金プラチナ短期相場観

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ドイツIFO景況感期待指数は10年ぶり低水準、も景気後退リスク小

更新日:2019年7月26日(金)

IFOドイツ企業景況感指数 2019年7月前日のマークイット製造業PMIの7月速報値に続き、IFOのドイツ企業景況感も、ドロ沼状態となってきたようです。
7月の景況感指数が95.7と2013年4月(95.2)以来、6年3カ月ぶり低水準となった他、現況指数も99.4と2016年4月(99.4)以来、3年3カ月ぶりの低水準。そして遂に節目の100ポイント割れ。
年前半には下げ止まりの可能性も示していた期待指数も直近2カ月は急落状態となり、7月は92.2。2009年7月(92.2)以来、実に10年ぶりの低水準。ドイツ企業の今後の見通しを示す期待感は、リーマンショック後の最低水準にまで落ち込んできました。
景況感指数の先導役にもなってきた期待指数は、なかなか下げ止まりません。

IFOドイツ企業景況感指数・業種別 2019年7月セクター別では、やはり製造業の景況感悪化が止まりません。製造業は遂にマイナス圏入りとなって-4.3。2010年2月(-5.6)以来、9年5カ月ぶりの低水準。
2018年以降、製造業の景況感悪化の推移はフリーフォール状態となっています。

その他、貿易も6月の7.9から7月は1.4へと急低下、2014年12月(1.4)以来、4年7カ月ぶり低水準となっています。
また、比較的高水準での推移が続き、製造業の低迷をカバーしてきたサービス業は、6月までの20ポイント台から7月は17.7へと低下。2013年6月(17.2)以来、6年1カ月ぶりの低水準となっています。
景気悪化の流れは、サービス業への波及も懸念されます。

ドイツでは、2018年第3四半期にマイナス成長となって景気後退リスクが警戒された後、2018年第4四半期と2019年第1四半期はプラス成長を維持しましたが、第2四半期は再びマイナス成長との見方が優勢となっています。さらに第3四半期のスタートも大きく躓いた状態となり、2四半期連続マイナス成長の景気後退入りが早くも警戒されつつあります。

しかし、ドラギECB総裁の見方は若干異なるようです。
この日、ECB理事会後の会見でユーロ圏の景気見通しが一段と悪化していることを認めたドラギ総裁は「年後半に景気が持ち直す公算は小さい」とネガティブ発言。しかし、その一方で「景気後退リスクは依然としてかなり低い」との見方も示しました。

最近のユーロ圏、とりわけドイツの指標悪化、及びその関係者の見方とドラギ総裁の見方とのギャップから、一時2年2カ月ぶり低水準となる1.1100ドル付近まで売り込まれたユーロドルは、急速に買い戻されました。

NY金・日足チャート 2019/6/20 - 7/2525日のNY金相場は-8.9ドル、0.63%の反落。市場予想どおり政策金利を据え置いたECB理事会の声明文では、近いうちの利下げを示唆するとともに金利階層化や新たな資産買い入れなどを検討することも表明。緩和姿勢を好感したNY金は1420ドル台半ばから1430ドル半ばまで急騰。しかし、ドラギ総裁会見では具体性に欠ける政策見通しなどを受けて期待感は剥落。過去最低水準まで低下していたドイツ10年債利回りが急反発、これに連れて米10年債利回りも急反発、さらに米6月耐久財受注の好結果なども重なり、ドル高の流れとなって急反落したNY金は元の水準を突き抜けて1420ドル割れ。安値では一時1410ドル付近まで下落し、上昇基調から水平移行し始めた20日移動平均線(1413.3)になんとかサポートされた形に。FOMC待ちとなる目先、20日線から1400ドルの大台ラインまでの水準ではサポートされる状態で高値保ち合い推移継続か。

NYプラチナ・日足チャート 2019/6/20 - 7/25NYプラチナは-7.1ドル、0.81%安となって12日ぶりの反落。NY金が1430ドル台へと急騰した場面では890ドル付近まで水準を切り上げ、5月1日(892.4)以来ほぼ3カ月ぶり高値。ドラギ会見での急反落にもしっかり追随する形となり、880ドルを割れて870ドル台前半まで急反落。4月高値から5月安値までの76.4%戻し(889.5)をちょうど達成し、61.8%戻し(870.4)の水準まで反落してきた状態に。FOMCまではもう一段の調整も予想され、過去の抵抗、サポート水準でもある50%戻し(855)付近までが下値サポートにも。

ドル円・日足チャート 2019/6/21 - 7/25ドル円は50銭のドル高円安で反発。108円10銭をはさんでの小幅保ち合い推移からブレイクしたのはドラギECB総裁会見から。ユーロドルの乱高下に惑わされることなく、2.02%辺りまで低下していた米10年債利回りが一時2.09%まで急反発した流れに追随し、108円00銭台から70銭台まで数時間かけて堅調に水準を切り上げる展開に。7月10日(109.00)以来、2週間ぶりのドル高円安水準まで上昇し、短期抵抗水準となっていた108円30銭をしっかり上抜け。目先はドル高円安優勢の流れが続きやすく、7月10日高値109円ちょうどまでの上昇余地も。FOMCを経て追加利下げ観測の動向次第で、109円を超えた場合にはダブルボトム完成となり、最大で111円台前半までが次の上値目標となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/25終値とチャート

26日の国内金価格は-7円、0.13%の小幅反落。近年最高値5320円台から5270円までの、近年最高値圏での保ち合いを維持した状態で月末のFOMC待ちへ。結果発表が日本時間8月1日早朝となる為、国内金価格は7月末までは高値保ち合いを維持する公算が高まる状況にも。それまでの波乱要因としては、今晩の米4-6月期GDP速報値、30日のPCEデフレータ、31日の中国製造業PMI、米ADP雇用など。8月に向けて高値再更新なら5400円台も視野に、保ち合い下方ブレイクとなれば7月安値5150円までが当面の下値目安に。
週間ベースでは-31円、0.58%安となり、9週ぶりの反落。

プラチナ価格は-18円、0.55%安となって4日ぶりの反落。90日移動平均線(3183)を大きく上回る水準を維持し、短期的な強気相場の状態を維持。しかし、上昇基調が続く9-21日移動平均線(3173-3116)はようやく90日線の上抜けトライが視野にはいってきた状態。この2本のラインが90日線上抜けとなれば、中期的にも強気相場方向へ。目先は3260円台の高値更新となれば3300円の大台ラインが意識されやすく、下値は90日線を維持できなくなれば21日線(3116)近辺までは下げやすい状態にも。
週間ベースでは+91円、2.89%の続伸。週間上昇率では4月第1週以来、3カ月半ぶりの大幅上昇。
※参考:金プラチナ国内価格7/26とチャート

2019年7月26日(金)時点の相場
国内金5,291 円 7/26(金) ▼7(0.13%)
国内プラチナ3,243 円 7/26(金) ▼18(0.55%)
NY金1,414.7 ドル 7/25(木) ▼8.9(0.63%)
NYプラチナ874.0 ドル 7/25(木) ▼7.1(0.81%)
ドル円108.65 円 7/25(木) ▲0.51(0.47%)

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