金プラチナ短期相場観
主要地区連銀6月製造業景況感は軒並み低調も
更新日:2019年6月27日(木)
6月の米主要地区連銀の製造業景況感指数は低調な結果となり、ISM製造業景況感指数も一段と低下することが予想され、場合によっては節目の50割れも警戒されそうです。
NY連銀の製造業景況感指数は5月の17.8から6月は-8.6へと過去細大の急落。フィラデルフィア連銀も5月の16.6から6月は0.3へと急降下。リッチモンド連銀も5月の5.0から6月は3.0と低水準での推移が続きます。
ダラス連銀では-5.3から-12.1へと2カ月連続マイナス圏での急低下、3年ぶり低水準。期待指数も3年5カ月ぶりの低水準となってマイナス圏へと落ち込んでいます。
この日発表された米5月の耐久財受注では、民間設備投資の先行指標とされる非国防資本財から航空機を除いたコア受注が前月比+0.4%と4カ月ぶり高水準となり、貿易摩擦による悪影響を感じさせない好結果となりましたが、主要地区連銀の6月景況感は軒並み低調となっています。
NY連銀の設備投資指数は5月の26.2から6月は10.5と急低下。2016年8月以来、2年10カ月ぶり低水準。ダラス連銀の設備投資指数も18.3から6.9へと急落、2017年4月以来、2年2カ月ぶりの低水準となっており、貿易摩擦による先行き不透明感が影響しているようにも見えます。
しかし、日本時間27日午前、一部報道で米中貿易戦争の一時休戦と対中関税第4弾の発動見送りへ、とも伝えられ、期待感も高まり、為替の円安が急速に進行し始めています。
26日のNY金相場は-3.3ドル、0.23%安となって5日ぶりの反落。前日NY引け後に一度は1420ドル台回復も、ロンドン市場にかけては軟調推移再開、NY市場では1410ドルをはさんでの保ち合い推移。結果的に早期大幅利下げ観測がやや後退したことで買われ過ぎ状態からの巻き戻しが前日から続いた形。2%を割り込んでいた米10年債利回りもこの日は2%台へと上昇の流れが続いたこと、ムニューシン米財務長官発言などをきっかけに米中首脳会談への警戒感が後退したことなども重石に。目先はG20を控えてボラティリティはいったん縮小方向へ。1410ドル割れの水準では底堅さも見られ、目先はこの大台ラインがサポートとなる可能性も。ただし週明けにかけてリスク後退の流れが強まるようだと5月安値からの上昇幅の38.2%戻し1370ドル台辺りまでが意識される展開にも。上値は6年1カ月ぶり高値となった1440ドルが当面の抵抗水準となる可能性も。
NYプラチナは+6.8ドル、0.84%の反発。連日の底値保ち合い上限トライにようやく成功した可能性も。時間外には810ドル割れでの推移も上昇軌道に転じた20日移動平均線(807.1)にサポートされ、NY市場では資源国通貨などが買われるリスクオンの流れに連れて810ドルを超えると一時820ドル手前まで一段高。ただし、NY引け後には節目の815ドル付近での小康状態となり、上方ブレイクの兆しも継続性は微妙な状況にも。820ドルも超えて上値トライの流れが続くようなら、当面の上値目標は5月上旬安値850ドルへ。
ドル円は60銭弱のドル高円安となって0.5%超の大幅反発。上昇率が0.5%を超えるのは今年5回目。今年5番目の大幅上昇。前日に107円を割り込んで下ヒゲを残す形となり、円高圧力も一服状態となって巻き戻しの流れは東京時間からコンスタントに継続。欧州時間にはムニューシン米財務長官が米中協議に関して90%まで進行している旨の発言。米中首脳会談に向けての楽観見通しにつながり、株高と長期金利上昇とともにドル円も107円40銭台から70銭台へと急騰。短期トレンドはいったん底入れ反発方向へと傾斜中。目先は108円台半ばまでが上限となり、週明けにこれを上回ることになれば109円台半ばまでが次の上値目標にも。当面のサポートになりそうな107円を割り込むようだと106円付近に向けて一段安の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/26終値とチャート
27日の国内金価格は+2円、0.04%の小反発。調整もそこそこにG20を迎えることに。G20というよりは土曜日開催の米中首脳会談の結果が注目され、合意に向けてポジティブな方向へと向かえば調整幅拡大へ、ネガティブ方向なら一段高も。日曜日には中国の6月製造業PMIの発表もあり、週末にはトランプ米大統領の不規則ツイートへの警戒感も。いずれにしても週明けには大幅変動も警戒される状況に。高値更新なら5300円が次の上値目標に、調整幅拡大なら5月末からの38.2%戻し、5089円近辺も。
プラチナ価格は+42円、1.41%の大幅反発となって前日の大幅安を帳消し。予想どおり下方ブレイクから下値トライの兆しはダマシに終わり、保ち合い回帰。今度は逆に保ち合い上抜けへの可能性も高まる状況となり、NYプラチナの上値トライの流れが進行するなら国内価格も3030円の節目超え、反発基調スタートへ。そうなれば逆三尊を形成する可能性を残しての反発局面入りとなり、ネックラインとなる3077円を超えるとさらに100円程度の上昇も見込まれ、3170円台までが次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格6/27とチャート
- 2019年6月27日(木)時点の相場
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国内金 : 5,215 円 6/27(木) ▲2(0.04%) 国内プラチナ : 3,029 円 6/27(木) ▲42(1.41%) NY金 : 1,415.4 ドル 6/26(水) ▼3.3(0.23%) NYプラチナ : 816.6 ドル 6/26(水) ▲6.8(0.84%) ドル円 : 107.75 円 6/26(水) ▲0.58(0.54%)
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