠着状態は6日間で終了。20日移動平均(1306.2)と200日移動平均(1308.3)が重なって目先の抵抗水準に。この水準を上抜けると短期トレンドも好転へ、次の節目は1320ドル台、これも超えると今年高値圏再トライへ。一方で反落の展開となって1290ドル前後のサポート水準を割れると1270ドル近辺までが次の下値目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2018/4/20 - 5/24NYプラチナ相場は1.31%の大幅反発。20日移動平均線(905.9)を再度上抜けて10日ぶりの水準を回復し、910ドルの抵抗水準を上抜け。可能性としては910ドル台を維持できれば4月高値圏940ドル台まで上値余地を拡大。ただし年初からの下落基調の抵抗線上に位置し、NY市場3連休前の週末に格好の戻り売りポイントに到達していることにも。下方向には900ドルの大台ラインが目先のサポートとなり、割れると年初来下落基調延長で昨年安値が意識される展開へと巻き戻し。

ドル円・日足チャート 2018/4/20 - 5/24ドル円は0.69%のドル安円高となって3日続落、調整局面が一段と進行。東京市場で109円30銭台まで下落した後、欧州時間には109円70銭台まで反発。NY市場スタート直後の米朝会談中止報道を受けてNYダウの280ドル超の急落とともに一時109円割れへと急落。その後の反発も109円30銭台までと限定的に。今朝の東京市場では109円10銭台までの安値で切り返し、日経平均の反発にも連れて109円60銭台へと反発しており、リスク回避的な流れが一方的に進みそうな状況でもなさそう。ただし、終値ベースでは節目の109円半ばを割り込んでおり、再度109円台前半へと水準を切り下げるようなら一段安の展開も想定され、4月半ばまでの保ち合い水準107円半ば辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート

25日の国内金価格は0.41%の反発。リスク回避の流れでNY金の反発に連れて下値トライも巻き戻し。ただし短期トレンドは下方向継続中。トレンド好転に向けては21-90日移動平均線が集中する4945円の抵抗水準突破がポイントに。上抜けると2月上旬以来となる5000円の大台再トライの展開にも。下方向に4890円台の下限を割り込めば次の下値目安は4850円台辺りまで。
週間ベースでは-10円(0.2%)で小幅続落。

プラチナ価格は0.7%の反発。概ね水平移動が続く9-21日移動平均線をはさんでの上下動が繰り返され、概ね横ばい推移の状態が2カ月継続。底値保ち合い、かどうかは今後の展開次第も短期的な流れは上向き優勢。目先3470円の節目を超えることができれば保ち合い上抜けの可能性も高まり、3510円台辺りまでが次の上値目安に。下方向に3410円台を割れると底割れの可能性が高まることになり、当面の下値目安は3350円近辺まで。
週間ベースでは+38円(1.12%)の反発。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート

2018年5月25日(金)時点の相場
国内金4,919 円 5/25(金) ▲20(0.41%)
国内プラチナ3,439 円 5/25(金) ▲24(0.70%)
NY金1,304.4 ドル 5/24(木) ▲14.8(1.15%)
NYプラチナ912.6 ドル 5/24(木) ▲11.8(1.31%)
ドル円109.22 円 5/24(木) ▼0.76(0.69%)

5/24(木)のその他主要マーケット指標

ドイツIFO景況感指数は下げ止まり、ユーロの下げ止まりは一時的 5/26(土)

米朝首脳会談中止で動き出した金 5/25(金)

5月製造業PMI、ドイツもユーロ圏も5カ月続落で15カ月ぶり低水準 5/24(木)

リッチモンド連銀製造業指数も5月は急回復、賃金は過去最高 5/23(水)

シカゴ連銀全米活動指数は伸び悩み、金利もドルも伸び悩み 5/22(火)


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