金プラチナ短期相場観

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米貿易赤字は14年ぶり、過去3番めの大幅赤字

更新日:2020年10月7日(水)

米貿易収支 2020年8月米商務省が発表した8月の貿易統計で、貿易赤字は671億ドル。市場予想の662億ドル程度を上回り、赤字額は7月から5.9%拡大。過去最大の貿易赤字となった2006年8月の682.77億ドル以来、14年ぶりで過去3番めの大幅赤字。
今年3月以降で赤字幅が縮小したのは6月(前月比-7.6%)のみ。

輸入は2390.38億ドルで前月比+3.2%、2月(2466.6)以来、半年ぶりの高水準。4月に急減し、5月まで5ヵ月連続減少後、6月以降は3ヵ月連続の増加。コロナ前の2月との比較では-3.1%まで回復し、前年同月比では-8.5%。
輸出は1719.35億ドルで前月比+2.2%、3月(1866.3)以来、5ヵ月ぶりの高水準。3-4月に急減し、5月まで3ヵ月連続減少後、6月以降は3ヵ月連続の増加。ただし、コロナ前の2月(2096.52)との比較では-18.0%、前年同月比でも-18.3%にとどまります。

国内需要の回復ペースに対し、国外需要の回復の遅れが表れている様子。
また、貿易赤字は前月、7月にも前月比+18.5%と大幅拡大しており、2ヵ月経過時点での第3四半期の赤字拡大ペースは第2四半期を上回ります。急回復が予想されてきた第3四半期GDP成長の足を引っ張ることにもなりそうです。

なお、国別のモノの貿易額では、対中国での貿易赤字が5ヵ月ぶりに縮小したのに対し、対日本では2ヵ月連続で赤字幅は拡大、対ドイツでは3ヵ月連続拡大。対メキシコでは4ヵ月連続で拡大し、7-8月は2ヵ月連続で過去最大の赤字額を更新しています。

NY金・日足チャート 2020/9/1 - 10/66日のNY金相場は-11.3ドル、0.59%の反落。強行退院したトランプ大統領の追加景気対策の交渉停止により、米株とともに急落。時間外は1920ドルの節目に上値を押さえられながらも下げ渋り、NY朝には節目を超えて一時1927ドルまで上昇。しかし、1940ドル付近を目標とした上値トライへの流れはここまで。スタートで躓いて失速すると、NY午後にかけてドル高の流れにも押されて反落の展開に。パウエルFRB議長はこの日も講演で追加の景気対策が「不足するよりは過剰のほうがマシ」とその必要性を主張。にもかかわらずトランプ大統領は選挙後までの民主党との協議停止を指示。これにより米株急落とともに金も急落。NY引けにかけて1900ドルの大台を割れて一段安、一時1880ドル割れへと高値からは50ドル弱の急落。当面のサポートとなるはずだった1900ドルの節目割れに伴う下値目安1880ドル前後にもいきなり到達し、一服状態に。目先はいったん下げ渋りが予想され、反発方向には1900ドルの大台回復の可否がポイントとなり、さらなる下値警戒水準としては9月安値1850ドル付近。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/1 - 10/6NYプラチナは-34.4ドル、3.8%の大幅反落。強めの抵抗水準として警戒された910ドルの節目を何度か試して失敗、しっかり上値を押さえられると時間外から戻り売りの展開に。ロンドン市場では短期下値サポート890ドル付近でいったんは下げ渋ったもののNY朝の再トライで下抜けると一段安。NY引け後には株安・金安の影響も多少は受けて一時855ドルまで下げて860ドル台へと小反発。890ドル割れに伴う下値目安860ドル近辺にしっかり到達したことで、目先は下げ一服が予想される状況にも。さらなる下値警戒水準としては9月安値圏830ドル前後。

ドル円・日足チャート 2020/9/2 - 10/6ドル円は10銭余りのドル安円高、0.12%の小幅反落。上方向への節目105円70銭超えを前日から何度も試しながら、微妙に上値を切り下げつつもあり、しかし下値も105円50銭付近では底堅く、2日連続で変動値幅30銭弱の膠着状態に。NY午後のトランプ大統領の追加景気対策の協議停止ツイートを受けての株価急落局面ではリスク回避の円高とドル高が交錯、一時的に105円50銭を少し割れるも105円70銭付近まで急反発するなど小幅に乱高下。前日には4ヵ月ぶり高水準へと急騰した米10年債利回りがこの日は調整の動きとなったことにも連れた様子もあり、金利上昇の流れが再開するようなら連れ高の展開も予想され、上値目標107円台に向けた上値トライの流れがスタートする可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/6終値とチャート

7日の国内金価格は-129円、1.82%の大幅反落。反発局面一服だけでは済まず、10月の上げ幅を帳消しにして10月安値を更新。それでも中期上昇トレンドをサポートする90日移動平均線(6966)手前でいったんストップ。しかし、8月上旬から2ヵ月続いた調整局面に一区切り、ではなく戻り売り再開で調整局面継続への可能性も再浮上。ポイントは9月安値6902円を下回るか否か。10月安値更新に伴う短期下値目安は6930円前後まで。

プラチナ価格は-134円、4.03%の大幅反落。下げ幅としては9月23日(-200円、5.78%)以来2週間ぶりで今年5番めの急落。90日移動平均線(3287)と200日移動平均線(3287)との攻防から1%の上方乖離となって上方向へ抜け出したかに見え、もう一段の上昇余地すら予想した流れは急速に巻き戻され、重要なサポート候補90-200日線をまとめて下抜けると下方乖離率は3%。3倍返しとなって短期下値目安3200円前後にもしっかり到達。いったんは下げ止まりが予想されるものの、下値警戒水準としては9月安値3130円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格10/7とチャート

2020年10月7日(水)時点の相場
国内金6,976 円 10/7(水) ▼129(1.82%)
国内プラチナ3,188 円 10/7(水) ▼134(4.03%)
NY金1,908.8 ドル 10/6(火) ▼11.3(0.59%)
NYプラチナ870.3 ドル 10/6(火) ▼34.4(3.80%)
ドル円105.63 円 10/6(火) ▼0.13(0.12%)

10/6(火)のその他主要マーケット指標

長期金利上昇の兆しで上値を押さえられ始めた金価格 10/8(木)

米貿易赤字は14年ぶり、過去3番めの大幅赤字 10/7(水)

ユーロ圏総合PMIの50超維持はドイツ頼み 10/6(火)

トランプ大統領の回復アピールを受けて株高・円安スタート 10/5(月)

オクトーバーサプライズは満月の金曜日、トランプ大統領陽性 10/3(土)


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