4月
金プラチナ短期相場観
それでも年内利下げ予想は80％
更新日：2019年5月25日(土)
CMEフェドウォッチが示す年内利下げ予想は24日時点で77.4％。12月FOMCまでに1回以上の利下げを見込む割合は23日には79.8％、ほぼ80％まで上昇。
このうち、利下げ1回の予想は40％近辺での推移が続いているのに対し、2回の利下げ予想は23日に28.9％まで、ほぼ30％まで織り込みが進行。3回の予想も23日には9.2％、4回が1.3％、5回も0.1％となっていました。
米10年債利回りが2.4％を割り込んだ3月末には3カ月債利回りとの逆イールドも注目され、年内1回以上の利下げ織り込み度は70％に到達し、その後は米10年債利回りが2.6％付近まで反発したことにも連れて年内利下げ予想は40％まで低下しました。
しかし、5月に入ってにわかに騒がしくなってきた米中貿易摩擦のエスカレートを警戒し、5月半ばにかけて再び米10年債利回りは2.4％割れ、年内利下げ予想も70％超え。ただし、FOMC議事要旨では利下げの議論がなされなかったことがわかるとややトーンダウン。米10年債利回りの2.4％台への反発とともに年内利下げ予想も70％割れ。
ところが、今週木曜には低迷が続くドイツとユーロ圏の製造業PMIに追随するように、米国の製造業PMIも急低下。
これをきっかけに米10年債利回りは1年半ぶり低水準となる2.3％台前半へと急低下、年内利下げ予想は過去最大となる80％へ。
3月FOMCでのFF金利予想ドットチャートでは、年末の金利予想中央値では据え置きとなっており、5月FOMCの議事要旨からも据え置きが基本線であることは確認されてはいますが、ドットチャートの配置から、強いて割合で示すと据え置き予想は17分の11、利上げ予想が17分の6。3月時点では据え置き予想が65％、利上げ予想が35％。
3月以降は利上げ予想が0％の市場予想とは随分乖離がありますが、6月FOMCのドットチャートでどこまで歩み寄りが見られるかも注目されます。
その前に、月末月初の米インフレ指標や雇用指標などでネガティブな結果が見られるようだと、米10年債利回り低下と年内利下げ予想の上昇基調はさらに進行し、6月FOMCのドットたちへの下押し圧力にもなりそうです。
24日のNY金相場は-1.8ドル、0.14％の小幅安で3日ぶりの反落。前日の大幅高からの反動安も限定的に。欧米株の買戻しが優勢となったことも重石になったものの、2年ぶり安値からの反発基調が続いたユーロドル、その影響でやはり2年ぶり高値からの急反落局面を形成するドルインデックスなどが下支え。3連休前とあって値動きも抑制され、1280ドル台前半での揉み合いに終始したこの日の変動値幅は上下わずか4.6ドル、2017年8月7日（4.3ドル）以来1年9カ月ぶりの小動き。1270ドルから1300ドルまでのレンジ内推移で月末の指標見極めへ。下方向へレンジを抜け出せば1230ドル付近までが次の下値目安に、上方向にブレイクなら1330ドル台が目標水準にも。
週間ベースでは+7.9ドル、0.62％の反発。
NYプラチナは+3.4ドル、0.43％高で3日ぶりの反発。前日の800ドル割れからの買戻しが進行した時間外には810ドル手前まで上昇、しかしNY朝には戻り売り再開。それでも800ドルの大台ラインでは底堅さも見られ、800ドル台半ばへと反発基調に戻した状態に。2日連続で800ドルの大台ラインとの攻防を経て、今回の下落局面の底を打った可能性も残して月末の攻防へ。
週間ベースでは-17.4ドル、2.12％安で5週続落。5週続落は12月以来。
ドル円は30銭強のドル安円高となって3日続落。東京時間から欧州時間までは109円40銭台から70銭台までのレンジで保ち合い推移の展開。米4月耐久財受注が予想を下回ったことへの反応は限定的となったものの、その後徐々にドル売りの流れが強まり、109円40銭を割れると20銭台まで急落。前日に1年半ぶり低水準となった米10年債利回りはこの日2.32％付近での小康状態となったものの3カ月物の利回り2.34％を下回り、このところ散発的に逆イールドとなっていることもドル円の重石に。さらにドルインデックスは2年ぶり高水準からの巻き戻しが2日連続で急速に進行し、ドル円を押し下げた形にも。5月安値圏にほぼ到達した状態にもなり、月末の指標結果や米中対立を巡るトランプ発言などをきっかけに109円を割れるようだと一段安の展開も予想され、1月半ば安値圏108円台前半までが次の下値目安にも。
週間では-0.77円、0.7％の反落。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート
- 2019年5月25日(土)時点の相場
-
国内金 ： 4,853 円 5/24(金) ▲12(0.25％) 国内プラチナ ： 3,027 円 5/24(金) ▼20(0.66％) NY金 ： 1,283.6 ﾄﾞﾙ 5/24(金) ▼1.8(0.14％) NYプラチナ ： 802.9 ﾄﾞﾙ 5/24(金) ▲3.4(0.43％) ドル円 ： 109.31 円 5/24(金) ▼0.32(0.29％)
斜行三角形の保ち合いから、国内金価格は反発局面へ！？ 5/27(月)
それでも年内利下げ予想は80％ 5/25(土)
景気減速懸念は製造業からサービス業へ、欧州から米国へも 5/24(金)
KOMTRAXデータで見る米景気の底堅さと日本の出遅れ感 5/22(水)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート＆レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート＆レジスタンスライン
