金プラチナ短期相場観
失業保険申請件数の回復率は50%到達
更新日:2020年9月18日(金)
9月5日までの週には前週比で9千件の増加となっていた新規失業保険申請件数は、12日までの週には前週比-3.3万件となって再び減少に転じてコロナ後の最低水準。
ただし、86万件という数字は依然としてコロナ以前の過去最大69.5万件を大幅に上回る高水準。
8月29日までの週には前週比25.2万件の増加となっていた継続受給者数も、9月5日までの週には前週比-91.6万人となって再び減少に転じて4月初旬以来の低水準。
ただし、1262.8万人という数字は依然としてコロナ以前の過去最大663.5万人の約2倍。
今回の申請件数の最大値を100とした指数で表すと、新規申請件数は12.52まで低下。回復率としては87.48%。継続需給は50.69まで低下し、回復率としては49.31%。
合計値では48.99まで低下し、回復率は51.01%。5月9日までの週に合計での最大を記録後、4ヵ月経過して回復率は初めて50%に到達しました。
ここから先は、減少したり増加したり、減少ペースは鈍化しながらもある程度の水準まで到達すると、底打ちに近い状態にも遭遇することも予想されます。
前日のFOMCでの失業率見通しでは、2023年末までには長期見通し4.1%に到達するとの予想(中央値)となっていました。失業保険申請件数も同じようなペースで回復していくことが予想されます。
ただし、FOMCの予想範囲では、失業率は2021年にも4%到達を予想するメンバもおり、逆に2023年でも6%までしか低下しないと予想するメンバもいました。
失業保険申請件数の回復ペースにも不透明感は漂いますが、2021年末までににコロナ前の水準を回復するのは至難の業のようにも思えます。
17日のNY金相場は-20.6ドル、1.05%の大幅安となって4日ぶりの反落。3日分の上昇幅を帳消しにして9月11日(1947.9)以来、1週間ぶりの安値。FOMCへの評価として、ほぼ事前予想の範囲内との見方が大勢、イベント通過でいったん材料出尽くしにもなって東京午前の時間帯まではドル高の流れにも押されて売り優勢の展開に。ユーロドルの高値からの調整の流れも続き、およそ1ヵ月ぶり安値となる1.1730ドル台まで下げて東京午後からロンドン時間にかけて反発。この流れにも支えられた金は保ち合いレンジ下限1940ドル台から1950ドル台までの小幅レンジで揉み合いとなって下げ渋り。NY朝には一時1940ドル割れを試す場面もありながら、20日移動平均線(1952.5)にも支えられてNY引けにかけては1950ドル台を回復。保ち合い上限1970ドルを何度もトライしての急反落となり、今度は保ち合い下限で下げ渋り。目先は1940-70ドルを主要レンジとした保ち合い継続の様相。なお、上下どちらにブレイク下も短中期的に変動幅拡大の可能性も継続。
NYプラチナは-42.6ドル、4.38%の大幅続落。4%超の下落は9月2日以来2週間ぶりで今年16回め。なお4%超の上昇は今年9回。前日高値で989.5ドルまで上昇し、短期上値目標990ドル近辺到達後の一服感からの調整は、FOMCを通過して金の30ドル程の急落、パラジウムの100ドルの急落などにも連れて加速。970ドル台でスタートした時間外はロンドンまでに940ドル台へと30ドル程の急落、若干下げ渋るもNY市場では930ドル台へとさらに一段安、一時930ドル割れも試してようやく930ドル台ではいったん下げ止まりの様相にも。20日移動平均線(933.2)にも支えられ、880ドル台から980ドル台までの広めのレンジ半ばで方向感見直しフェーズに。
ドル円は25銭程のドル安円高、0.24%安で4日続落。欧州時間につけた安値104円50銭台は7月31日(104.19)以来、1ヵ月半ぶりの安値。終値ベースでは3月11日(104.43)以来、半年ぶりの安値水準。FOMC後のドル高の流れは円高にも抑制され、東京午前の105円10銭台までにとどまり、東京午後の黒田日銀総裁会見では恒例となった円高圧力にも押されて105円割れ、欧州時間にかけても一段安となって104円台半ばまで下落。ドル安円高の流れがやや一方的に続く状態も、国内4連休となるなかで一段安の展開も警戒され、3月安値から高値の76.4%戻し、103円60銭台の下値目安までが連休中の警戒水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/17終値とチャート
18日の国内金価格は-36円、0.5%安となって3日続落。短期下値目安7190円前後にしっかり到達し、NY金も節目水準でしっかりサポートされたことからも短期下値トライは一服となる可能性。ただし円高余地がまだ残されること、NY金の調整圧力が再び強まって節目割れの場合には下げ幅拡大リスクが高まること、国内4連休という日柄的要因などから連休明けの急落リスクには要警戒。NY金の調整再拡大と円高同時進行の際の短期下値警戒最大水準は6900円前後まで。
週間ベースでは-85円、1.17%の反落。
プラチナ価格は-70円、1.98%の続落。直近の上値目標3450円台を上抜けてさらに大きく上値を伸ばし続けた状態から急速に巻き戻された格好に。水平状態となってきた21日移動平均線(3440)を上抜けた9日移動平均線(3461)にちょうどサポートされた形も、強気へと好転したばかりの流れは急失速。上向きの9日線のサポートが続けば地合い持ち直しも。3540円の節目を上抜けできれば8月の戻り高値3590円近辺までが上値目標にも。
週間ベースでは+19円、0.55%の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格9/18とチャート
- 2020年9月18日(金)時点の相場
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国内金 : 7,186 円 9/18(金) ▼36(0.50%) 国内プラチナ : 3,461 円 9/18(金) ▼70(1.98%) NY金 : 1,949.9 ドル 9/17(木) ▼20.6(1.05%) NYプラチナ : 930.9 ドル 9/17(木) ▼42.6(4.38%) ドル円 : 104.72 円 9/17(木) ▼0.25(0.24%)
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