金プラチナ短期相場観

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賃金上昇率は下降基調へ、ゼロ賃金の割合は上昇基調へ

更新日:2020年4月14日(火)

ゼロ賃金の割合 2020年3月賃金上昇率が+-0.5%の範囲内は「ゼロ賃金」と定義され、アトランタ連銀が発表するゼロ賃金の割合は3月に13.9%。昨年8月以来、7ヵ月ぶりの高水準となり、反発の兆しを強める展開となってきました。
好景気の時には低下基調となるゼロ金利の割合は、2016年にはいったん13%近辺で底打ちして下げ渋り、しかし反発もし切れずに揉み合い状態となっていました。そして昨年11月に12.7%と10年8ヵ月ぶりの低水準を記録して大底を打った格好となり、その後は急反発の展開となっています。

対象的に好景気では上昇する賃金上昇率は中央値で見ると2016年に4.0%付近で頭打ち。その後は反落しきれずに、やはり揉み合い状態となっていましたが、足下では続落で5ヵ月ぶり低水準となる3.5%へと急低下。

これから始まる景気後退期に向けて、これまで下げ渋った賃金上昇率は一段と低下して下降基調へ、これまで反発しきれなかったゼロ賃金の割合も上昇基調へとその流れが加速することが予想されます。

外出規制に伴う宅配需要によって、アマゾンでは10万人の募集に7万5000人をさらに追加採用予定とのことですが、3週間で既に1600万件もの失業申請がなされている現状では焼け石に水。米国での雇用情勢の大幅悪化は避けられない状況となっています。

2000年のリセッションの際には5%台だった賃金上昇率は3%台まで低下し、ゼロ賃金の割合は10%台から14%まで上昇しました。2008-2009年のリセッションの時には、賃金上昇率は4%から2%割れへと急低下、ゼロ賃金の割合も11%台から17%まで急騰しました。
これから始まるリセッションでは、賃金上昇率はスタート水準を前回のリセッションから一段下げて3.5%、ゼロ賃金の割合は14%近辺に切り上げでのスタート。

今後数ヵ月から1年余り経過した時、賃金上昇率が過去最低を更新し、ゼロ賃金の割合が過去最高を更新しているような事態も警戒されます。

NY金・日足チャート 2020/3/9 - 4/1313日のNY金相場は+8.6ドル、0.49%高となって3営業日続伸。2012年10月11日(1770.6)以来、7年半ぶりの高値水準。3連休明けの時間外は調整売りの展開となって一時1720ドル台まで軟調推移。しかしその後は下げ渋ってNY朝までに1740ドルを回復すると、株安の流れに反応する形で1760ドル台へと一段高。NY引け後には一時1770ドル台まで上昇し、1760ドル台を維持する高止まり状態。急騰局面形成に反してオシレータ系指標は失速を示し、反落を示唆する状態にはなっているものの、安全資産買いの流れもなかなか収束しない様子。3月半ばの今年安値からこの日の高値までの23.6%戻しでも1696.8ドル。1700ドル近辺までが短期調整目安にも。

NYプラチナ・日足チャート 2020/3/9 - 4/13NYプラチナは+1.2ドル、0.16%の小幅続伸。3月12日(781.8)以来、1ヵ月ぶり高値水準での小動き。750ドルをはさんでの小幅保ち合いに終始したこの日の変動値幅は14.7ドル。今年の平均値幅35.8ドルの4割程度となり、今年5番めの小動き。小幅保ち合いを上抜けつつある状態ながら750ドル台では上値の重い展開が続き、上値目安760ドル台までのもうひと伸びも押さえられる状況。反落の展開となって730ドル割れへと水準を切り下げると一段安の流れとなって700ドルの大台ライン付近までが下値目安に。
金との価格差は4月9日の1004.2ドルを超えて1011.6ドル。

ドル円・日足チャート 2020/3/10 - 4/13ドル円は-70銭強、0.67%のドル安円高となって3日続落。4月1日(107.14)以来、2週間ぶりの安値水準。東京時間は2%超の大幅反落となった日経平均の軟調推移につれて108円割れ、夕方までに107円80銭近辺まで下落。イースターマンデーで休場の欧州市場の時間帯には108円まで反発も、NY時間にかけては米株が軟調推移、ダウの1%超の下落に連れる展開となって一時107円50銭近辺まで下落。サポートにもなりつつあった200日移動平均線(108.33)が抵抗線に切り替わる格好となり、下値は107円ラインが目先のサポートに。これを割り込んだ場合には105円台前半までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/13終値とチャート

14日の国内金価格は+69円、1.08%高となって4日続伸。今年高値となっていた2月25日の6397円を大きく上回り、40年ぶりの過去最高値更新。前日に販売価格が6500円を超えて過去最高値を更新したのに続き、買取価格でも最高値となり、保有資産としての金現物価格が史上最高価格に。月額1万円の純金積立を10年間続けていた場合、本日売却した場合の損益は(理論的には)447964円、年利換算35.245%の高利回りを実現。短期上値目標6400円台を突き抜ける形となり、またしても想定以上の急騰。時間外のNY金は高止まり状態となり、さらに上値を伸ばす可能性も残しながらも、急反落への警戒感も。3月につけた今年安値5648円からここまでの急騰幅の23.6%戻し(6270)辺りまでが当面の調整目安にも。

プラチナ価格は+8円、0.28%の小幅高で3日続伸。3月27日(2873)以来、半月ぶりの高値水準。2860円の抵抗水準をわずかに上抜けて保ち合いを抜け出す形となり、一段高への可能性は拡大。上値を伸ばし切れないNYプラチナが殻を突き破ることができれば、国内価格も上値目標2920円近辺まで上昇へ。
金との価格差は4月10日の3548円から3597円へと急拡大。
※参考:金プラチナ国内価格4/14とチャート

2020年4月14日(火)時点の相場
国内金6,462 円 4/14(火) ▲69(1.08%)
国内プラチナ2,865 円 4/14(火) ▲8(0.28%)
NY金1,761.4 ドル 4/13(月) ▲8.6(0.49%)
NYプラチナ749.8 ドル 4/13(月) ▲1.2(0.16%)
ドル円107.71 円 4/13(月) ▼0.73(0.67%)

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