金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

失業保険継続受給者数も3月末時点で過去最大、700万人超

更新日:2020年4月10日(金)

米・失業保険継続受給者数 2020年3月28日までの週:745.5万件4月4日までの週の米新規失業保険申請件数は660.6万件。前の週の686.7万件からは若干減少したものの、3月21日までの週の330.7万件から3週連続で過去に見たこともない、桁外れの高水準での高止まり。

新規の失業保険申請後の翌週も継続して受給申請する、失業保険継続受給者数も、未知の領域に到達しています。
新規失業保険申請件数が330.7万件となった3月21日までの週の失業保険継続受給者数は305.9万人。40数年ぶり低水準となる170万人前後での推移が1年半余り続いた後、突如倍増したような状態となりました。

それまで継続受給を卒業していた人たち(再就職した可能性)が、突如再継続せざるを得なくなったことを示しているような数値となっています。
そしてその翌週、新規の申請件数が686.7万件に跳ね上がった3月28日までの週の失業保険継続受給者数は745.5万人。
少なくとも前の週に新規申請した330.7万人全てが、次の週も継続受給の申請を行ったことになる数値となっています。

雪ダルマ式に積み上がる、失業保険継続受給者数のこれまでの過去最大は、世界金融危機の時期、2009年5月30日までの週の663.5万人。
これをボトムアウトしてわずか2週めで、超えてしまったことになります。

次週以降、早期の1千万人超えも確実視される状況です。
1億6千万人とされる米国の労働力人口のうち、1千万人が失業した場合の失業率は6.25%。
2千万人が失業した場合には12.50%。

3月に4.4%となっていた失業率は、4月にも6%超へと上昇する可能性もあり、そう遠くない時期に10%超に達することも十分想定されそうです。

NY金・日足チャート 2020/3/6 - 4/99日のNY金相場は+68.5ドル、4.07%の大幅続伸。上げ幅としては3月24日(+93.2ドル、5.95%)以来半月ぶりで今年3番目の急騰。4%超の急騰は今年3月以降だけで3回、4%超の急落も2回。水準としては2012年10月17日(1753.0)以来、7年半ぶりの高値。今後意識されうる高値としては2012年10月5日につけた2012年高値1798.1ドル。
無制限QEを宣言していたFRBの新たな資金供給策では、2.3兆ドルを供給する一連の措置を発表。投資不適格の社債までも買い取って民間企業を直接救済する、何でもありの緩和策を好感し、株と一緒に金も急速に買われる展開に。感染拡大もまだ先が見えない状況にあり、新規失業保険申請件数も予想を上回り続ける高水準となったことなども安全資産買いをサポート。抵抗水準となっていた1695ドルを超えるとNY朝にかけて1700ドルの大台超え、短期上値目標1710ドル台手前ではいったん上値を押さえられる状態にもなったものの、これを超えるとさらに一段高、NY午後には一時1750ドル超え。吹け上がる状態でしか記録することのなかった1700ドル台へとしっかり水準を切り上げる形となったとたんの急騰で高ボラティリティ状態も止まらない状況に。短期的には1720ドル辺りまでの調整はいつでも想定され、サポート水準としては3月安値からここまでの23.6%戻し(1682.9)。

NYプラチナ・日足チャート 2020/3/6 - 4/9NYプラチナは+15.0ドル、2.04%の大幅反発。3月12日(781.8)以来、1ヵ月ぶりの水準を回復。上ヒゲ十字線となった翌日は730ドル付近で底堅く推移、NY市場では金の急騰に追随する形となって750ドル台まで上昇。小幅保ち合いからわずかに上抜ける形にもなり、760ドル台辺りまで上値余地も拡大。730ドルが目先のサポートとなり、これを割り込んでしまうと700ドルの大台ライン付近までが下値目安にも。
金との価格差はこれまでの過去最大、4月6日の961.9ドルを大幅更新、初の1000ドル超え、1004.2ドル。

ドル円・日足チャート 2020/3/6 - 4/9ドル円は-40銭弱、0.36%のドル安円高で反落。109円をはさんでの小幅保ち合い推移が続いた後、NY時間にはFRBの最大2.3兆ドルの新たな資金供給策発表を受けてドル全面安。リスク選好の流れにもなってクロス円などでは円安も進行。しかし、ドル円は一方的なドル安円高となって108円20銭近辺まで、80銭程度の急落。それでも200日移動平均線(108.33)にサポートされる形にもなり、今朝の東京市場では108円50銭台をうかがう展開にも。107円近辺から109円台前半までのレンジで保ち合い状態となり、200日線にサポートされ続けることになれば再び上値トライのチャンスも。109円30銭台を超える展開となれば110円台後半を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/9終値とチャート

10日の国内金価格は+98円、1.56%の大幅続伸で2月27日(6364)以来、1ヵ月半ぶりの高値水準。かなり下方で上から昇順に並ぶ移動平均線たちを強引に引っ張り上げる形で上昇軌道として、強気相場入りの様相にも。高値保ち合いを上抜ける形となってさらに上値を伸ばす可能性も。NY金には急騰後の調整リスク、ドル円はFRBの政策もあってドル安優勢地合いで相対的な円高リスクも。それでも新興国通貨安がドル高を支え、円高もそれほど進まない可能性も。目先は今年高値更新トライへ、上値目標6400円台。
週間ベースでは+287円、4.73%の大幅反発。

プラチナ価格は+2円、0.07%の小幅高で3日ぶりの反発、もほぼ横ばい推移の状態。2730円から2860円までの広めのレンジで保ち合いを形成し、その中央付近で値動き停止。NYプラチナが若干の上値余地を詰める形となれば、上値トライの展開にも。2860円超へと抜け出すことができれば2920円近辺までが上値目標に。
金との価格差は3月24日の3514円を大きく上回る3548円に。
週間ベースでは+53円、1.92%の大幅反発。
※参考:金プラチナ国内価格4/10とチャート

2020年4月10日(金)時点の相場
国内金6,361 円 4/10(金) ▲98(1.56%)
国内プラチナ2,813 円 4/10(金) ▲2(0.07%)
NY金1,752.8 ドル 4/9(木) ▲68.5(4.07%)
NYプラチナ748.6 ドル 4/9(木) ▲15.0(2.04%)
ドル円108.49 円 4/9(木) ▼0.39(0.36%)

4/9(木)のその他主要マーケット指標

4週間で今年安値と高値を更新、NY金の上げ幅は300ドル超 4/11(土)

失業保険継続受給者数も3月末時点で過去最大、700万人超 4/10(金)

求人件数と失業者数は3月に再逆転ほぼ決定的 4/9(木)

1年以内の失業を警戒する人の割合は3月に過去最大 4/8(水)

米・独3月自動車販売は前年比4割減、金は前年比3割高 4/7(火)


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