金プラチナ短期相場観
ユーロ圏サービス業PMIもほぼ2年ぶり低水準
更新日:2018年12月6日(木)
マークイットが発表したユーロ圏11月のサービス業PMIは53.4。速報値の53.1からは上方改定されましたが、10月の53.7からは低下し、2016年12月(53.1)以来、ほぼ2年ぶりの低水準となりました。
好不況の境目50を上回る水準を維持する堅調な推移は続いていますが、今年1月(57.6)がピークとなり、減速基調が続きます。
製造業PMI(11月は51.8)が昨年12月をピークに減速基調が続き、2年3カ月ぶり低水準となっていることにも同調し、製造業での減速基調がサービス業にも波及した形となっています。
この結果、ユーロ圏11月の総合PMIは52.7、2016年9月以来、2年2カ月ぶりの低水準となっています。
新規事業の拡大率が2年3カ月ぶり低水準まで低下していることが、全体的な成長率押し下げに影響している模様です。
雇用の伸びは、ドイツ、フランス、アイルランドでの景気減速により2017年初以来の低水準となり、企業の楽観見通しは2014年終盤以来、4年ぶりの低水準に落ち込んでいます。
英国のEU離脱や貿易戦争懸念による逆風の強まり、自動車業界の苦戦など、政治経済の見通しを巡る不透明性の高まりが浮き彫りとなり、特に貿易関連の不確実性は景況感の重石になってきているようです。
なお、総合PMIでは唯一節目の50割れとなっているイタリアは、ほぼ5年ぶり低水準となる49.3で11月は横ばい推移となっています。
第3四半期GDPが予想外のマイナス成長となったイタリアは第4四半期も厳しい状態が続き、リセッション入りへの警戒感も続きます。
5日はジョージ・H・W・ブッシュ元米大統領の死去にともなう「国民追悼の日」でNY市場が休場。
ドル円は40銭、0.35%のドル高円安となって113円10銭台へ。東京市場朝には日経平均が300円安から下げ幅縮小となったこともあり、112円60銭台の安値をつけて切り返し。午後には113円台を回復すると欧州時間には113円台をはさんでの揉み合い、NY時間には113円20銭台まで小幅に水準を切り上げるも終盤にかけては失速。今朝の東京市場では日経平均が3日続落で下げ幅300円超へと拡大する動きにも伴い、円高圧力が強まって113円割れ。
短期的な流れはドル安円高方向優勢もサポート水準となる112円台半ばでは底堅さも。ベージュブックではダラス、フィラデルフィア地区での成長減速も指摘されており、関税の影響も含めて長期金利低下と景気減速懸念、来年の利上げペース減速への思惑などが当面のドル安要因に。ただし、目先は週末の雇用統計が好結果となれば113円台後半までの上値余地も。112円台半ばから114円手前までが当面の主要レンジに。
6日の国内金価格は+7円、0.15%の反発。7月13日(4837)以来、ほぼ5カ月ぶりの高値水準となり、11月5日の4812円を上抜けたことでダブルトップ懸念も解消。ただし、短期上値目安4810円台での小幅高にとどまり、一服感と調整の動きも予想されやすいところ。200日移動平均線(4787)近辺までの調整で堅調な流れを維持できれば、いずれは7月高値を超えて4800円台後半を目指すような流れとなる可能性も。
プラチナ価格は-13円、0.42%の続落。横ばい推移の日を含めて7日間連続の下げ基調となり、9月18日(3051)以来2カ月半ぶり安値水準での軟調推移。金とは対称的に200日移動平均線(3304)に上値を押さえられての急落で下げ幅を拡大。金との価格差は1707円。初の1700円台となり、3日連続で過去最大を更新。8月安値から11月高値までの61.8%戻し(3097)も意識される水準となり、この水準は8月安値からの反発局面で何度か上値を押さえられた抵抗水準。今度はサポート水準として作用する可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格12/6とチャート
- 2018年12月6日(木)時点の相場
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国内金 : 4,818 円 12/6(木) ▲7(0.15%) 国内プラチナ : 3,111 円 12/6(木) ▼13(0.42%) NY金 : 1,246.6 ドル 12/4(火) ▲7.0(0.56%) NYプラチナ : 804.2 ドル 12/4(火) ▼6.5(0.80%) ドル円 : 113.16 円 12/5(水) ▲0.39(0.35%)
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