金プラチナ短期相場観
南半球で感染拡大、南アフリカ金鉱山では164人のクラスター
更新日:2020年5月25日(月)
時事通信によれば、南アフリカの金鉱山で少なくとも164人の新型コロナウイルス感染者が確認された模様。南ア産金大手アングロゴールド・アシャンティは24日、該当鉱山の操業停止を発表したとのこと。南アでも3月末から厳しい外出規制が導入されて鉱山も閉鎖、5月に入って再開したばかりだったようです。なお、南アの感染者数は今朝時点で2万2千人超、死者数400人超、1日当たりの新規感染者数は1000人超へと急増したところでピークアウトの兆しはまだ。ブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチンなどこれから冬に向かう南半球では感染者急増が続く国が多く、南アの今後の動向を含め、状況次第では金やプラチナの供給懸念にもつながりかねません。
25日の国内金価格は+22円、0.34%高で3日ぶりの反発。週明け時間外のNY金は1730ドル台から1730ドル割れへと小幅に軟調推移スタートとなって金曜日の上げ幅を削る展開、為替は1ドル=107円60銭台から70銭台へと小幅円安スタート。最高値圏での小さなダブルトップを形成しての反落の流れはいったん巻き戻される形となったものの、流れとしては調整方向優勢の状態にも。6500円の大台ラインがサポートとして作用しきれない場合にはあらあためてダブルトップ形成後の下値目安6450円近辺までを試しに行く可能性も。当面の抵抗水準となる6590円を上抜けるようなら最高値更新へ、上値目標は6660円近辺。
国内金価格が上昇トレンドにある場合、20日移動平均線と20日移動平均+2%乖離ラインの間が主要レンジとなり、下落トレンドの場合には20日移動平均線と20日移動平均-2%乖離ラインとの間が主要レンジとなりがちです。現状、右肩上がりの20日移動平均+2%乖離ライン(6592)を少し上抜けたところで折り返し、短期調整局面が進行中。軽めの調整で終えるなら、20日移動平均線(6463)付近まででサポートされやすく、深めの調整となった場合には、20日移動平均-2%(6334)付近まで下落することも想定。ただしこの場合、短期的には下落トレンドにも。
なお、さらに水準を切り下げた場合ても右肩上がりの90日移動平均線(6185)付近でサポートされれば、中期上昇トレンドは維持。現状、この水準は1年前の5月安値から今年5月高値までの23.6%戻しにも相当し、比較的強めのサポートとなる可能性も。
プラチナ価格は+2円、0.06%の小反発。時間外のNYプラチナが先週末水準880ドル半ばを維持して静かなスタートとなっていることから、右肩下がりの90日移動平均線(3236)に上値を押さえられて反落した国内価格はほぼ横ばい推移となって下げ渋り。反発への流れはいったん押さえられたものの、短期トレンドは依然上向き優勢。3230円超へと直近高値を上回ることができれば、90日移動平均線上抜け再トライに成功し、3270円台辺りまで上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート
国内プラチナ価格が上昇トレンドの場合には20日移動平均から20日移動平均+4%が主要レンジに、下落トレンドの場合には-4%までが主要レンジとなりがちですが、しばしば行き過ぎるケースが見られます。3月の大幅下方乖離状態からの急反発でレンジ内に回帰した後は、小幅レンジでの揉み合い推移後に上方ブレイクで今度は上方向に行き過ぎの展開となりましたが、中期下落トレンドを示す90日線に上値を押さえられて失速。足下では2月高値から3月安値までの半値戻し(3151)付近での攻防状態に。この水準を維持できれば、20日移動平均+-4%のレンジが水準を切り上げて追いついてくることになり、行き過ぎを解消して90日線上抜けトライに向けたサポートにもなりそうです。
- 2020年5月25日(月)時点の相場
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国内金 : 6,528 円 5/25(月) ▲22(0.34%) 国内プラチナ : 3,145 円 5/25(月) ▲2(0.06%) NY金 : 1,735.5 ドル 5/22(金) ▲13.6(0.79%) NYプラチナ : 886.3 ドル 5/22(金) ▲19.8(2.29%) ドル円 : 107.63 円 5/22(金) ▲0.02(0.02%)
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