金プラチナ短期相場観
大幅貯金でスタート、金の季節8月に超長期上値目標7477円も?
更新日:2020年8月3日(月)
国内金価格の8月騰落状況は、昨年までの11年間で9勝2敗。上昇確率81.8%は12ヵ月で最強。1月と2月が今年も含めて9勝3敗、上昇確率75%で同率2位。今月下落となれば1・2・8月が同率1位も、上昇なら単独1位となりうる唯一の月。ちなみにプラチナは1月が9勝3敗で1位、2月と7月が8勝4敗で同率2位。8月は6勝5敗とほぼ五分の勝負月。
「金の季節」ともいうべき8月、少なくとも近年10年余りで最大となる526円上昇し、21営業日のうち9営業日て過去最高値を更新した7月終値から、さらに176円上昇。
5ヵ月続伸と単独1位に向けて大幅貯金でのスタートということになります。
NY金も約9年ぶりに過去最高値を更新し、2000ドルの壁も突破。今朝時点ではさらに最高値を切り上げ、大台ラインへの抵抗感は既になくなっているようにも見えます。
それでも一方的に上値を切り上げてきたここまでの展開と、水準的にも上昇一服となってもおかしくはないタイミングのようにも。ドル安の流れがここに来て一服の様子となっていることも重石の一つとなりそうです。
しかし、米国内では依然として収束の気配も見られない新型コロナウイルスの感染拡大、失業保険申請件数の高止まりと雇用情勢の回復遅延、景気回復の遅れへの警戒感、これらを克服するためのFRBの緩和政策、そして米中対立激化懸念など、金価格のサポート力にも衰えの兆しは見られません。
金の季節8月は、多少の調整局面をはさんだとしても、超長期上値目標7477円が意識されるような場面が訪れる可能性は意外と低くはないかもしれません。
3日の国内金価格は+176円、2.45%の反発。先週末のNY金の高止まりと円高基調からの大幅巻き戻しによって週末・月末の約1%下落に対して倍返し。さらに週明け時間外のNY金は最高値を2009.5ドルまで引き上げてのスタート。ただし、ほどなく勢いは一服、先週末水準1990ドル台へと軟調推移。為替は1ドル105円70銭近辺に値を下げてのスタートも日経平均の堅調推移とともに仲値に向けた買いで一時106円40銭台まで急騰する場面も。今朝時点でNY金の高止まりは続き、円高は底入れ巻き戻しが継続中。最高値圏での小幅保ち合いから乱高下となった国内金価格は若干の下げ余地も想定された先週末の状態から大幅に切り返す形となり、最高値更新の場合の上値目標7300円台半ばを少しオーバーラン。目先は7190円台から7370円までの広めレンジ内で一服感も。
国内プラチナ価格もこの8月に、金に追随する形で上昇月とすることができれば、長期的にも重要な節目を突破することになるか、その方向へと前進することになるかもしれません。
最重要ポイントとしては、2015年以降の長期上値抵抗線との攻防。3400円台前半で推移することになるこのラインを上抜けると、一目均衡表の雲の下限。今月の3600円付近から次月にかけて3500円台前半、10月には3400円台前半へと切り下がります。さらに2013年高値から今年安値までの38.2%戻しが3577円。プラチナにとっては勝負月。
3日のプラチナ価格は+43円、1.29%の大幅高で4日ぶりの反発。時間外のNYプラチナも金に連れて先週末の920ドル付近から930ドルまで小幅に上昇後、920ドル割れへと軟調推移。足下の円安と9日移動平均線(3353)になんとかサポートされた状態で、価格ラインと複数の移動平均線が全て上向きで上から昇順に並ぶ強気のパーフェクトオーダーをギリギリ維持。目先、3320円台から3500円台までの広めのレンジ内で9日線とともに上昇軌道を維持できるかどうか。下限を割れると7月後半の急騰値幅の61.8%戻し(3267)辺りまでが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格8/3とチャート
- 2020年8月3日(月)時点の相場
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国内金 : 7,372 円 8/3(月) ▲176(2.45%) 国内プラチナ : 3,370 円 8/3(月) ▲43(1.29%) NY金 : 1,985.9 ドル 7/31(金) ▲19.1(0.97%) NYプラチナ : 918.9 ドル 7/31(金) ▲6.3(0.69%) ドル円 : 105.82 円 7/31(金) ▲1.03(0.98%)
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