金プラチナ短期相場観

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賃金上昇率は頭打ち、ゼロ賃金の割合は底打ち?

更新日:2019年7月16日(火)

ゼロ賃金の割合 2019年6月雇用統計での平均時給の伸びは、前年比+3.2%から3.1%台で伸び悩む状態が続いていますが、アトランタ連銀が発表する個人時給の中央値の伸び(3カ月平均)は、6月に前年比+3.9%。直近4カ月は連続で上昇し、昨年11月(3.9)以来7カ月ぶりの高水準となっています。ただし、+3.9%は2016年10-11月にも記録しており、2008年以来の高水準。最後のリセッション以降、近年最高水準に到達した状態でもあり、頭打ちとなる可能性も警戒される水準。次月以降、さらに加速するのかどうかが注目されます。

賃金上昇率が+0.5%から-0.5%範囲内にとどまる人の割合、いわゆるゼロ賃金の割合は6月に13.3%となり、3月と並んで2016年10月(13.0%)以来、2年半ぶりの低水準。この13.0%も、2009年4月(13.0)以来の低水準。
ゼロ賃金の割合も、最後のリセッション以降での最低水準付近に到達した状態となっています。

過去、リセッション前には賃金上昇率が頭打ちとなり、ゼロ賃金の割合は下げ渋って底打ちしていました。
7月以降、賃金上昇率が+3.9%を上回らず、ゼロ賃金の割合が13%を下回らない状態が続くようなら、いずれも反転を警戒すべき時期、ということにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2019/6/10 - 7/1515日のNY金相場は+1.3ドル、0.09%の小幅続伸。週明け時間外は1420ドル台の高値を試した後はやや軟調気味に推移も、1410ドル台での保ち合い。NY朝には一時1410ドル割れも、米10年債利回りが2.1%割れへと低下基調となったことにも連れて1410ドル台後半へと持ち直し。高値保ち合い値幅を縮小する動きは続き、上値は1420ドルが重く、下値は1400ドル台では底堅さもあり、右肩上がりの20日移動平均線(1399.1)もサポートに。上方向に抜け出すことになれば、高値更新と1450ドル台までが上値目標に。下方向に抜け出した場合には6月上旬高値圏1350ドル台までが意識される展開にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/6/10 - 7/15NYプラチナは+10.6ドル、1.27%高となって4日続伸。5月15日(847.7)以来、2カ月ぶりの高値水準となり、2カ月ぶりに90日移動平均線(843.8)も上抜け。時間外から堅調推移となってNY市場では7月1日以来、2週間ぶりに850ドル台まで上昇し、上値目標に到達。短期的には上値トライ一服となりやすい状態にも。4月高値から5月安値までの半値戻し(855.0)付近にも到達しており、中期的には61.8%戻し(870.4)付近が次の上値目標水準にも。

ドル円・日足チャート 2019/6/11 - 7/15ドル円は10銭弱のドル安円高となって小幅に続落。海の日の祝日で休場となった東京市場の時間帯、中国の第2四半期GDPは前年比+6.2%と27年ぶりの低成長となったものの、市場予想どおりでもあり、6月の小売売上高や鉱工業生産などが予想以上の伸びを示したことがむしろ好感されてリスク選好の流れに。ドル円は107円80銭台から108円10銭台まで急上昇、しかし108円台は欧州時間まで持たず、戻り売りの展開で元の水準へ。NY朝に発表された7月のNY連銀製造業景況指数は予想を上回る好結果となったものの、構成指数のなかでは雇用が3年半ぶり低水準となり、価格指数なども低調となって反応は限定的に。結果的に107円80銭台から90銭台までの小幅レンジに収束。チャート形状は上ヒゲのみの「トウバ」を形成。高値圏では反落警戒サインも、安値圏では反発を示唆している可能性もあり、107円80銭台の節目で目先しばらくはサポートされる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/15終値とチャート

16日の国内金価格は+4円、0.08%の小反発。5200円から5300円までの高値保ち合いレンジ中央付近で小康状態に。月末のFOMCまでは経済指標のサプライズなどがなければ保ち合い推移継続が見込まれそうな様相にも。ただしNY金の保ち合いレンジ縮小に伴い、大幅変動を余儀なくされる可能性も。高値更新なら5370円台辺りまでが上値目標に、下方ブレイクの場合には大幅安の展開で6月の急騰前の高値圏5090円前後までが下値目安に。

プラチナ価格は+51円、1.66%の大幅反発。5月17日(3152)以来、2カ月ぶりの高値水準となり、3130円の節目をわずかながらも上抜け。一段高へと向かう可能性は高まる状況となり、3200円の大台回復が当面の目標に。ただし、NYプラチナの目標水準到達に伴う上昇一服も予想されることから、少し時間を要する可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格7/16とチャート

2019年7月16日(火)時点の相場
国内金5,254 円 7/16(火) ▲4(0.08%)
国内プラチナ3,131 円 7/16(火) ▲51(1.66%)
NY金1,413.5 ドル 7/15(月) ▲1.3(0.09%)
NYプラチナ845.2 ドル 7/15(月) ▲10.6(1.27%)
ドル円107.83 円 7/15(月) ▼0.08(0.07%)

7/15(月)のその他主要マーケット指標

NAHB住宅市場指数9カ月連続前年割れが示すリセッション警戒感 7/17(水)

賃金上昇率は頭打ち、ゼロ賃金の割合は底打ち? 7/16(火)

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