金プラチナ短期相場観

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ユーロ圏製造業PMI、トップはギリシャ、ビッグ3は揃って50割れ

更新日:2019年4月2日(火)

ユーロ圏製造業PMI 2019年3月ユーロ圏3月の製造業PMIは速報値の47.6から0.1ポイント下方修正されて47.5。2カ月連続の節目50割れとなって8カ月続落、2013年4月(46.7)以来、5年11カ月ぶり低水準。
需要の落ち込みは続き、受注高は2012年末以来、6年超ぶりの大幅減少となり、輸出受注は2012年8月以来6年7カ月ぶりの急減。
生産と新規受注の悪化は労働市場へも波及の兆候もあり、ドイツとイタリアでは雇用も減少。見通しも6年余りの期間で最低レベルに到達。

調査対象国のなかではドイツが2カ月連続の最下位でのこの低迷状態を牽引、いっぽうでギリシャが2カ月連続のトップとなって孤軍奮闘状態。

<ユーロ圏製造業PMIランキング-3月>
1位:ギリシャ:54.7:1年ぶり高水準
2位:アイルランド:53.9:2年3カ月ぶり低水準となった1月(52.6)に次ぐ低水準
3位:オランダ:52.5:3カ月続落、2年9カ月ぶり低水準
4位:スペイン:50.9:5年3カ月ぶり低水準となった2月(49.9)からは反発
5位:オーストリア:50.0:4カ月続落、4年ぶり低水準
6位:フランス:49.7:速報から0.1下方修正、2年3カ月ぶり低水準となった12月(49.7)以来3カ月ぶり低水準
7位:イタリア:47.4:3カ月続落、6カ月連続50割れ、5年10カ月ぶり低水準
8位:ドイツ:44.1:速報から0.6下方修正、8カ月続落、3カ月連続50割れ、6年8カ月ぶり低水準

スペインが節目50割れから反発、脱出したのに対し、フランスが再び50割れへと反落し、ユーロ圏ビッグ3のドイツ、フランス、イタリアが揃って節目50割れ。
とりわけドイツの低調ぶりは深刻で、2月の47.6からさらに大幅急低下。市場には速報値発表段階で既にネガティブに受け止められて世界景気減速懸念のきっかけにもなり、今回の確報値での反応は限定的となりましたが、0.6ポイントもの下方修正にもなっています。

なお、44.1という数値は最近では、トルコショックの影響で急低下した昨年9月のトルコの42.7に次ぐ低水準となっています。
ユーロ圏に限ればギリシャ・ショックの末期2015年9月のギリシャの43.3以来、3年半ぶりの低水準をドイツが記録。

チャート上で見るとセリング・クライマックスのような形状にもなっていますが、底打ちの可能性を示唆するような兆しは未だ見られない状況のようです。
ドイツの景気低迷により、ユーロ安基調も続き、結果的にドル高をサポートする状態も続きます。

NY金・日足チャート 2019/2/26 - 4/11日のNY金相場は-4.3ドル、0.33%の反落。中国と米国の製造業景況感がいずれも予想を上回る好結果となり、世界景気減速懸念後退となって株高と金利上昇のリスクオンの流れに。いっぽうでユーロ圏の製造業景況感低迷は続き、ユーロドルが5日続落で今年安値圏トライの様相となってドル高をサポートする形となり、NY金の下押し圧力にも。NY朝には米2月小売売上高の予想下振れを受けて1290ドル台半ばから1300ドル台へと上昇する場面もあったものの、その後発表された米3月ISM製造業景況指数の好結果で巻き戻し。米10年債利回りも2.5%へと急騰し、NY金は1290ドル前半へと押し戻される展開に。下げ止まって水平状態へと移行した20日移動平均線(1300.7)が抵抗線となりつつもあり、1290ドル台での小幅保ち合い形成の様相にも。米指標の好結果などが続いて下方向へと抜け出すことになれば、1270ドル近辺まで下値余地拡大も。

NYプラチナ・日足チャート 2019/2/26 - 4/1NYプラチナ相場は+1.2ドル、0.14%の小幅続伸。NY朝には金に連れて850ドル台半ばから860ドル台前半へと上昇、しかし、NY午後までは維持し切れず860ドル割れ。9営業日連続で860台に上ヒゲを残す形となり、860ドル台での抵抗感は一層強まる状態に。この水準を突破できれば今年高値更新は確実視され、さらに上値を伸ばすような展開も想定されるものの、確率的にはかなり低いと言わざるを得ない状況にも。下値も840ドル台では20日移動平均線(841.7)にも支えられて強めのサポートを形成、ただし、これを割り込んだ場合には800ドルの大台付近までが意識される展開にも。

ドル円・日足チャート 2019/2/26 - 4/1ドル円は50銭のドル高円安となって3日続伸、2週間ぶりに111円台を回復。東京時間午前は中国の製造業PMIの好結果と新元号発表へのご祝儀相場の様相となった国内株高にも連れて111円10銭台へと上昇。午後には株価反落とともに軟調推移となり、米2月小売売上高が予想外の低調となると110円70銭台まで下押し。しかしISM製造業景況指数の好結果には急反発、金利上昇と米株高の流れにも連れて111円40銭台まで上昇。抵抗線となりつつあった90日移動平均線(110.82)を上抜けたことで上値トライ加速の展開となり、111円台半ば付近に到達した状態に。ISM非製造業景況指数や雇用統計などでも好結果となればもう一段の上昇も想定され、111円70銭を超えることができれば今年高値更新と113円台トライの展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/1終値とチャート

2日の国内金価格は+6円、0.12%の小幅続伸。4910円手前で下げ止まって折り返した流れが継続、その下には90日移動平均線(4892)もサポート候補として上昇中。上からは9日移動平均線(4971)が21日移動平均線(4974)をデッドクロスして抵抗線となりそうな気配も。短期的には下向き、中期的には上向き優勢の流れが交錯する保ち合い形成の様相にも。短期抵抗線を上抜けても5020円までが当面の抵抗水準に、4910円割れで90日線にもサポートされない場合には4870円前後までが下値目安に。

プラチナ価格は+18円、0.55%の続伸。勢いには欠ける状態ながら下値を切り上げる流れも継続。方向感はほぼ中立状態も3280円台の高値を上抜けることができれば上方向への流れが強まる可能性、今年高値更新から11月高値圏、3350円台辺りまでが意識される展開にも。3220円のサポートを割れるようなら下値トライ再開で3130円台辺りまでが次の下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/2とチャート

2019年4月2日(火)時点の相場
国内金4,938 円 4/2(火) ▲6(0.12%)
国内プラチナ3,267 円 4/2(火) ▲18(0.55%)
NY金1,294.2 ドル 4/1(月) ▼4.3(0.33%)
NYプラチナ855.3 ドル 4/1(月) ▲1.2(0.14%)
ドル円111.36 円 4/1(月) ▲0.50(0.45%)

4/1(月)のその他主要マーケット指標

米製造業、コア資本財出荷は過去最長の好調期を形成中 4/3(水)

ユーロ圏製造業PMI、トップはギリシャ、ビッグ3は揃って50割れ 4/2(火)

平成最後の4月、国内金価格6年連続上昇の攻防を経て「令和」へ 4/1(月)

忍耐強く対応する理由の一つインフレ目標未達は6カ月連続 3/30(土)

ユーロ圏3月景況感指数でも、要警戒はドイツ、イタリア、製造業 3/29(金)


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