金プラチナ短期相場観
金価格5000円超は31営業日連続、近年最長タイ
更新日:2019年7月29日(月)
21世紀に入って国内金価格が初めて5000円を超えたのが2013年。これ以降の約7年間のうちで、10営業日以上連続で5000円超を維持したのは6回しかありません。
1)2013/1/25-2/20:18営業日連続、平均価格:5114円
2)2013/3/8-4/1:16営業日連続、平均価格:5076円
3)2015/1/16-2/17:23営業日連続、平均価格:5139円
4)2015/5/15-6/25:31営業日連続、平均価格:5045円
5)2017/12/28-2018/2/7:27営業日連続、平均価格:5070円
6)2019/6/14-2019/7/29:31営業日連続(継続中)、平均価格:5207円
現状は、2015年5月から6月にかけての31営業日連続と並び、近年最長タイとなっています。明日、301円超の急落とならない限り、最長記録更新となります。
なお、過去に301円超の急落は2度記録(2013年4月16日の-618円、2011年9月26日の-315円)してはいるものの、現状では非現実的。
また、価格水準として5000円を超えた期間の平均価格を比較すると、現時点では5207円。2015年1-2月の時の5139円を大きく上回って近年最高。
5000円を超えてもなお急騰する場面は過去にも見られましたが、ほとんどのケースでは急騰後には急反落となってきたのに対し、今回は6月末に5000を超えると5200円台へと急騰し、それ以降ほぼ5200円超を維持しての保ち合い形成となっていることにより、平均価格が大きく押し上げられています。
現在の高値圏推移は、近年最高かつ、近年最長となってきました。
今後は、さらなる上昇期待よりも、反落警戒感が強まり続ける時期となってきます。
29日の国内金価格は+10円、0.19%の反発。週明けは時間外のNY金が1420ドル付近での小動き、為替は108円60銭台の先週末水準でのスタートも、日経平均の売り優勢の流れに同調する形で108円50銭割れへと軟調推移。
金価格が6月25日につけた6月高値5255円、7月2日につけた7月安値5155円を起点に斜行三角保ち合いを形成して1カ月、レンジ幅は100円から現在50円程度まで縮小。目先は5270円の下限から5320円台を上限にブレイク待ちの状態に。テクニカル的、パターン、流れ的には斜行三角保ち合いではトレンドのピークアウトを示唆するパターンとなる確率が高く、下方ブレイクからの急反落警戒感が高まる状況。しかし、ファンダメンタルズ的にはFOMCでの利下げと追加緩和示唆へとハト派傾斜が予想され、NY金の一段高がドル安円高をカバーして国内金価格の高値更新トライをサポートする展開も予想される状況。下限割れなら7月安値5150円台までが下値目安に、高値更新なら5400円台前半が上値目標に。
国内プラチナ価格は2015年以降、大きく水準を切り下げてきました。しかし、2018年8月に大底をつけた可能性もあり、それ以降は概ね3000円前後が底値水準となりつつあります。
そして今年、3月から4月にかけては2015年以降の長期抵抗線を上抜けましたが、5月に急反落となってトレンド転換に失敗。
その後も3000円前後の底値ラインにサポートされ、7月末現在、長期抵抗線を再び上抜けて、トレンド転換への再チャレンジ状態にあります。
まずは3400円の節目ライン超えが当面の攻防ポイントとなり、それをクリアできた暁には、2015年末以降のゆるやかな下落基調の抵抗線との攻防が待ち構えます。
もし、近いうちに金価格が歴史的高値圏からの急反落となるようだと、プラチナ価格の再チャレンジにも暗雲が垂れ込め始めることにもなりかねません。
プラチナ価格は-11円、0.34%の続落。6月安値から7月高値まで300円弱上昇した後の調整幅は23.6%戻しでも3192円。調整幅としては控えめな現状、9日移動平均線(3185)が90日移動平均線(3184)をわずかに上抜け、上昇基調継続に向けてのサポートにも。目先は3180円台から3200円までがサポート候補となり、3260円台の高値更新となれば3300円の大台トライが次の上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格7/29とチャート
- 2019年7月29日(月)時点の相場
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国内金 : 5,301 円 7/29(月) ▲10(0.19%) 国内プラチナ : 3,232 円 7/29(月) ▼11(0.34%) NY金 : 1,419.3 ドル 7/26(金) ▲4.6(0.33%) NYプラチナ : 867.8 ドル 7/26(金) ▼6.2(0.71%) ドル円 : 108.67 円 7/26(金) ▲0.02(0.02%)
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