金プラチナ短期相場観
ISM製造業景況指数は混乱期を経て7月に回復基調へ
更新日:2020年8月4日(火)
ISM製造業景況指数は7月に54.2となって3ヵ月続伸、2ヵ月連続の50超で1年4ヵ月ぶり高水準。4月の41.5が大底となって回復基調が順調に進行していることを示す結果となりました。
新規受注は1年8ヵ月ぶり高水準、生産は1年10ヵ月ぶりの高水準となって総合指数の回復基調を牽引。
顧客在庫は4月の48.8から7月の41.6まで3ヵ月連続の低下で需要回復を示唆。
また、入荷遅延も4月の76.0から7月の55.8まで3ヵ月連続の低下で行動規制に伴うサプライチェーンの混乱からの回復を示唆。と同時に、通常であればこの数値上昇なら景気過熱傾向を示すこの指標が急騰したことで、総合指数の大底の時には下支えの役目を果たし、総合指数回復とともに低下してきたことで、総合指数の過熱感を抑制する役目も。
雇用指数も4月の27.5から7月の44.3まで3ヵ月連続上昇で2月(46.9)以来4ヵ月ぶりの高水準となり、コロナ前の水準に近づく回復基調。しかし、節目の50を大きく下回り、50割れの状態は昨年8月から12ヵ月連続。コロナ前から雇用は低下傾向となり、コロナ後では一番マシな水準まで戻してきた状態です。
雇用の回復の遅れは、ここでも確認され、週末の雇用統計でも再確認することになるかもしれません。
3日のNY金相場は+0.4ドル、0.02%の小幅続伸。週明け時間外スタート直後に高値再トライ、2009.5ドルまで上昇して過去最高値を2営業日連続で更新。しかし大台超えを維持することはできずに急失速、1990ドルをはさんでの保ち合い推移の展開からNY朝にかけてはドルの買い戻しと株高基調が強まり、軟調推移。米7月ISM製造業景況指数が予想以上の好結果となった直後には1970ドル台半ばまで下押し。NY午後にはドル高の失速と米株の伸び悩みにも連れて押し目買い、再び1990ドルをはさんでの保ち合い推移の展開に。週末の雇用統計までは様子見状態の展開も予想され、高止まりの展開も。短期的な調整目安としては7月後半からの急騰の23.6%戻し(1958.0)付近も。
NYプラチナは+12.2ドル、1.33%の続伸。時間外は金に連れて930ドル付近まで上昇後には920ドル割れへと軟調推移、しかし910ドル台前半では底堅く、NY市場にかけては反発の展開となって930ドル台へ。NY引け後には930ドル後半から940ドルを試す展開にも。ただし、7月後半の高値保ち合い下限付近となる940ドル辺りに抵抗感も。2日間の反発値幅は限定的にとどまり、下値警戒感も。910ドルの下値サポートを割れると890ドル程度までが次の下値目安にも。
ドル円は17銭ほどのドル高円安、0.16%の小幅続伸。週末の大幅反発の勢いを受け継ぐ形で東京朝から一段高となって一時106円40銭台まで上昇。しかし、急反落となって106円割れ、105円70銭台での保ち合い推移の展開から、欧州時間には一時105円50銭台まで下落。NY時間にかけてはドル高優勢の展開となって再び106円40銭台まで反発。しかしISM製造業景況指数の好結果確認後は急失速となってまたも106円割れ。やや荒っぽい展開となり、ボラティリティ拡大の様相にも。104円台後半から107円台前半までの広めのレンジ半ばで方向感が定まらない状態のようにもなり、週末の雇用統計が次の大幅変動のトリガとなる可能性も。下方向へ抜け出すと先週末にトライして失敗した104円割れを再度試しに行くような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/3終値とチャート
4日の国内金価格は-8円、0.11%の小反落。久々に注目度が高まる米雇用統計を控えた週、週末まで小動きが続く可能性と事前の雇用関連指標などで予想外の結果があればそれなりの反応にも。週末までは為替変動に主導されやすく、週末にNY金の変動幅が拡大するようならこれに追随する展開にも。短期調整目安としては7月後半以降の上げ幅の23.6%戻し(7235)付近まで。
プラチナ価格は+68円、2.02%の大幅続伸。月末の3日続落での下げ幅(174)の61.8%戻し(3435)を達成し、全値戻しも視野に。3501円の直近高値を超えることができれば3550円近辺をめざす展開にも。ただしNYプラチナの失速感が足かせにも。
※参考:金プラチナ国内価格8/4とチャート
- 2020年8月4日(火)時点の相場
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国内金 : 7,364 円 8/4(火) ▼8(0.11%) 国内プラチナ : 3,438 円 8/4(火) ▲68(2.02%) NY金 : 1,986.3 ドル 8/3(月) ▲0.4(0.02%) NYプラチナ : 931.1 ドル 8/3(月) ▲12.2(1.33%) ドル円 : 105.99 円 8/3(月) ▲0.17(0.16%)
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