金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

トランプ・サインどおり雇用指標は大きな数字で金も調整

更新日:2020年8月8日(土)

非農業部門雇用者数(NFP) 2020年7月Great Jobs Number! ご満悦のトランプ大統領が事前にサインを送っていたとおり、米労働省がこの日発表した雇用指標は、市場予想を上回る大きな数字となりました。
トランプ大統領には再選に向けて頑張って頂きたい、雇用統計の度にそう考える人も結構いるかもしれません。その為には、雇用情勢の回復基調がこのまま順調に続くことも必要条件の一つとなりそうです。

7月の雇用統計で、非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+176.3万人となり、市場予想の+150万人程度を大きく上回り、失業率も10.2%と事前予想よりも好結果。雇用の回復基調は予想を上回るペースで進行していることを示す結果に。

非農業部門雇用者数の全体の推移を確認すると、今年2月には総数で1億5246.3万人に達していました。それが4月には1億3030.3万人。わずか2ヵ月で2216万人もの雇用が失われました。5月以降は急回復となり、7月時点で1億3958.2万人。3ヵ月合計で927.9万人が復帰したことになります。
コロナ対応のロックダウンで失った雇用の回復率は7月時点で41.87%。

雇用者数の総数がコロナ前の水準を回復するまで、あと1288.1万人。
ここまで3ヵ月の平均増加数は前月比+309.3万人。今後もこのペースで回復が進行した場合、所要月数は4.2。
最短では12月にはコロナ前の水準を回復することが可能となります。
しかし、現実的には不可能。

7月と同等のペースで今後も回復が進むと仮定した場合、所要月数は7.3。2021年2月にちょうど1年前の水準を回復することになります。
しかし、このペースも非現実的。

今後は月間100万人づつ回復すると仮定すると、所要月数は12.9。完全回復は2021年8月。
月間50万人なら25.8ヵ月。完全回復は2年2ヵ月後、2022年秋までかかることになります。

これでもリーマン・ショック後に失った雇用を完全回復するのに要した期間、4年3ヵ月と比較すると、かなり速過ぎるペースと言えます。
トランプ・サインはまもなく、見れなくなる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2020/7/6 - 8/77日のNY金相場は-41.4ドル、2.0%の大幅安となって6日ぶりの反落。8月4日(2021.0)以来、3日ぶりの安値。前日までの勢いのまま、時間外スタート直後の一段高でつけた高値2089.2ドルで過去最高値を更新。2100ドル手前、2090ドル目前で失速すると、雇用統計を控えたこの日は積極的な押し目買いは封印。利益確定売り優勢の展開で調整進行、2060ドル割れで迎えたNY朝、雇用統計の好結果を受けてやや乱高下の反応。いったん買われて2070ドル台まで反発も、結局は長期金利上昇、ドル高、株高の流れとなって金は調整局面再開。NY午後には一時2020ドル台半ばまで下落、NY引け後には2040ドル台まで自律反発し、押し目買い再開へ、もしくは2050ドルが抵抗線となって戻り売りへと両方の可能性を残す形で終了。7月17日安値1791.1ドルから最高値2089.2ドルまでの23.6%戻し(2018.8)付近まで下げたことで調整一服となれば、目先は2020ドル台から2070ドルまでのレンジで保ち合い形成も。戻り売りでもう一段の調整進行なら2000ドルの大台ラインが次のサポートにも。
週間ベースでは+42.1ドル、2.12%高で9週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/6 - 8/7NYプラチナは-43.5ドル、4.29%の大幅安で6日ぶりの反落。金に追随する展開で時間外スタートまもなくつけた高値は1035.5ドル。前日高値を10ドル弱上回り、今年最高値となった1月16日(1046.7)以来、7ヵ月ぶりの高値まで上昇して失速。欧州時間までに990ドル割れへと50ドルの急落、1000ドルまで戻して揉み合い状態でNY朝の雇用統計、その後は調整再開で一時970ドル割れ。NY午後の反発で引け後には980ドルを回復。日足レベルでは高値圏で前日の陽線実体部を包み込む大陰線、いわゆる包み線を形成。金と同様に短期トレンド転換への可能性も示唆する形となり、もう一段の調整となれば7月後半以降の上昇幅の半値戻し(930.5)から20日移動平均線(924.3)辺りまでが意識される展開にも。
週間ベースでは+51.5ドル、5.6%の反発。

ドル円・日足チャート 2020/7/6 - 8/7ドル円は40銭のドル高円安、0.38%高となって4日ぶりの反発。105円半ばでの小幅揉み合い推移でNY時間へ、雇用統計の結果には105円60銭台から80銭台まで急騰後に50銭台へと急反落、乱高下の後は徐々にドル高円安の流れが優勢となり、106円台へと上昇。しかし短期抵抗水準となっている106円00銭台で上値を押さえられると、NY午後にかけては106円をはさんでの小幅揉み合い推移の展開に。ドル安円高優勢の流れは一服の様子もありながら、上値も押さえられての小康状態。目先は105円後半の狭いレンジを上方向へと抜け出すことができれば107円台前半までが上値目標に、下方向へ反落となれば104円前後を目安に一段安の展開にも。
週間ベースでは+11銭のドル高円安、0.1%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/7終値とチャート

2020年8月8日(土)時点の相場
国内金7,676 円 8/7(金) ▲117(1.55%)
国内プラチナ3,655 円 8/7(金) ▲74(2.07%)
NY金2,028.0 ドル 8/7(金) ▼41.4(2.00%)
NYプラチナ970.4 ドル 8/7(金) ▼43.5(4.29%)
ドル円105.93 円 8/7(金) ▲0.40(0.38%)

8/7(金)のその他主要マーケット指標

求人件数5年ぶり急増、求人不足はコロナ前の過去最大を下回る 8/11(火)

トランプ・サインどおり雇用指標は大きな数字で金も調整 8/8(土)

失業保険申請件数は3週ぶり減少でコロナ後最少も金は最高値更新 8/7(金)

トランプ期待の金曜の雇用指標は下振れ懸念、金の高値2070ドル 8/6(木)

実質金利は過去最低、金価格は2000ドル新時代 8/5(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ