金プラチナ短期相場観

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トランプ期待の金曜の雇用指標は下振れ懸念、金の高値2070ドル

更新日:2020年8月6日(木)

GOLDとドルインデックス 2020年8月5日ADPの全米雇用リポートによれば、7月の非農業部門雇用者数は前月比わずかに+16.7万人。市場予想の+120万人程度を大幅に下回るネガティブ・サプライズ。過去2ヵ月分の大幅上方修正が、逆に雇用回復基調の急失速を際立たせる結果にも。

事前にはトランプ米大統領の「金曜日には雇用に関する大きな数字が発表される」だろうとの意味深発言もあり、それなりの好結果も予想されましたが、真逆の結果に。
ADPの結果に反して雇用統計だけは好結果、となる可能性も残されてはいますが、最近の失業保険申請件数の動向などから失速感は拭いきれません。

この日発表されたISM非製造業景況指数は55.0の市場予想に対して58.1の上振れで1年5ヵ月ぶりの高水準となりましたが、雇用指数は前月比-1.0ポイントの42.1で回復基調失速となり、5ヵ月連続の節目50割れ。先日の製造業景況指数の雇用指数も12ヵ月連続の40台で低迷していることなどもこれに同調。

クラリダFRB副議長もこの日、「米景気が新型コロナウイルス以前の水準を回復するのは、2021年末と予想」との発言。FOMCメンバーで今年投票権を持つ最タカ派のクリーブランド連銀メスター総裁も「最近のデータは経済活動の鈍化を示唆」しており、「回復には当面時間がかかる」との慎重姿勢。

金曜日の雇用に関する数字が、予想以上に小さな数字となるようなら、ドル安と金高の流れももう少し続くことになりそうです。

NY金・日足チャート 2020/7/1 - 8/55日のNY金相場は+28.3ドル、1.4%の大幅高で4日続伸。連日の過去最高値更新で2000ドルを超えても一段高。前日NY市場から続く上値トライの流れで時間外には2050ドル手前まで上昇して一服、2030ドル割れへと押し目を形成すると、すかさず押し目買いの様相となって欧州時間にかけては2050ドル超え。NY朝にはADP雇用の大幅下振れを受けたドル安の流れもあり、一時2070.3ドルまで上昇。利益確定売りでNY午後には2040ドル付近までの反落も引け後には2050ドルを回復。軽めの調整でもわずかな時間で30ドル程度は水準が切り替わる高ボラティリティ状態となり、週末に向けては一段高の展開も予想され、瞬間的に2100ドルも意識される反面、一服後の急反落も警戒される状況にも。現時点での短期サポート候補としては2000ドルの大台ラインまで。

NYプラチナ・日足チャート 2020/7/1 - 8/5NYプラチナは+33.9ドル、3.55%の大幅高で4日続伸。金の一段高に追随する展開となり、950ドル割れからの急騰でNY午前につけた高値は1010.8ドル。この日の変動値幅は金の42.8ドルに対してプラチナは64.8ドル。価格水準が金の半分以下となってもボラティリティは金以上。7月末の急落前の水準を上抜けたことも急騰を後押し、990ドルの節目突破に伴う上値目標1020ドル付近にもあと少しのところまで接近。引け後にも990ドル台を維持し、1000ドルの大台維持と今年高値圏1020ドル台に向けて再トライのチャンスも。

ドル円・日足チャート 2020/7/2 - 8/5ドル円は16銭のドル安円高、0.15%安で小幅続落。東京時間の安値105円50銭台から欧州時間にはドル安の巻き戻しがゆるやかに進行し、NY朝には105円80銭台まで上昇。7月のADP雇用者数が大幅に下振れるとドル安円高急進となって105円30銭付近まで50銭超の急落。しかし7月のISM非製造業景況指数が市場予想を上回る好結果となったことを受けて下げ渋り、NY午後には105円60銭台まで反発。目先、106円が上限となり、104円台後半までのレンジでややドル安優勢の状態に。保ち合いを下放れると104円割れを試しに行く展開にも。逆に106円超へと反発することになれば107円超を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/5終値とチャート

6日の国内金価格は+43円、0.57%の続伸。2日連続、8月3度めの過去最高値更新。過熱感は高まり、通常であれば調整余地は多分にあり。雇用統計前に少しは落ち着く状態となれば多少の調整も。7月31日の7196円から最高値までの23.6%戻し(7473)、38.2%戻し(7420)などが目安にも。雇用統計後にさらに上方向へ跳ねた場合には7650円辺りまでが意識される可能性も。

プラチナ価格は+117円、3.38%の大幅高で4日続伸。7月末の3日続落分を取り戻し、急落前の高値であり長期的に重要な節目3500円ラインを上抜けたことで一段高、短期上値目標3550円近辺も大きく上抜け。短期的には一服感も、中長期的には3500円以上の水準維持が重要なポイントにも。維持できれば、いずれ今年高値(3921)圏トライへと向かうような場面も。
※参考:金プラチナ国内価格8/6とチャート

2020年8月6日(木)時点の相場
国内金7,559 円 8/6(木) ▲43(0.57%)
国内プラチナ3,581 円 8/6(木) ▲117(3.38%)
NY金2,049.3 ドル 8/5(水) ▲28.3(1.40%)
NYプラチナ989.1 ドル 8/5(水) ▲33.9(3.55%)
ドル円105.58 円 8/5(水) ▼0.16(0.15%)

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