金プラチナ短期相場観

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コロナ前に底打ちしていたゼロ賃金の割合は2年半ぶり高水準に

更新日:2020年9月15日(火)

ゼロ賃金の割合 2020年8月雇用統計での平均時給の賃金上昇率は8月に前年比+4.7%となっていました。7月からは横ばい推移で、3月までの3%台から4月に8%へと跳ね上がり、6月には4%台まで低下して落ち着き始めた状態となっています。これを3ヵ月平均で見ると、コロナ前の3%台前半から、4月以降急上昇、6月の6.5%がピークとなり、8月にかけて4.7%まで低下してきた状態。
一時的に低賃金の失業者が急増したこと、一部人手不足の業界では賃金アップを図った可能性なども、平均時給の急騰要因と考えられます。

ただし、個人時給の中央値の前年比を3ヵ月平均で見る、アトランタ連銀の賃金上昇トラッカーでは、3%台でのもみ合い推移が続きます。強いて言えば4月には一時的に3.3%へと小幅に低下、1年9ヵ月ぶり低水準となり、7月には3.9%まで上昇して1年ぶり高水準。
コロナ後の労働市場回復ペースに鈍化の兆しが見られる現状、平均ベースで見る賃金上昇率は急変動後、徐々に落ち着き始める状態に対し、中央値ベースで見る賃金上昇率はコロナ前後でもほぼ変わらず、前年比+3%台後半での安定推移が続きます。

2000年、2008年のリセッションの時のように、賃金上昇率が急低下、という事態には今のところ陥ってはいません。
しかし、賃金上昇率がプラス・マイナス0.5%の範囲内にとどまるゼロ賃金の割合は、8月時点で14.5%。2018年1月(14.9%)以来、2年7ヵ月ぶりの高水準。
昨年11月時点で12.7%まで低下し、10年8カ月ぶり低水準となってボトムアウト。景気拡大に伴う賃金上昇割合の拡大も途絶えていたことになります。

賃金上昇率は過去のリセッション時のようにはなっていませんが、ゼロ賃金の割合は過去2回のリセッション時と同様に、急上昇の兆しとなっています。
ゼロ賃金の割合の上昇が今後も続くようなら、賃金上昇率にも影響を及ぼす可能性も高まりそうです。

NY金・日足チャート 2020/8/10 - 9/1414日のNY金相場は+15.8ドル、0.81%の反発。時間外には1940ドル台後半から一時1960ドルまで買われて反落、ロンドン市場では1950ドル割れへと保ち合いの展開。FOMCでのハト派見通しなどを警戒してかNY朝からはドル安の流れが強まり、金は1950ドル付近から1960ドル台半ばまで15ドル程の急騰。一時1970ドルを試す場面もありながら、上方向への節目となる1970ドル台を維持することはできず。下値サポートを1940ドル台へと切り上げ、1970ドルまでの小幅レンジでの保ち合いとなって1ヵ月に渡る三角保ち合いの先端部分を形成。調整局面をほぼ終えて、中立状態で迎えるFOMCがきっかけとなり、新たな短期トレンド形成へと向かう可能性が高まる状態にも。上方向へと抜け出せば高値再トライの展開となって2050ドル近辺が当面の上値目標に。逆に下方ブレイクとなれば調整再開へ、8月安値1870ドル近辺までが当面の下値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2020/8/10 - 9/14NYプラチナは+19.1ドル、2.03%の反発。8月18日(975.4)以来1ヵ月ぶりの高値となり、9月1日の952.7ドルをしっかり上回って短期トレンドも好転。NY朝の金の急騰局面に追随し、940ドル台から960ドル台へと20ドル程急騰、NY引け後にかけてもほぼ960ドル台半ばを維持し、一段高へと向かいやすい状況が整った形にも。金に先行する形でフライング気味の動きも、これが逆にNY金の上方ブレイクを示唆している可能性も。NY金の下方ブレイクさえなければNYプラチナは一段高へ、8月半ばの戻り高値990ドル近辺が上値目標に。930-40ドルがサポート候補。

ドル円・日足チャート 2020/8/11 - 9/14ドル円は50銭弱のドル安円高、0.45%の反落。8月28日(105.36)以来、半月ぶりの安値水準。9月に入ってから106円台前半で上値を押さえられる状態が続き、遂に力尽きた格好に。欧州時間までは106円付近で下げ渋る状態も、NY時間に入ってドル安の流れが強まると耐え切れず、急落の展開となって105円50銭台まで下落。日足レベルでは上方向優勢の状態も徐々に押し戻される形となり、軟調局面入り目前といった状態にも。目先は8月末の105円30銭がサポートとなり、この水準を維持できれば106円台前半を上限に保ち合い継続へ。FOMCなどがきっかけとなり、サポート割れなら一段安の展開も予想され、7月末安値圏104円近辺から、勢い余って103円台を試すような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/14終値とチャート

15日の国内金価格は+26円、0.36%の反発。ドル安に伴うNY金の上昇に押し上げられ、円高によって上値を抑制される従来のパターンでボラティリティは低下傾向にも。良く言えば価格は安定化の兆しとなって広めの保ち合いレンジ7190円から7270円台までのうちで、短期的には下値を7240円台へと切り上げて小幅保ち合いを形成。7270円台の上限を上抜けることになれば9月高値7330円近辺までが短期上値目標。7240円台のサポートを割れると7190円の節目割れの攻防へ。NY金が下方ブレイクへと向かえば国内金価格も一段安の展開となって6900円辺りまでが意識されるような展開にも。

プラチナ価格は+59円、1.7%高で4日続伸。8月14日(3592)以来、1ヵ月ぶりの高値。金に先行して堅調推移となりつつあるNYプラチナの一段高に押し上げられ、8月上旬から上値を切り下げてきた下降チャネル上限ラインをしっかりと上抜けたことで短期トレンドも好転。単独では上昇一服となりやすい状況ながら、NYプラチナの一段高によってさらに押し上げられる可能性も。その場合には8月半ばの戻り高値圏、3600円の大台ラインが意識されるような展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格9/15とチャート

2020年9月15日(火)時点の相場
国内金7,274 円 9/15(火) ▲26(0.36%)
国内プラチナ3,528 円 9/15(火) ▲59(1.70%)
NY金1,963.7 ドル 9/14(月) ▲15.8(0.81%)
NYプラチナ958.7 ドル 9/14(月) ▲19.1(2.03%)
ドル円105.69 円 9/14(月) ▼0.48(0.45%)

9/14(月)のその他主要マーケット指標

米鉱工業生産は回復率50%到達、も回復ペースは鈍化 9/16(水)

コロナ前に底打ちしていたゼロ賃金の割合は2年半ぶり高水準に 9/15(火)

短期的な国内政局と長期的な金融政策確認の週 9/14(月)

CPIもPPIも5ヵ月ぶり高水準、でもPCE平均2%超へは長い道のり 9/12(土)

失業保険申請件数は最悪期からは半減、でもコロナ前の7倍 9/11(金)


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