金プラチナ短期相場観

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米5月貿易赤字は今年最大、輸出入共に過去最大には及ばず

更新日:2019年7月4日(木)

米貿易収支 2019年5月米商務省が発表した5月の貿易収支は555.2億ドルの赤字。市場予想の540億ドルを上回り、赤字幅は今年最大。昨年12月(-608.07億ドル)以来5カ月ぶりの大幅赤字。
輸出入ともに増加したものの、輸入は前月から3.3%増加して2661.56億ドルとなり、5カ月ぶりの高水準。ただし昨年10月の過去最大、2668.16億ドルには及ばず。
これに対して輸出は前月から2%の増加で2106.36億ドルとなり、2カ月ぶりの高水準。昨年5月の過去最大、2133.41億ドルには及ばず。

貿易赤字は今年、拡大傾向が続いているのに対し、輸出入額はいずれも今年、1回も過去最大を更新できていません。
輸入は7カ月連続、輸出は12カ月連続で過去最大に及ばない状態が続きます。

なお、対中国でのモノの貿易額では、赤字は2カ月連続で拡大し、5月は-301.95億ドルとなっていますが、過去最大となった昨年10月の-431.03億ドルからは大幅に下回る水準にとどまっています。輸出入額ともに5月は増加しましたが、いずれも昨年以前の高水準からは大きく減少した水準にとどまっており、貿易戦争の影響が出ているようです。

トランプ米大統領が5月末に、不法移民対策で追加関税を課すことを表明して市場をざわつかせたメキシコとのモノの貿易額では、5月に輸入額が過去最大を更新して320.95億ドル、貿易赤字も過去最大で-96.44億ドルとなっています。
追加関税はのちに撤回されたことで、米国にとっては中国に次いで貿易赤字2位の相手国、メキシコからの輸入は6月も好調を維持し、赤字もさらに拡大することになるかもしれません。

NY金・日足チャート 2019/5/30 - 7/33日のNY金相場は+12.9ドル、0.92%の大幅続伸。2013年5月14日(1424.5)以来、6年2カ月ぶりの高値水準。東京時間朝には一時1441ドルまで上昇し、6月25日につけた今年最高値1442.9ドル付近に達する場面も。しかし、その後は利食い売りにも押される形で失速、NY朝には1420ドルの攻防状態に。米6月ADP雇用者数やISM非製造業景況指数などが予想よりも低調となったことを受けての反発も限定的に。週末の雇用統計でも若干低調な程度であれば利下げを後押しすることになり、緩和ムードを歓迎する形で米株主要3指数が揃って過去最高値を更新したのと同様、金も高値更新とはなったものの、急速に水準を切り上げてきたこともあってやや乱高下状態にも。短期的には抵抗水準となる可能性もあった1420ドルをわずかに超えたことで1440ドル程度まで上値余地拡大、も既に到達済。1380ドル台を下値サポートに、雇用統計の結果によっては上値再トライも。しかし、チャート形状としてはダブルトップを形成して長めの上ヒゲを残す微妙な形にもなり、ネックラインとなる1380ドル台を割れた場合には下げ幅拡大も。雇用統計がポジティブ・サプライズとなった場合にはその警戒感も高まることになり、下値目安は少なめに見て1360ドル台、大きめに見れば中期的に1320ドル付近も。

NYプラチナ・日足チャート 2019/5/30 - 7/3NYプラチナは+10.1ドル、1.21%の反発。5月15日(847.7)以来、1カ月半ぶりの高値水準に。米株が上昇の勢いを強めたNY午前、これに追随する形で堅調推移となって830ドル台から840ドル台へと水準を切り上げ、一時848ドル近辺まで上昇。上値目標850ドルを再度試す形となって水準を切り上げるも、850ドル付近を二度つけてのダブルトップ警戒感も。ネックラインとなる830ドルを割り込めば810ドル辺りまでの下押しも。

ドル円・日足チャート 2019/5/30 - 7/3ドル円は107円80銭台でほぼ横ばい推移もわずかに続落。東京時間朝には米10年債利回りが一段と低下したことに連れて円高圧力が強まり、107円50銭台まで下落したのがこの日の安値となり、NY時間に米株の堅調推移に連れて107円80銭台まで上昇したのが高値。雇用統計を控えて上下35銭ほどの小幅保ち合い推移に。ADP雇用では5月の大幅下振れからの反動も限定的となって6月も低調となり、雇用統計も同様の結果となるようならFRBにとっても7月利下げの後押し材料に。目先は107円ちょうど付近から108円半ばまでの保ち合いが続く可能性も高そうで、予想と大きく乖離する悪化なら下方ブレイクで一段安も、その場合には106円割れを試しに行くような展開にも。逆に予想外の好結果で7月利下げ観測後退なら反発基調を強め、108円半ばを超えると110円も視野に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/3終値とチャート

4日の国内金価格は-33円、0.62%の反落。高値圏での乱高下が続き、上方向への勢いは徐々に後退。調整局面入りへの警戒感も漂い始める状況にも。近年最高値5298円超え、5300円の上値目標に向けた流れは巻き戻し。4年5カ月ぶり高値となった3日の5281円が当面のピーク水準となる可能性を残し、独立記念日をはさんでの雇用統計待ちへ。ポジティブ・サプライズならそうなる可能性が高まり、5150円台から5170円近辺までが下値サポートに。多少の好結果なら保ち合い傾向にも、ネガティブ・サプライズなら上値トライ再開も。5281円の高値更新となれば、次の上値目標は5320円台辺りまで。

プラチナ価格は+27円、0.87%の反発。5月17日(3152)以来、1カ月半ぶりの高値水準となり、上値トライ再開の可能性、3150円台までが上値目標に。下方向には3090円台がサポート。これを割り込むようだと反発基調腰折れとなり、底値保ち合い上限付近、21日移動平均線(3037)が推移する3030円台辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格7/4とチャート

2019年7月4日(木)時点の相場
国内金5,248 円 7/4(木) ▼33(0.62%)
国内プラチナ3,125 円 7/4(木) ▲27(0.87%)
NY金1,420.9 ドル 7/3(水) ▲12.9(0.92%)
NYプラチナ843.6 ドル 7/3(水) ▲16.4(1.98%)
ドル円107.81 円 7/3(水) ▼0.04(0.04%)

7/3(水)のその他主要マーケット指標

2019年雇用の伸びは急減速中、ADP3カ月平均は7年ぶり低水準 7/5(金)

米5月貿易赤字は今年最大、輸出入共に過去最大には及ばず 7/4(木)

米中対立緩和期待にも市場の7月利下げ予想100%は変わらず 7/3(水)

大幅続落でもギリシャが1位、ユーロ圏製造業PMIランキング6月 7/2(火)

米中通商協議再開、米朝協議も再開でリスクオン 7/1(月)


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