金プラチナ短期相場観

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金ETFも7年ぶり高水準、金価格も7年半ぶり高値再トライへ

更新日:2020年5月21日(木)

金ETF(SPDR GOLD SHARES)と金価格の四半期推移 2020年5月20日NY金は3月半ば、コロナショックに巻き込まれて1450ドルまで急落しましたが、その後急回復すると4月半ばには7年半ぶり高値となる1780ドル台まで上昇しました。
リスク局面での安全資産としての金買いとともに、金ETFによる資金流入も価格高騰をサポートしました。WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によれば、世界の金ETF保有残高は3月末時点で過去最高に達していたようです。

その金ETFの最大手、SPDRゴールド・シェアーズの金ETF保有高は、その後も増加し続けています。
5月15日時点では1113.78トンに達し、2013年4月19日(1123.06)以来、7年1ヵ月ぶりの高水準。4月半ばからここまでの1ヵ月、NY金が1700ドル台での高値保ち合いを形成しているのは、金ETFによっても買い支えられています。

SPDRゴールド・シェアーズの四半期ごとの金ETF保有高の前期比増減量と金価格の推移を比較すると、昨年第3四半期に金ETFは126トン急増し、金価格も急騰しました。今年第1四半期には73トンの増加、第2四半期は現時点で145トンの増加となり、急騰が続くNY金の四半期平均価格は現時点で1713.3ドル。2012年第4四半期(1719.7)以来、7年半ぶりの高値となっています。
日々の価格でも、7年ぶり高水準となる金ETFにサポートされ、7年半ぶり高値再トライのチャンスをうかがう状態が続きます。

NY金・日足チャート 2020/4/16 - 5/2020日のNY金相場は+6.5ドル、0.37%の小幅続伸。経済活動再開の進展とともに景気回復への期待感で株高の流れがゆるやかに進行するなかでも、米10年債利回り低下とドル安優勢の流れに下支えされ、1750ドルをはさんでの小幅保ち合い推移の展開に。この日の変動値幅は上下13.6ドルにとどまり、今年の平均37.1ドルの3分の1強の小動き。短期的な流れとしては上向き優勢の状態ながら、高値警戒感に加え、欧米の景況感を示す各種ソフトデータでは4月が大底で5月からは回復基調、という流れが醸成されつつあることも重石に。この流れに反するような指標結果があれば上値トライを後押しするような展開にも。目先、1730ドルから1760ドルのレンジから上抜けなら1770ドル台と高値更新が上値目標、下抜けなら1710ドル前後までが調整目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2020/4/16 - 5/20NYプラチナは+44.9ドル、5.05%の大幅高で5日続伸。5日続伸は今年初で昨年11月以来、半年ぶり。5日合計では+164.7ドル、21.4%の急騰となって2月24日(974.2)以来、3ヵ月ぶりの高値水準。3月の急落から米株の急反発に追随し切れず、出遅れていたプラチナもここにきてようやく猛追、欧米株を牽引するナスダックが2月21日以来の高値水準となったのに迫る回復度合い。1月につけた今年最高値1046.7ドルから3月の最安値562.0ドルまでの下落幅の76.4%戻し(932.3)を達成し、昨年12月前半の保ち合い水準に到達したことからの一服感も。

ドル円・日足チャート 2020/4/16 - 5/20ドル円は20銭弱のドル安円高、0.16%の小幅安で3日ぶりの反落。リスク選好の流れでゆるやかな株高に対して長期金利低下とともに円安ながらもドル安優勢の展開。東京午前の五十日の買いでも108円どまり、ここからコンスタントにドル安円高の流れとなってNY時間には107円30銭台まで下落。前日安値圏で下げ渋るとNY終盤にかけては107円半ばを回復。108円台半ばを目標に上値を試す流れは108円ちょうどでいったん上値を押さえられてしまった状態ながら、完全に巻き戻された状態でもなく、再チャレンジの可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/20終値とチャート

21日の国内金価格は-7円、0.11%の小反落。史上最高値圏での小幅保ち合いで史上最高値更新への射程圏内での足踏み状態。高値更新か、ダブルトップ形成へと向かうのか、均衡状態での保ち合い推移。経済活動再開進展期待と感染第2波への警戒感、米中対立激化への警戒感なども交錯し、株高でも金高の均衡状態。いずれも高値警戒感も漂いながら、一段高か急反落か、という状態にも。目先、高値更新なら6650円近辺が目標水準、ダブルトップ完成なら6450円近辺までが下値目安に。

プラチナ価格は+78円、2.48%の大幅高で6日続伸。6日続伸以上は今年初で昨年11月以来、半年ぶり。3月9日(3256)以来、2ヵ月半ぶりの高値水準となり、3ヵ月ぶりの90日移動平均線(3247)上抜けも射程圏内に。その先には中期トレンド好転への節目となる200日移動平均線(3320)と2月高値から3月安値の61.8%戻し(3323)も。右肩下がりの90日線上抜けが中期トレンド回復に向けた分岐点にも。
※参考:金プラチナ国内価格5/21とチャート

2020年5月21日(木)時点の相場
国内金6,580 円 5/21(木) ▼7(0.11%)
国内プラチナ3,227 円 5/21(木) ▲78(2.48%)
NY金1,752.1 ドル 5/20(水) ▲6.5(0.37%)
NYプラチナ934.5 ドル 5/20(水) ▲44.9(5.05%)
ドル円107.57 円 5/20(水) ▼0.17(0.16%)

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