金プラチナ短期相場観
米製造業、コア資本財出荷は過去最長の好調期を形成中
更新日:2019年4月3日(水)
米商務省が発表した2月の耐久財受注速報値は前月比-1.6%。市場予想の-1.8%を上回ったものの、昨年10月以来4カ月ぶりのマイナス圏。輸送用機を除く耐久財受注は前月比+0.1%で予想通り、1月の-0.1%からプラスに改善。
民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(航空機を除く非国防資本財)の受注は前月比-0.1%。1月の+0.9%からのマイナスに落ち込み、直近4カ月では3度めのマイナス圏。世界景気減速懸念や米中貿易摩擦などへの警戒感から民間の設備投資が抑制気味にあることも示す状態に。
GDPの算出に用いられるコア資本財(航空機を除く非国防資本財)の出荷は前月比0.0%。1月から鈍化したものの市場予想の-0.1%を上回り、1月も+0.8%から+1.0%に上方修正。
コア資本財の出荷を3カ月平均で見ると直近3カ月連続の上昇で2月は+0.4%。2016年11月以降、2年4カ月連続で前月比0.0%以上となっています。
3カ月平均で2年4カ月連続0%以上となるのは、2009年7月から2011年10月まで(2年4カ月)以来7年4カ月ぶり。1992年以降のデータでは2度めの過去最長。
2009年7月は最後のリセッションから抜け出したタイミングでもあり、出荷ベースでは世界金融危機以降、2度めの長期好調期を形成していることになります。
米国の景気拡大期は今年6月で丸10年、7月には戦後最長になろうかという時期でもあり、景気拡大期継続に向けて警戒感も漂い始める時期も迫りつつあるのかもしれません。
2日のNY金相場は+1.2ドル、0.09%の小反発。この日の変動値幅は上下8ドルにも満たず、1カ月ぶりの小動き。時間外にはわずかに軟調推移となって一時1290ドル割れも、NY市場にかけてはジリ高推移の反発基調で元の水準を回復。下値は90日移動平均線(1287.2)にもサポートされ、上値は1300ドルの大台ラインと20日移動平均線(1301.2)が抵抗水準となりつつある状態に。なお、ドルインデックスは今年高値圏97ポイント台手前まで水準を切り上げて失速状態となり、ユーロドルは今年安値圏手前の1.12ドル付近で下げ渋る状態。雇用統計などをきっかけにドル高がもう一段進行した場合には、ユーロドルは1.10ドルに向けた流れが加速する可能性もあり、そうなった場合にはNY金もサポートを割れて1270ドル近辺あたりまで水準を切り下げる展開にも。
NYプラチナ相場は-2.8ドル、0.33%安で3日ぶりの反落。この日の値幅10ドルは1カ月ぶりの小動き。840ドルから860ドルまでの保ち合いレンジ内上半分での推移となり、高値では連日上ヒゲを残してきた860ドル台にも届かず、上値の重さが意識される状態にも。週末にかけては20日移動平均線(842.4)にサポートされ続けるかどうかも警戒され、割れると800ドルの大台ライン付近が意識される展開にも。
ドル円は111円30銭台でほぼ横ばい推移も4日ぶりの小反落。この日の値幅は上下わずか20銭ほどにとどまり、2017年12月25日以来、1年3カ月ぶりの小動き。3月末からの反発基調は200日移動平均線(111.47)に上値を押さえられた状態で失速。一方で下値は20日移動平均線(111.05)や90日移動平均線(110.80)など複数のサポート候補もあり、短期トレンドも徐々に上向きへ。米ISM非製造業景況指数や雇用統計などの悪化は想定し難い状況でもあり、むしろ予想以上の好結果となればドル高円安方向への流れ再開も。200日線を超えることができれば三角保ち合いを上抜ける形にもなり、今年高値を更新して113円台を目指す流れに発展する可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/2終値とチャート
3日の国内金価格は+10円、0.2%高で3日続伸。3日続伸でも3月29日の急落分(-58円、1.17%)を取り戻せず、急落前の保ち合い下限4970円まででもあと22円。8月以降の上昇トレンドのサポートラインを割り込んでの軟調局面は継続中。一時的な下振れとして見るためには少なくとも4970円を回復したいところ。その付近には下落基調の21日移動平均線(4972)、その手前には9日移動平均線(4964)も垂れ下がり抵抗帯となる可能性も。この水準を超えて保ち合い回帰の展開となるか、もしくは反落で下値トライ再開となるか、週末から週明けのタイミングで方向性が定まる展開にも。
プラチナ価格は+6円、0.18%高で3日続伸。3日続伸でも徐々に上げ幅を縮小する失速気味の状態で上値抵抗水準3280円台付近に到達。価格ラインの下に9-90日移動平均線が昇順に並ぶ強気相場を示しながらも、移動平均線は全て水平からやや下向きでサポート力の弱さも示す状態。抵抗水準付近ではいったん上値を押さえられそうな状況も、週末以降に上抜けることになれば今年高値更新へと上値トライ再開への流れもあり得るが。
※参考:金プラチナ国内価格4/3とチャート
- 2019年4月3日(水)時点の相場
-
国内金 : 4,948 円 4/3(水) ▲10(0.20%) 国内プラチナ : 3,273 円 4/3(水) ▲6(0.18%) NY金 : 1,295.4 ドル 4/2(火) ▲1.2(0.09%) NYプラチナ : 852.5 ドル 4/2(火) ▼2.8(0.33%) ドル円 : 111.32 円 4/2(火) ▼0.04(0.04%)
ADP雇用もISM非製造業景況指数も下振れ、でもドルは下げ渋り 4/4(木)
米製造業、コア資本財出荷は過去最長の好調期を形成中 4/3(水)
ユーロ圏製造業PMI、トップはギリシャ、ビッグ3は揃って50割れ 4/2(火)
平成最後の4月、国内金価格6年連続上昇の攻防を経て「令和」へ 4/1(月)
忍耐強く対応する理由の一つインフレ目標未達は6カ月連続 3/30(土)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン