金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

新月の日に急騰を繰り返し、水準を切り上げてきたNY金の夏

更新日:2019年8月29日(木)

新月の日のNY金 2019年8月28日太陽と地球の間に月が入って一直線上に並ぶ「新月」の日。マーケットにしばしば影響を及ぼすと言われる天体の動きが、今年のNY金相場にも、少なからず影響した様子も見受けられます。

今年の夏、最初の新月は6月3日
米中貿易戦争と世界経済の減速懸念も強まり、米国の利下げ観測台頭を背景に4日続伸となったNY金はその4日め、+16.8ドル、1.28%の大幅高となって1330ドルまで上昇。2月から5月末までの軟調推移局面から抜け出し、この夏の大相場へのきっかけとなる上昇局面を形成。

2回めの新月は7月3日。
前日から+12.9ドル、0.92%の大幅続伸となり、2013年5月14日(1424.5)以来、6年2カ月ぶり高値となる1420ドル台に到達。

この夏3回目の新月は8月1日
FOMC後に急落も、トランプ大統領の対中関税第4弾発表で翌日にかけて1460ドルまで急反発。7月後半には1400ドル台前半で保ち合い推移となっていた状態から上方ブレイクし、この後の一段高のきっかけにも。

そして今週金曜日、8月30日、この夏最後の新月の日を迎えます。

NY金・日足チャート 2019/7/25 - 8/2828日のNY金相場は-2.7ドル、0.17%の小反落。前日に6年4カ月半ぶり高値となる1550ドル台へと水準を切り上げたことによる一服感もあり、時間外には1550ドル割れへと調整。しかし、1540ドル手前で折り返すとNY朝にかけての反発局面では前日高値をわずかに上回る1556ドルまで上昇。ただし、NY市場では株価が買い戻されるリスク・オンの流れが強まって1550ドル割れ、1540ドル台での揉み合い推移の展開に。1530ドルから40ドル台までにサポート感も形成されながら高値保ち合いを維持し、1560ドルまでの上値余地も残しつつ月末月初の指標待ちへ。

NYプラチナ・月足チャート 2017/8 - 2019/8NYプラチナは+40.7ドル、4.69%の大幅高となって3日続伸。2017年1月3日(+42.6ドル、4.72%)以来2年8カ月ぶりの上げ幅となり、4月10日(908.9)以来4カ月半ぶりの高値水準に。前日の三角保合い上放れにより、買い圧力が強まった状態でNY市場では株高の流れにも連れて急騰。当面の上値目標と想定していた900ドルの大台にいきなり到達。勢い余ってNY午後には一時912ドルまで上昇。短期的には達成感から調整圧力もあり、900ドルの大台ライン付近に収束。
昨年8月から今年2月まで、750ドル台から780ドルまでの安値を何度も試し、緩やかに下値を切り上げる鍋底を形成。そしてこの間の高値、4月につけた今年最高値920.4ドルがネックラインに相当。この重要水準を超えることになれば、この夏にNY金の水準が切り替わったのと同じような展開となる可能性も。

ドル円・日足チャート 2019/7/25 - 8/28ドル円は20銭余りのドル高円安となって反発。週末と週明けの150ポイントの急落、急反発を経てこの2日間はその3分の1となる50ポイント前後の値動きに留まり、再び三角保ち合いの様相にも。月末月初の指標をきっかけに新たな短期トレンド形成にも。上方向には20日移動平均線(106.15)が抵抗線となり、上抜けできれば7月安値圏107円台前半までが上値目標に。105円台後半の下値サポートを割り込んだ場合にはもう一度104円台へと水準を切り下げる展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/28終値とチャート

29日の国内金価格は前日から変わらず、近年最高値5597円での横ばい推移。8月半ば高値5553円から50円弱水準を切り上げた月末、オシレータ系指標のピーク水準は低下する逆行状態となって反落の可能性を示唆。ただし、これまでもダイバージェンスを押し切って水準を切り上げてきた経緯もあり、今回も月末月初の米経済指標とトランプツイート次第の展開にも。目先、5610円台までの上値余地も残し、5550円がサポート候補。インフレ、景況感、雇用関連指標の悪化やネガティブ・ツイートなどがあれば一段高の展開も予想され、逆の結果などをきっかけに5550円を割り込むようだと5500円割れを試しに行くような展開にも。

プラチナ価格は+105円、3.31%の大幅高で3日続伸。上げ幅としては昨年11月2日と今年4月5日の104円をわずかに上回り、2017年1月4日(+128円、3.52%)以来、2年8カ月ぶりの大幅上昇。今年の平均騰落値幅30円(絶対値)の3倍以上。水準としては7月30日(3290)以来、1カ月ぶりの高値水準となり、短期上値目標3200円を軽くクリアしてさらに大きく突き抜ける形に。目先は一服感からの調整も予想されるものの、7月末水準を超えてくるようだと、4月につけた今年高値3498円が意識されるような展開へと発展する可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格8/29とチャート

2019年8月29日(木)時点の相場
国内金5,597 円 8/29(木) +-0(0.00%)
国内プラチナ3,275 円 8/29(木) ▲105(3.31%)
NY金1,549.1 ドル 8/28(水) ▼2.7(0.17%)
NYプラチナ908.9 ドル 8/28(水) ▲40.7(4.69%)
ドル円106.01 円 8/28(水) ▲0.25(0.24%)

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