金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

小売売上高はコロナ前を回復、鉱工業生産は13ヵ月連続前年割れ

更新日:2020年10月17日(土)

米・小売売上高(前年比) 2020年9月米商務省が発表した9月の小売売上高は、予想を上回る好調ぶりを示す結果に。
前月比では+1.9%となって市場予想の+0.8%の倍増。好調な自動車関連を除く小売売上高でも市場予想の+0.4%を大幅に上回る+1.5%。
自動車関連以外では、衣料品、スポーツ用品などの娯楽品などが急増し、好結果を牽引。

前年比では、9月は+5.36%となり、8月の+2.77%からも急増。2019年12月(+5.61%)以来、9ヵ月ぶりの高水準となり、コロナ前の水準を回復。
4月には過去最低となる前年比-19.86%まで落ち込みましたが、前年割れとなったのはこの前後、5月と6月を含めて3ヵ月間のみ。6月以降は4ヵ月連続のプラス圏推移となり、9月には長期平均+4.19%も上回りました。
また、前年比3ヵ月平均では8月の+2.57%から9月は+3.61%へと上昇。リセッション入り警戒水準とされる3%割れを脱出し、2月(+4.99%)以来7ヵ月ぶりの高水準。

消費活動が第4四半期以降も好調を維持するためには、追加経済対策の可決が鍵を握ることになるのかもしれません。

米・鉱工業生産(前年比) 2020年9月好調ぶりを示した消費に対して、製造業の回復基調は鈍化の兆しも。
FRBが発表した9月の鉱工業生産は前月比-0.6%となり、市場予想の+0.5%に反して5ヵ月ぶりの前月比マイナス。
鉱工業生産指数としては、2012年平均を100とした指数で表され、4-6月の急落局面を経て7月には100ポイント台を回復。
しかし、前年比で見ると9月は-7.28%となり、7月の前年比-6.77%から2ヵ月連続の低下。コロナ前の2月と比較すると8月の-6.54%から9月は-7.13%。
前年割れは2019年9月から13ヵ月連続となり、4-6月の-10%超を含め、直近6ヵ月は連続で-6%超の落ち込みとなっています。

明暗分かれた9月の米経済指標、暗雲漂う10月以降の結果に要警戒、という意味では同様の状況かもしれません。

NY金・日足チャート 2020/9/14 - 10/1616日のNY金相場は-2.5ドル、0.13%の小幅安で3日ぶりの反落。1910ドルをはさんでの小幅揉み合い推移の時間外から、NY朝には2日前の高値をわずかに上回って1920ドル手前まで上昇。しかし、米9月小売売上高が予想以上の好結果となったことを受けて株高・ドル高の流れが強まると反落の展開へ。その後発表された9月鉱工業生産は予想以上に低調となったものの、さらに10月のミシガン大消費者信頼感指数も好結果となり、上下動をはさんで水準を切り下げた金の安値は1901ドルまで。日足レベルでは週後半3日間での高値を更新し、下値を徐々に切り上げて1900ドルの大台ラインがサポートとして意識され始めた可能性も。月後半、大統領選に向けては1890ドルから1930ドルまでの主要レンジを維持する可能性は高そうで、下方ブレイクなら9月安値1850ドル台、上方ブレイクなら9月の急落前の戻り高値圏1970ドル近辺までが目安水準に。
週間ベースでは-19.8ドル、1.03%安で3週ぶりの反落。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/14 - 10/16NYプラチナは+8ドル、0.93%高となって5日ぶりの反発。時間外は870ドルが上限となって戻り売り、ロンドン時間につけた安値は850ドル台後半までと限定的、NY市場では米指標の好結果に反応した米株の流れに追随する形となって870ドル台後半まで、20ドル程の急騰局面を形成。しかし右肩下がりの20日移動平均線(874.8)にも上値を押さえられ、870ドル台も維持できず、NY金の反落にも合わせる形でNY午後には860ドル半ばまで小反落。前日の下ヒゲ十字線が示唆したとおりの反発も、この日も十字線に近い足型となって反発基調継続には一抹の不安も。860ドルの下値サポートをしっかり維持したことだけは光明か。20日線と200日線(875.9)が目先の抵抗線候補となり、まとめて上抜けできれば流れも回復基調へ、890ドル台の節目を目指す展開にも。あらためて860ドルのサポートを割れると下値トライ再開、9月安値圏830ドル近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-25ドル、2.8%安で3週ぶり反落。

ドル円・日足チャート 2020/9/14 - 10/16ドル円は前日からほぼ変わらず横ばい推移。欧州での感染再拡大懸念などを材料に東京時間から円高の流れが強まり、105円10銭台まで下落。前日安値付近で下げ渋ると欧州時間はこの日の安値圏での揉み合いとなり、NY時間には米指標の好結果を材料に株高とともにドル高円安優勢の展開となって105円40銭台へと反発。この日の値幅は25銭、今年の平均74銭のほぼ3分の1の小動きも、105円台前半の保ち合いレンジ全体を使って下に行って来い。下値の堅さを確認しながらも、上値の重さも変わらず。上昇に転じた20日移動平均線(105.46)を上抜けることができれば、106円台回復、程度までの上値余地拡大へも。強めのサポートとなりつつある105円ラインを割り込むようなら9月安値圏104円台前半も意識されるような展開にも。
週間ベースでは-22銭、0.21%の小反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/16終値とチャート

2020年10月17日(土)時点の相場
国内金7,050 円 10/16(金) ▲43(0.61%)
国内プラチナ3,192 円 10/16(金) ▲11(0.35%)
NY金1,906.4 ドル 10/16(金) ▼2.5(0.13%)
NYプラチナ869.3 ドル 10/16(金) ▲8.0(0.93%)
ドル円105.39 円 10/16(金) ▼0.01(0.01%)

10/16(金)のその他主要マーケット指標

国内金価格90日移動平均は史上初7000円超・・・で失速感 10/19(月)

小売売上高はコロナ前を回復、鉱工業生産は13ヵ月連続前年割れ 10/17(土)

世界の景気回復を牽引する中国ではデフレ懸念が拡大 10/16(金)

消費者調査でも米労働市場は急回復、でも失業したら大変 10/15(木)

IMF世界経済見通し、インドを除いて上方修正 10/14(水)


短期相場観~よく読まれた記事一覧

明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想

PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン

PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン


RSS金プラ短期相場観 RSSリーダーで金プラチナ短期相場観を購読


ページの先頭へ