金プラチナ短期相場観
9月主要地区連銀製造業景況感は軒並み低調
更新日:2019年10月1日(火)
8月のISM製造業景況指数が節目の50を下回る49.1となった時には一時警戒感も強まり、非製造業景況指数への飛び火なども警戒されましたが、8月のISM非製造業景況指数は予想外の好結果となったことで市場ムードも逆転となったのが1カ月前。今回は悲観ムードも後退し、9月のISM製造業景況指数も2カ月連続の節目50割れは回避するのでは?との見方が優勢となっているようです。
しかし、9月の米主要地区連銀の製造業景況指数は軒並み前月から低下しています。
NY連銀では8月の4.8から9月は2.0で3カ月ぶり低水準。フィラデルフィア連銀は16.8から12.0へと3カ月ぶり低水準。リッチモンド連銀では1.0から-9.0へと2カ月ぶりに節目割れへと低迷状態が続き、ダラス連銀も2.7から1.5へと低下し、5-7月の3カ月連続マイナス圏からの回復基調も進まず。
この日発表されたシカゴPMIも8月の50.4から9月は47.1へと予想外の急低下、7月の44.4に続く節目50割れと低迷。
市場に楽観ムードが漂い始めた時こそ、要注意かもしれません。
30日のNY金相場は-33.5ドル、2.22%の大幅続落。6年5カ月ぶり高値をつけた9月4日の翌日、5日(-34.9ドル、2.24%)以来で今年2番めの急落となり、8月2日(1457.5)以来2カ月ぶりの安値水準。先週末に伝えられた米国市場への中国企業の上場廃止検討との報道を米政権が否定したことでリスクオンの流れに。さらにECBの緩和見通しを背景としたユーロ安ドル高基調も続き、この日はドイツの9月CPIが低調となったことをきっかけにユーロドルは1.09ドルを割れて2017年5月以来の安値となる1.0880ドル台まで急落。調整ムードが強まりつつあったNY金は週明け東京午後の時間帯に1500ドルの大台を割れるとドル高の勢いにも押される形で軟調推移の勢いを強め、下値目安1480ドル近辺に到達するとNY午後には一時1470ドル付近まで下落し、NY引け後には1480ドル付近へと値を戻して一服感も。ただし、重要指標発表前時点で短期下値目安に到達してしまったことで、今後の指標結果次第で一段安も警戒されることにも。中期的には三尊天井からの下落で1410ドル台辺りまでが当面の下値警戒水準にも。
月間ベースでは-56.5ドル、3.69%安となって5カ月ぶりの反落。下落率では昨年6月(-50.2ドル、3.85%)以来の大幅安。
NYプラチナは-41.8ドル、4.49%の大幅続落。昨年7月2日(-44.3ドル、5.16%)以来1年3カ月ぶりの急落となり、8月27日(868.2)以来、1カ月ぶりの安値水準。欧州時間から金に連れて軟調推移、NY朝に920ドルの攻防ラインを割れると急落の展開となって下値目安900ドルにも一気に到達。この水準でいったん下げ止まりの様相も数時間にとどまり、NY午後にかけては一段安となって880ドル付近まで下落。NY引け後には890ドルを回復も、中長期の節目水準でもある900ドルの大台には届かず。7月後半の高値圏に到達した状態となり、いったんは落ち着きやすいところ。ただし、今後の金の展開次第でさらに下値模索の展開となれば、中期的には8月安値圏、840ドル台辺りまでが意識されやすい水準にも。
月間ベースでは-42.5ドル、4.56%安で4カ月ぶりの反落。
ドル円は3日連続10銭前後のドル高円安、4日続伸となって108円台を回復。欧州時間早朝につけた安値は107円70銭台、前日安値と9日移動平均線(107.80)にもサポートされ、ドル高の流れで堅調推移。米9月シカゴPMIが予想外の低調となって20銭程度下押しする場面もあったものの、NY午後には108円10銭台まで上昇。リスク選好の流れで今朝の東京市場でも株高の流れとともに108円20銭台へとジリ高推移の展開に。短期的な流れは中立から好転方向へと向かいつつあり、目先108円台半ばの節目を越えると8月高値109円30銭台までを上値目標に一段高の展開にも。
月間ベースでは+1.76円、1.66%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/30終値とチャート
1日の国内金価格は+27円、0.49%の反発。消費増税の恩恵を受けての下げ渋り。調整局面入りの兆しとなっていた状態からいったんは保ち合い回帰の形となり、目先は5560円台から5660円台までを主要レンジに高値保ち合い継続の可能性も。ただし、流れはドル高金安地合いとなり、国内金価格にとっては下押し圧力優勢の状態、5560円台を割り込んだ場合には9月安値5520円付近が次のサポート候補に。
プラチナ価格は-103円、2.99%の反落。9年半ぶり安値となった昨年8月16日(-162円、5.27%)以来、1年1カ月ぶりの大幅下落で8月29日(3275)以来、1カ月ぶりの安値水準。NYプラチナの下げ幅拡大により、下値目安3380円前後をオーバーラン、中長期の節目水準3400円ラインを大きく下回る状態に。過去の真空地帯に位置し、消費増税と月初の重要指標ウィークも重なり、やや不安定な展開も警戒される状況にも。7月高値圏3200円台後半が次のサポート候補にも。
※参考:金プラチナ国内価格10/1とチャート
- 2019年10月1日(火)時点の相場
-
国内金 : 5,593 円 10/1(火) ▲27(0.49%) 国内プラチナ : 3,337 円 10/1(火) ▼103(2.99%) NY金 : 1,472.9 ドル 9/30(月) ▼33.5(2.22%) NYプラチナ : 889.2 ドル 9/30(月) ▼41.8(4.49%) ドル円 : 108.07 円 9/30(月) ▲0.13(0.12%)
9月ISM製造業景況指数、10年ぶり低水準で楽観ムードに冷水 10/2(水)
9月主要地区連銀製造業景況感は軒並み低調 10/1(火)
コアPCEは年末予想1.8%到達、追加利下げ観測後退要因に 9/28(土)
CFTC買い越しピークアウト、NY金は三尊天井から大幅調整も? 9/27(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン