金プラチナ短期相場観
21週移動平均は国内金価格7カ月ぶり、プラチナは9年ぶり低水準
更新日:2018年6月18日(月)
ポルトガルvsスペイン、アルゼンチンvsアイスランドなど初戦から歴史的名勝負、王者ドイツがメキシコに敗れる波乱もあり、好試合が続くワールドカップ。
マーケット関係者も含めて世界が注目する、熱い戦いがロシアで始まっています。
しかし、金融市場の注目は米国vs中国。ワールドカップ不出場国どうしの貿易を巡る熱き闘いからも目が離せません。
主役はC.ロナウドでもなく イニエスタでもディエゴコスタでもなく、メッシでもなく、トランプ大統領。対する習近平国家主席も真っ向勝負の構えで、米中の攻防も消耗戦の様子も呈し始めています。
日本代表の挑戦や強豪国どうしのハイレベルな戦いとともに、トランプ劇場の行方も見守らなければならない、熱い夏が始まります。
18日の国内金価格は前週末のNY金急落を受けて-77円、-1.55%の大幅安となり、3営業日ぶりの反落。下落率としては2016年11月14日(-122円、-2.63%)以来で1年7カ月ぶり。6月1日以来2週間ぶり安値圏への急反落となり、5000円の大台回復を目標に加速の兆しもあった上昇トレンドが逆流。今朝時点では時間外のNY金が1280ドル台で小反発の状態にあり、急落後の値動きには落ち着きも見られることから国内価格の急落も一時的にとどまる可能性もあるものの、流れとしては直近安値を下方ブレイクして一段安の展開も警戒される状況に。NY金が一段安へと向かえばこれに追随し、目先の下値目標水準は今年安値水準、4790円前後まで。
日足では年初から右肩下がりの上値抵抗線をわずかに上抜けたところで200日移動平均線(4957)に跳ね返されての急反落となり、3月安値から下値を切り上げるサポートライン上に到達したところ。三角保ち合い上抜けに失敗し、下抜けをかけた攻防状態に。
週足では1月以来、5カ月ぶりのボリンジャーバンド+1シグマライン超えに失敗し、センターラインの21週移動平均線割れ。その21週移動平均線は下落基調が続いて現在4914円。昨年11月6日からの週(4909)以来7カ月ぶりの低水準。-1シグマライン(4851)が2016年10月以降のサポートラインとも重なり、この水準を割り込んでしまうと中期トレンドも弱気相場入りへ。
プラチナ価格も-67円、-1.94%の大幅反落。昨年3月3日(-86円、-2.15%)以来1年3カ月半ぶりの大幅下落となって、今年4月6日(3374)以来2カ月半ぶりの安値水準。今年安値となった4月5日の3370円も意識される水準となり、二番底をつけた形に。時間外のNYプラチナは880ドル台前半まで下げた後に880ドル台後半へと持ち直しの動きとなり、金価格と同様に下げ渋る展開も予想されるものの、大幅上昇の可能性もあった上昇トレンド進行の兆しは腰折れ。逆に下値トライ再開の可能性も浮上し、今年安値更新へと向かえば3300円割れを試すような展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/18とチャート
日足では年初からの上値抵抗線を横方向へと抜け出した状態で60日移動平均線(3430)との攻防から上抜けた直後の急反落となり、4月安値以降右肩上がりのサポートラインを下抜けてしまった状態。
週足では、21週移動平均線が先週の3507円から3487円へと急落しており、2009年6月1日からの週(3461)以来、9年ぶりの低水準。ただし、ボリンジャーバンドの-1シグマライン(3375)は下げ渋りの状態となり、2016年1月安値(3334)からわずかに上昇軌道を描くサポートラインとも重なり、強めのサポート水準にも。この重要水準を割り込んでしまうと2010年以降の最安値、2016年の3334円ではサポートし切れず、一時的にはさらに大きく水準を切り下げる可能性も。
- 2018年6月18日(月)時点の相場
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国内金 : 4,880 円 6/18(月) ▼77(1.55%) 国内プラチナ : 3,386 円 6/18(月) ▼67(1.94%) NY金 : 1,278.5 ドル 6/15(金) ▼29.8(2.28%) NYプラチナ : 887.8 ドル 6/15(金) ▼23.1(2.54%) ドル円 : 110.66 円 6/15(金) +-0.00(0.00%)
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