金プラチナ短期相場観
月間上昇確率最低水準の6月、金価格はNFPショックで急落も
更新日:2020年6月8日(月)
国内金価格の6月騰落実績は、昨年までの11年間で3勝8敗。月間上昇確率27.3%は3月と並んで最低水準。その3月は今年、コロナショックの影響で-3.5%で下落。7年連続下落という不名誉な記録とともに12年間で3勝9敗、上昇確率25%となって単独最低勝率。5月末の6485円をわずかに上回る国内金価格の6月は現時点で0.2%の上昇。このままプラス圏を維持できれば5月と並んで4勝8敗、上昇確率33.3%となって下から2番めタイ。マイナス圏へと転落すれば3勝9敗、3月と並んで最下位タイへ。
局面的にはNFPショックとなって急落した金、国内金価格は20日移動平均線(6516)を割り込んできました。20日移動平均線と20日移動平均+2%乖離ラインとの間で上下動を繰り返して上昇トレンドを維持してきた状態ながら、足下では+2%乖離ラインに上値を押さえられて高値更新に失敗、失速状態となってきた様子も。
もう一段の調整局面進行となれば、20日移動平均-2%乖離ライン(6386)付近がサポート候補に。3月安値から5月の最高値までの23.6%戻し(6378)もサポート水準として意識されそうです。
この辺りまで下落することになれば、6月のプラス圏回復には黄色信号が点灯しそうですが、格好の押し目買い水準となるかもしれません。
なお、昨年までの6年間に限れば月間騰落状況は3勝3敗の五分。どちらに転ぶか、この6月はややデリケートな状況にもなってきました。
8日の国内金価格は-83円、1.26%の大幅反落。週明け時間外のNY金は先週末水準1680ドル台半ばでの小動き、為替は109円60銭台から40銭台へと円高気味にスタート。雇用統計後のNY金急落を反映する形で国内価格は高値圏での乱高下。最高値付近から5月29日(6485)以来の安値へと急落し、節目の6500をわずかに下抜け。ただ、NY金が目安水準付近まで急落後に下げ渋る状態となっていることから、国内金価格の6500円割れも一時的な行き過ぎにとどまる可能性も。そうでなければもう一段の下押しへ、下値目安は2月高値圏6400円の大台ライン前後まで。
プラチナ価格の6月騰落実績は昨年までの11年間は金と同じ3勝8敗。現時点で前月末比+1.8%の上昇となっている6月、このまま上昇月となれば4勝8敗で3月と並んでの最下位タイ。5月末の3144円を下回るようだと3勝9敗となって単独最下位。
水準的には20日移動平均+4%乖離ライン(3232)を少し下回ったところ。通常の振幅幅の上限ラインとのもみ合い状態が続きながらも失速気味に。90日移動平均線(3165)や2月高値から3月安値までの半値戻し(3151)などがサポート候補にも。
プラチナ価格にとっても、6月は重要水準維持と単独最下位回避をかけた、重要な攻防月となっています。
8日のプラチナ価格は-19円、0.59%の反落。週末の金に連れての急落により、またしても上値トライに向けた流れは巻き戻し。ただしNYプラチナは下値目安までしっかりと下げた後の自律反発で830ドル台を週明けも維持、下げ渋りの様相にも。国内価格の下げは限定的となり、上下動を繰り返しながら上値も下値も切り上げるパターンの範囲内。再び3220円超へと切り返すことができればパターン継続で上値トライの目標水準は3300円の大台付近まで。その一方で徐々に失速状態となっている流れが逆転し、3170円の節目を割り込むようだとそれなりの調整局面へ、下値目安は3080円台まで。
※参考:金プラチナ国内価格6/8とチャート
- 2020年6月8日(月)時点の相場
-
国内金 : 6,497 円 6/8(月) ▼83(1.26%) 国内プラチナ : 3,200 円 6/8(月) ▼19(0.59%) NY金 : 1,683.0 ドル 6/5(金) ▼44.4(2.57%) NYプラチナ : 830.4 ドル 6/5(金) ▼34.6(4.00%) ドル円 : 109.59 円 6/5(金) ▲0.43(0.39%)
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