金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

FOMCは「忍耐強く」年内据え置き、失業率底打ちで打ち止めも?

更新日:2019年3月21日(木)

FOMC FF金利見通し 2019年3月今回のFOMCでは、1月の声明文に新たに追加された、「適切なFF金利の目標誘導レンジの将来的な調整(adjustments to the target range)に向けて、委員会は「忍耐強く」なるだろう(the Committee will be patient)」の一文が踏襲され、様子見状態継続、つまり金利据え置き継続が示されました。
いつ頃まで様子見状態が続くのか、FOMC参加メンバによるFF金利予想ドットチャートが示す2019年末の中央値は現状維持。前回12月FOMCでの2019年末予想中央値2.875%から2.375%に引き下げられ、2回の利上げ予想から年内据え置きへ。

詳細には、前回12月時点で2019年の据え置きを予想したのは2名のみ。利上げ予想は合計15名、うち1回の利上げが4名、2回が5名、3回は6名。
これに対して今回の据え置き予想は11名。利上げ予想は合計6名、うち1回の利上げが4名、2回は2名のみ。
前回3回の利上げを予想したタカ派6名が今回は1回と2回に下方シフトし、2回までの利上げを予想した9名全員が据え置き予想に加わった形にもなり、大幅下方修正。市場の織り込み度合いに最大限、寄せる形にもなったようです。

また、バランスシート縮小についても5月から減速し、9月に終了することを表明し、ハト派的な印象を強めた可能性もありそうです。

FOMC 失業率見通し 2019年3月なお、失業率予想は2019年末が前回の3.5%から3.7%へ引き上げられています。2020年末も3.6%から3.8%へ、2021年も3.8%から3.9%へといずれも2回連続での引き上げ。

雇用統計では昨年9月と11月に48年ぶり低水準となる3.7%まで低下した失業率は今年2月も3.8%。歴史的低水準を維持する状態は続きますが、FOMCの予想からは、「今年もう一度3.7%まで低下する場面もあるだろうけれど、もうそれで底打ちだろう」との思いも滲みます。

失業率が今回の予想に近い形で推移することになれば、「依然として堅調」な労働市場は今年、ピークアウトする可能性も高まり、失業率はボトムアウトして上昇局面入りへ。
そうなると、2020年の利上げ予想1回は現実とはならず、既に利上げ打ち止めとなっていた、ということにもなりかねません。

NY金・日足チャート 2019/2/13 - 3/2020日のNY金相場は-4.8ドル、0.37%の反落。1300ドル台半ばで膠着状態となった時間外から、NY朝にはFOMCへの思惑が交錯、1310ドル付近まで買われた直後には1300ドル割れ試す乱高下。NY引け後のFOMC結果は想定以上にハト派的と見る向きが多かった模様でドル全面安、ユーロドルは1カ月半ぶり高値となる1.1440ドル台まで急騰し、米10年債利回りは1年2カ月ぶり低水準となる2.53%台へと急低下。NY金は2月末以来の高値水準となる1310ドル台後半へと15ドル超の急騰。春分の日の祝日で休場の東京時間朝も1310ドル台半ば付近を維持。抵抗水準となっていた20日移動平均線(1305.3)を上抜け、1290ドルから1310ドルまでの保ち合いレンジも上方ブレイク。欧州時間にかけてはさらに買われる可能性もあり、調整局面を抜け出して上値再トライへと向かう流れが強まる可能性。20日移動平均線の低下に伴い水準を切り下げてきた20日移動平均+2.5%乖離ライン(1337)付近、1330ドル台後半までが目先の上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/13 - 3/20NYプラチナ相場は+7ドル、0.82%高となって4日続伸。3月1日(863.7)以来、半月ぶりの高値水準での一段高。前日フライング気味に20日移動平均線(841.5)を上抜けたことでスタートした上値トライの流れが継続、この日のNY市場では860ドルをはさんでの揉み合い推移となり、FOMC後には870ドル手前まで一段高。今年最高値更新となる880ドル台までが当面の上値目標。

ドル円・日足チャート 2019/2/14 - 3/20ドル円は70銭超のドル安円高となって4日続落。東京時間午前には五十日の買いから111円70銭付近まで上昇も、徐々に失速して111円50銭付近での膠着状態で欧州時間からNY時間へ。FOMC後には2月末以来の安値水準となる110円50銭台へとほぼ1円の急落。米10年債利回りが0.08%超の急落となったことにも連れ、ハト派的な結果を好感していったん上昇した米株も金利低下の影響もあって上げ幅を消したことも重石となり、自立反発も限定的に。今朝の東京時間も110円60銭台で小康状態となり、欧州時間以降の売り再開も警戒される状況にも。2月以降サポートされてきた20日移動平均線(111.30)を大きく割り込んで調整局面入り、110円前後までが目先の下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/20終値とチャート

2019年3月21日(木)時点の相場
国内金5,016 円 3/20(水) ▲13(0.26%)
国内プラチナ3,284 円 3/20(水) ▲72(2.24%)
NY金1,301.7 ドル 3/20(水) ▼4.8(0.37%)
NYプラチナ859.6 ドル 3/20(水) ▲7.0(0.82%)
ドル円110.65 円 3/20(水) ▼0.74(0.66%)

3/20(水)のその他主要マーケット指標

フィリー指数3月はマイナス圏から急回復も見通しは低調 3/22(金)

FOMCは「忍耐強く」年内据え置き、失業率底打ちで打ち止めも? 3/21(木)

ZEWドイツ景況感、現況は下げ止まらず、も期待は下げ止まり 3/20(水)

実質実効為替レートが示すドル高円安と金の収束状態 3/19(火)

国内金価格3月は6年連続下落回避をかけてFOMCへ 3/18(月)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ