金プラチナ短期相場観

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米貿易赤字は10年ぶり、ファーウェイ・ショックで米中冷戦へ

更新日:2018年12月7日(金)

米貿易収支 2018年10月中国通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)兼副会長が米国の要請によりカナダで逮捕されたという報道から、米中関係悪化を懸念するファーウェイ・ショックとなった6日の東京時間からダウ先物や日経平均などアジア株も欧州株も全面安となり、リスク回避ムードが強まりました。
逮捕されたのは米中首脳会談が行われた今月1日とのことで、4月の米中首脳会談の時にはシリアに向けてのミサイル発射もあり、米中首脳会談の裏では何かが起きる、不穏なムードも漂うイベントとなりつつあります。

逮捕が報道されたこの日、米商務省が発表した10月の貿易収支では、赤字幅が予想を上回る-554.9億ドルとなり、5カ月連続の拡大で2008年10月(-601.9億ドル)以来、10年ぶりの大幅赤字となっています。輸出額が9月からは小幅減となったのに対し、輸入額は3カ月連続で過去最大を更新しました。

対中国のモノの貿易収支では、10月は-431.0億ドルとなり、対中国の貿易赤字は4カ月連続で過去最大を更新しました。輸出が9月から減少したのに対し、中国からの輸入は2カ月連続で過去最大を更新しています。

米中貿易戦争は一服状態となったものの、米国の貿易赤字拡大と対中赤字拡大もその勢いは衰えず、ファーウェイ・ショックで米中冷戦状態の様相を呈してきました。


NY金・日足チャート 2018/10/31 - 12/66日のNY金相場は3ドル安で3営業日ぶりの反落。ファーウェイ・ショックとなった東京時間には1240ドル台前半から半ばまで上昇、ただし米中貿易摩擦への警戒感再燃ともなり、金の上値も限定的に。NY市場では米11月のADP雇用者数が予想を下回り、新規失業保険申請件数も増加傾向が続き、10月貿易収支は赤字幅拡大で株安とドル安円高の流れが一段と強まり、金は一時1250ドル近辺まで急騰。しかし、7月11日以来5カ月ぶり高値へと水準を切り上げた直後には米11月ISM非製造業景況指数が60.7と予想外の好結果となったことをきっかけに巻き戻しの流れに。上方向への行って来いとなってNY引け後には1240ドル台前半。キリの良い水準まで上昇して上ヒゲを残す形となり、雇用統計の結果次第では調整幅拡大も、1230ドルがサポート水準候補。

NYプラチナ・日足チャート 2018/10/31 - 12/6NYプラチナ相場は-14.6ドル、1.82%の大幅続落。9月11日(789.3)以来、3カ月ぶりの安値水準。サポート水準となりつつもあった800ドルの大台ラインが抵抗線に切り替わってしまった形で軟調推移の展開に。NY市場では一時785ドルまで下落し、800ドル割れに伴う下値目安780ドル近辺にもほぼ到達した格好でNY引け後には790ドル台を回復。金との価格差は454ドルまで拡大し、連日の過去最大更新。反発に向けては800ドルの大台回復が目前の課題に。

ドル円・日足チャート 2018/11/2 - 12/6ドル円は50銭弱のドル安円高となって112円70銭台へと反落。ファーウェイ・ショックの東京市場ではリスク回避の株安円高で113円割れ、112円50銭のサポートラインではいったん耐えて欧州時間序盤には一時113円台を回復する場面もあったものの、欧州株も全面安となって米長期金利低下とドル安の勢いも強まり、米雇用指標の低調などもあってNYダウも一時700ドル超の下落、ドル円も10月末以来の安値となる112円20銭台まで下落。しかし、ISM非製造業景況指数の好結果もあって下げ渋ると、株価と金利とともに反発へ。逆イールド懸念は強まらないものの、米10年債利回りは3%から2.9%も下回り、3カ月ぶり低水準へと低下基調が強まり、ドル円の重石にも。雇用統計が予想外に低調となるなどをきっかけに112円半ばを再び割り込む展開となれば、円高方向への流れが強まって下値再トライへも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/6終値とチャート

7日の国内金価格は-10円、0.21%安。5カ月ぶり高値をつけ、短期上値目安4810円台にも到達したことで上昇基調一服も、調整幅としては限定的に。今回の11月雇用統計では好結果が予想され、波乱の可能性は比較的低いと予想されるものの、調整幅拡大となった場合でも200日移動平均線(4786)近辺までではサポートされやすそう。
週間ベースでは+31円(0.65%)となり、3週続伸。

プラチナ価格は-42円、1.35%の大幅安で3日続落。横ばい推移を含めて8日間連続の下げ基調となり、9月18日(3051)以来2カ月半ぶりの安値水準。8月安値から11月高値までの61.8%戻し(3097)も突き抜け、RSIは20%を下回り過熱感も高騰。3100円近辺が抵抗水準となる前に早期回復できるかどうか。さらなる下値目安としては76.4%戻し(3026)も。金との価格差は4日連続で過去最大を更新し、1739円に。
週間ベースでは-130円(4.06%)となって4週続落。下げ幅としては8月13日からの週(-216円、6.78%)以来の大幅安。
※参考:金プラチナ国内価格12/7とチャート

2018年12月7日(金)時点の相場
国内金4,808 円 12/7(金) ▼10(0.21%)
国内プラチナ3,069 円 12/7(金) ▼42(1.35%)
NY金1,243.6 ドル 12/6(木) ▼3.0(0.24%)
NYプラチナ789.6 ドル 12/6(木) ▼14.6(1.82%)
ドル円112.70 円 12/6(木) ▼0.46(0.41%)

12/6(木)のその他主要マーケット指標

米11月雇用統計、賃金上昇率好調でも失業率にはピーク警戒感も 12/8(土)

米貿易赤字は10年ぶり、ファーウェイ・ショックで米中冷戦へ 12/7(金)

ユーロ圏サービス業PMIもほぼ2年ぶり低水準 12/6(木)

米中休戦にドル安人民元高、逆イールドで金も追随 12/5(水)

ユーロ圏ビッグ4、製造業PMIは2カ月連続で下位を独占 12/4(火)


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