金プラチナ短期相場観

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ADP雇用もISM非製造業景況指数も下振れ、でもドルは下げ渋り

更新日:2019年4月4日(木)

ISM雇用指数とADP、NFPの3カ月平均 2019年3月この日発表された3月のADP雇用者数の伸びは前月比+12.9万人にとどまり、市場予想の+17.5万人を大きく下回って1年半ぶりの低水準。その後発表されたISM非製造業景況指数も3月は58.0の市場予想に対して56.1にとどまり、1年3カ月ぶりの低水準。
いずれも市場予想を下回る結果となりましたが、極端な悪化でもなく、雇用統計を控えていることからも、一時的にはドル売り進行もすぐに買い戻される限定的な反応となりました。

ADP雇用リポートでの雇用者数を3カ月平均で見ると、3月時点で前月比+19.64万人。4カ月ぶりに+20万人割れとはなりましたが、2016-2017年には+20万人未満での推移する期間も長く、近年(2015年6月以降)の平均+19.4万人を上回っています。
雇用統計でのNFP3カ月平均では、2月時点で前月比+18.60万人。3カ月ぶりの+20万人割れで1年3カ月ぶりの低水準。近年の平均+20.0万人も下回りましたが、2月は前月比+2.0万人と極端な下振れとなった月でもあり、今後の上方修正や反動増も予想されそうです。

ISM非製造業景況指数の雇用指数は、8カ月ぶり低水準となった2月の55.2から3月は55.9へと上昇。近年(2015年8月以降)の平均55.1を上回る水準での推移が続いています。
アンケート調査回答のなかには、やはり労働需給の逼迫を懸念する声もあるようです。
ISM製造業景況指数の雇用指数では、1年10カ月ぶり低水準となった2月の52.3から3月は57.5へと急上昇していました。近年の平均値54.0も上回ります。

米雇用情勢としては、昨年のピークを過ぎて若干弱まり始めている兆候も見られますが、まだまだ堅調なレベルにあり、今回の3月雇用統計ではむしろ2月の反動増から上振れもあり得るかもしれません。
それを期待して下げ渋るドル、それを警戒して上げ渋る金、という構図にもなってきたようです。

NY金・日足チャート 2019/2/28 - 4/33日のNY金相場はわずかに-0.1ドル、0.01%の小反落。この日の変動値幅は前日からさらに縮小、6ドル強で2月5日、今年高値1340ドル台へと急騰局面を形成する前の膠着状態が続いた時期以来、2カ月ぶりの小動き。NY朝、ADP雇用者数が予想を下回った場面ではドル安に伴う上値トライも1299ドルまで。反応は一時的にとどまり、1300ドルには見えない壁ができつつある様子で戻り売り。ISM非製造業景況指数が予想を下回っても同様の展開でドルは下げ渋り、金は上げ渋り。週末までは雇用統計待ちでの膠着状態が続きそうな様相となり、結果次第で上方向には1300ドルを突破した場合でも1320ドル台が抵抗水準に、下方向への流れが強まれば1270ドル近辺までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/28 - 4/3NYプラチナ相場は+21.7ドル、2.55%の大幅反発。1月4日(+27.9ドル、3.49%)以来、3カ月ぶりの大幅上昇。南アフリカでの電力不足懸念を背景にプラチナETF残高が急増している模様。ロンドン時間から買い圧力が強まるとNY朝にはこれまで何度トライしても上値を押さえられ続けた860ドル台を上抜けて870ドル台へ、NY引け後には870ドル台後半まで上昇。下値警戒感が強まる状態からの巻き戻しとなり、今年高値更新をかけた攻防状態に。可能性としては保ち合い上方ブレイクに伴い、890ドル付近まで上値を伸ばす展開にも。

ドル円・日足チャート 2019/2/28 - 4/3ドル円は10銭ほどのドル高円安となって小幅反発。東京時間には米中貿易協議の合意に向けた進展観測報道などから円安急進となって111円50銭台まで上昇、200日移動平均線(111.48)を少し超えた水準では戻り売り圧力も強く、この日は何度も50銭台を試しながらも上値を押さえられる展開に。ただし下値も堅く、ADP、ISM指標の結果には一時的な下振れもすぐに元の水準まで買い戻され、結果的に200日移動平均線との攻防が継続中。ドル高円安方向への勢いが強まりそうな状態ながら、雇用統計の結果を確認するまでは攻防ライン付近での推移は続きそうな状況に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/3終値とチャート

4日の国内金価格は+14円、0.28%高で4日続伸。4日続伸でも3月29日の急落幅(-58円、1.17%)を埋めきれず、急落前の保ち合い下限4970円まではあと8円。9日移動平均線(4961)、21日移動平均線(4972)との攻防を上抜けて、3月末までの保ち合い水準4970円から5010円台までのレンジ半ば辺りまでを回復した状態で雇用統計を迎えることになれば、多少の好結果にNY金が売られた場合でも3910円付近がサポートとなる可能性も。この水準を割れるようだと4870円前後までが下値目安に。上方向には5020円までが当面の抵抗水準、超えることができれば今年高値更新で5100円台も視野に。

プラチナ価格は+78円、2.38%の大幅高で4日続伸。昨年11月12日(3352)以来、5カ月ぶりの高値水準。上げ幅としても昨年11月2日(+104円、3.2%)以来5カ月ぶりの大幅上昇。当時の水準も3351円で今回と全く同水準。当時その後まもなく11月高値3397円をつけた後に100円ほどの急反落局面を形成。今回は3280円台の抵抗水準突破に伴う短期的な上値目標3350円台にいきなり到達したこともあり、雇用統計後の急反落への警戒感も。
※参考:金プラチナ国内価格4/4とチャート

2019年4月4日(木)時点の相場
国内金4,962 円 4/4(木) ▲14(0.28%)
国内プラチナ3,351 円 4/4(木) ▲78(2.38%)
NY金1,295.3 ドル 4/3(水) ▼0.1(0.01%)
NYプラチナ874.2 ドル 4/3(水) ▲21.7(2.55%)
ドル円111.44 円 4/3(水) ▲0.12(0.11%)

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