金プラチナ短期相場観
フィリー指数は45年ぶり過去2番めの長期好況期を形成、のその後
更新日:2018年10月19日(金)
10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー指数)は22.2となり、9月の22.9からは小幅に低下も市場予想の20.0は上回りました。
新規受注は9月から若干低下したものの、出荷は3カ月ぶりの高水準へと上昇し、雇用関連指標も9月から上昇。販売価格も上昇など、好調を維持する状態となっています。
ただし、期待指数は2カ月連続の低下。昨年3月と9月が最近のピークとなり、上下動を繰り返しながらも上値を切り下げる推移となっています。
これに上値を押さえられるように、フィリー指数も高水準を維持しながらも、徐々に上値を切り下げる展開となりつつあります。
フィリー指数は昨年5月の35.5がピークとなり、今年5月にも34.4まで急騰したものの最近は20台前半へとやや減速傾向。
トレンドを示す6カ月移動平均は、10月に22.8。これで6カ月平均が20を超えるのは昨年3月から1年8カ月連続。1971年3月から1973年9月まで(2年7カ月)以来、45年ぶりで過去2番めの長期好況期を形成しています。
過去、フィリー指数の6カ月平均20以上が8カ月以上続いた好況期は何度もあります。
そして、好況期を終えたその後は、かなりの高確率でリセッション期を迎えています。
18日のNY金相場は+2.7ドル、0.22%の反発。時間外では一時1220ドル前半へと下げる場面もあったもののNY市場では1230ドル台へと反発。EU首脳会議では離脱交渉の行き詰まりでポンド売り、イタリア予算案に対しては欧州委員会がEU財政規律への重大違反を指摘してユーロ売り。相対的にドルが買われたものの、サウジ記者殺害疑惑問題に絡んでムニューシン米財務長官がサウジでの経済フォーラムへの参加取りやめを発表したことなどから地政学的リスクが高まり、米株急落。これに呼応するように水準を切り上げたNY金の上値は1230ドル半ばを超えられない。下値は1220ドル台では底堅く、若干の上昇余地を残しながらも小幅揉み合い状態が継続。
NYプラチナ相場は-8.9ドル、1.06%安となって続落。前日NY引け後に節目の840ドルを割れると、一度も840ドル台を回復することなく軟調な展開に。上海総合指数が約4年ぶり安値となるなど中国の景気悪化懸念も重石となり、NY市場にかけて反発した金とは逆行する形となって一時830ドル割れへと1週間ぶり安値を試し、90日移動平均線(826.5)にはなんとかサポートされた状態。短期的には調整局面継続で810ドル台までもう一段の下げ余地も。
ドル円は50銭のドル安円高となって3日ぶりの反落。東京朝の112円70銭台がこの日の高値となって軟調な展開へ、中国株下落や英国の合意なき離脱やイタリア予算問題などの欧州リスクなどから為替市場はドル高円高、ドル円ではややドル安円高となるリスク回避パターン。NY市場ではサウジ情勢での地政学的リスクへの警戒感も加わり、米株急落で再び世界同時株安の様相となってドル円も一時112円割れへと急落。今朝の東京市場では112円台前半へと反発しており、一方的な流れにはなっていない状態。111円台後半から112円台後半までの小幅保ち合いを形成し、目先はレンジ内推移も予想され、下方ブレイクなら110円台後半までの一段安、上方ブレイクなら114円近辺までの一段高も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/18終値とチャート
19日の国内金価格は6日ぶりの小反落で前日比-2円。短期的にはゆるやかな上昇トレンド継続も円高に勢いを削がれた形に。90日までの移動平均線が4680円から4694円まで14円のレンジに集中し、ボラティリティ再拡大を示唆する状況にも。下方向には3本の移動平均線が集中する水準ではサポートされやすく、上方向には最大4830円台までの上昇局面形成への可能性も継続。
週間ベースでは+21円(0.45%)となり、3週続伸。
プラチナ価格は-23円、0.71%の続落で1週間ぶりの安値水準。ダブルトップ形成への可能性を残しての軟調推移となり、そのネックラインとなり、90日移動平均線(3175)も通過する節目水準3170円台でサポートされるかどうか。ここを割り込むようだと下げ幅拡大へ、当面の下値目安は9月半ばの下押し水準3050円台まで。
週間ベースでは-38円(1.17%)で続落。
※参考:金プラチナ国内価格10/19とチャート
- 2018年10月19日(金)時点の相場
-
国内金 : 4,734 円 10/19(金) ▼2(0.04%) 国内プラチナ : 3,197 円 10/19(金) ▼23(0.71%) NY金 : 1,230.1 ドル 10/18(木) ▲2.7(0.22%) NYプラチナ : 831.7 ドル 10/18(木) ▼8.9(1.06%) ドル円 : 112.20 円 10/18(木) ▼0.50(0.44%)
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