金プラチナ短期相場観
再開した金買い・円買い、加速。金1700ドル、ドル円101円台
更新日:2020年3月9日(月)
今年に入って急速に崩れていたNY金とドル円の逆相関関係は、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感に比例するように、急速に復活しています。
週明け9日の東京市場は朝から大荒れ、ドル円は一時101円30銭台まで急落し、2016年11月以来、3年4カ月ぶり安値。NY金は1700ドル台へと急騰、2012年12月18日以来、7年3ヵ月ぶり高値となっています。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とそれ以外の主要産油国で構成するOPECプラスは週末の協議で決裂、追加減産で合意できず。
サウジアラビアの減産要求をロシアが拒否したことによる決裂で、サウジアラビアも増産に踏み切るとの報道。コロナショックに伴う石油需要の減少に対応することができなくなり、さらには既存の減産合意の期限が3月末ということもあり、事実上の自由な価格戦争がスタートすることに。
これを嫌気する形で原油価格が週明けに暴落、週末に41ドル台まで急落していたNY原油は、週明け時間外で一時30ドルまで暴落。水準としては4年ぶり安値。
史上最低更新が続く米10年債利回りは週明け時間外で一時0.5%割れ。ダウ先物はまたも1000ドル超の大幅下落スタート。日経平均も1000円超の下落。
国内金価格は年初から続いた円安・金高の流れで水準を切り上げ、急騰チャネルを形成していますが、従来の円高・金高の関係が復活してきたことで、極端な急騰局面は形成しにくくなりそうです。その一方で円高・金安の大幅調整も控えめにとどまる可能性もあり、調整スピードも緩和されることにも。
2018年安値から今年高値までの23.6%戻しで5939円。この水準でも今年安値5927円を上回り、しばらくの間は、中期的なサポート水準として意識されそうです。
9日の国内金価格は-46円、0.3%の反落。円高加速でNY金の急騰分を相殺。上値再トライへの流れも失速、目先は今年高値から3月安値までの半値戻し(6207)を中心に保ち合い形成の様相にも。下押し圧力のほうが若干上回る状況から、6180円のサポートを割れると6100円近辺を目安に調整局面形成の可能性も。切り返して6240円台の上限を上回るようなら上値余地を6290円近辺まで拡大。
国内プラチナ価格は、中長期的な節目をいくつも超え、新たな領域へと足を踏み入れようとしていましたが、コロナショックで急落。2013年高値から2018年安値までの38.2%戻し(3879)付近で上値を押さえられ、雲の下限も再び割り込み、4年越しの抵抗線も再度下抜け、近年最低水準の価格レンジ、3000円近辺から3400円までのレンジに舞い戻り。
2018年安値から今年高値までの61.8%戻し(3297)も割り込んでおり、76.4%戻し(3149)辺りが中期的なサポート候補にも。
プラチナ価格は-11円、0.34%安で3日続落。NYプラチナが週末の905ドル付近から、週明け時間外は金の急騰に追随する形で910ドル台半ばへと10ドルほどの急騰。しかし、原油価格急落や米株先物の大幅安などリスク回避の流れが急速に進行したことから巻き戻しの流れとなり、900ドル割れへと急反落。やや不安定な状態でスタートしていることを反映し、国内プラチナ価格は昨年8月28日(3170)以来、6ヵ月半ぶりの安値水準。1週間前の安値3260円をわずかに下回ったことで、下値模索の展開へと向かう可能性が少し高まる状態となり、下値目安は3210円近辺まで。
※参考:金プラチナ国内価格3/9とチャート
- 2020年3月9日(月)時点の相場
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国内金 : 6,197 円 3/9(月) ▼46(0.74%) 国内プラチナ : 3,256 円 3/9(月) ▼11(0.34%) NY金 : 1,672.4 ドル 3/6(金) ▲4.4(0.26%) NYプラチナ : 896.4 ドル 3/6(金) ▲30.7(3.55%) ドル円 : 105.28 円 3/6(金) ▼0.86(0.81%)
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