金プラチナ短期相場観

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6月ユーロ圏景況感指数は約3年ぶり、ドイツは6年ぶり低水準

更新日:2019年6月28日(金)

ユーロ圏景況感指数 2019年6月欧州委員会が発表した6月のユーロ圏景況感指数は103.3。
市場予想の104.8を下回り、2016年8月(103.2)以来2年10カ月、約3年ぶりの低水準。11カ月ぶりに反発した5月からは1.9ポイントの急低下。6年7カ月ぶりの急低下となった昨年12月の-2.0ポイントに次ぐ低下幅となり、減速基調に歯止めがかかっていないことを示す結果に。

ユーロ圏の景況感指数を押し下げてきたドイツの景況感指数は102.6となり、2013年7月(100.6)以来5年11カ月ぶり、ほぼ6年ぶりの低水準。5月の105.5からは2.9ポイントの急低下となり、1年ぶりにユーロ圏の数値を下回っています。

業種別の指数では、ユーロ圏の鉱工業指数が2013年9月以来、5年9カ月ぶり低水準となって全体の景況感下振れを牽引。
ドイツの鉱工業指数は2013年5月以来、6年1カ月ぶり低水準となり、さらに下押し圧力を強めています。

対米貿易を巡っての先行き不透明感と緊張感、中国を始めとして世界に強まる景気減速懸念などを背景に、ユーロ圏、とりわけドイツの景況感は回復の兆しがいっこうに見られない状態が続いています。
体調不良も心配されるメルケル首相にとっては、任期終盤に向けて支持率低下とともに頭の痛い問題となってきそうです。

NY金・日足チャート 2019/5/23 - 6/2727日のNY金相場は-3.4ドル、0.24%の続落。過熱感を振り切って6年1カ月ぶり高値をつけた後の調整局面が2日連続で進行。東京午前の時間帯には米中貿易協議の暫定合意が香港メディアから報じられたことをきっかけにドル高円安・株高のリスク選好の流れが急速に進行する場面もあったものの金市場の反応は限定的。続報もなく、後に中国政府の否定コメントを受けて巻き戻すなど、29日の米中首脳会談に向けての思惑と情報が錯綜し、市場もやや不安定化。金の調整局面はNY朝に1401.4ドルまで下げて折返し、NY引け後には1410ドル台を回復。5月安値から6月高値までの23.6%戻し(1401.5)と1400ドルの大台ラインがサポート水準となり、上方向には1420ドルが目先の抵抗水準に。米中合意失敗などで上方向へ抜け出すことになれば、25日の高値1440ドル付近までが上値目安に。習近平主席にも笑顔が見られ、リスク後退となって大台割れへと向かうなら、38.2%戻しとなる1370ドル台までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/5/23 - 6/27NYプラチナは-4.0ドル、0.49%の反落。810ドル台後半ではまだ上値が重く、上値トライの流れが進みそうで進まない状態に。ただし、下値も20日移動平均線(808.0)にしっかりサポートされ、流れとしては反発基調継続へと堅調な状態も維持。週末のG20後にリスク後退ムードが適度に優勢となるようなら、限定的な金の調整に引っ張られ過ぎず、株高の流れなどにも連れて反発基調が進み始める可能性も。5月前半安値850ドルを目標に反発基調継続へ。

ドル円・日足チャート 2019/5/24 - 6/27ドル円はわずかにドル高円安となって続伸も107円70銭台でほぼ横ばい推移。東京市場では香港メディアの報道を受けて急騰すると1週間ぶりに108円台を回復、一時108円10銭台まで上昇。4月につけた今年最高値112円40銭から6月25日につけた半年ぶり安値106円70銭台までの23.6%戻し(108.10)を達成し、20日移動平均線(108.07)にも上値を押さえられ、欧州時間にかけては戻り売りの展開に。中国が華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置解除を要求するとの報道などもあり、米10年債利回りも2.00%付近に向けて反落の流れとなり、追随したドル円は107円70銭まで値を戻す行って来いの展開に。結果的に米中協議の結果待ちという状態は変わらず、107円から108円台前半までを主要レンジとして保ち合い継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/27終値とチャート

28日の国内金価格は+14円、0.27%の続伸。5210円から5255円までの高値保ち合い形成の様相となっての週末、月末、四半期末、半期末。そして重要イベントを迎えるタイミングも重なり、新たな期間には水準が大きく切り替わってのスタートとなる可能性にも警戒。高値更新となれば次の上値目標は近年最高値、2015年1月の5298円の更新トライへ。5210円を割り込めば調整局面拡大で5月末安値からの上げ幅の23.6%戻し(5153)が目安に。
週間では+94円、1.83%高で5週続伸。月間では+372円、7.66%の大幅高となって4カ月ぶりの反発。上昇率では2013年7月(+361円、9.07%)以来、5年11カ月ぶりの大幅上昇。

プラチナ価格は+10円、0.33%の続伸。半月ぶり高値となって節目の3030円を上抜け。安値圏での保ち合いを上抜けたことで一定の反発局面形成となる可能性が高まる状況に。出遅れ気味のNYプラチナの反発局面加速が必須条件とはなるものの、3070円台を超えると6月の逆三尊を完成することになり、4月につけた今年高値から6月の今年安値までの38.2%戻し(3172)近辺が上値目標に。
週間では+33円、1.1%の反発。月間では+58円、1.95%の反発。6月の上昇は5年ぶり。
※参考:金プラチナ国内価格6/28とチャート

2019年6月28日(金)時点の相場
国内金5,229 円 6/28(金) ▲14(0.27%)
国内プラチナ3,039 円 6/28(金) ▲10(0.33%)
NY金1,412.0 ドル 6/27(木) ▼3.4(0.24%)
NYプラチナ812.6 ドル 6/27(木) ▼4.0(0.49%)
ドル円107.78 円 6/27(木) ▲0.03(0.03%)

6/27(木)のその他主要マーケット指標

PCEインフレ低迷継続、7月FOMCは「適切に行動」へ 6/29(土)

6月ユーロ圏景況感指数は約3年ぶり、ドイツは6年ぶり低水準 6/28(金)

主要地区連銀6月製造業景況感は軒並み低調も 6/27(木)

NY金価格1400ドル台の希少価値 6/26(水)

ドイツIFO景況感は3カ月続落、冷え込みは第2四半期も続く 6/25(火)


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