金プラチナ短期相場観

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コロナ危機再燃のユーロ圏、製造業PMIの独仏格差は拡大

更新日:2020年10月24日(土)

ユーロ圏・独・仏・米製造業PMI 2020年10月速報秋になってコロナ危機再燃のユーロ圏、この週末にかけては少なくとも10ヵ国で1日あたりの新規感染者数が過去最多を更新し、制限措置導入も相次ぐ状態に。
そんなユーロ圏の総合PMIは10月速報値で49.4。3ヵ月連続の低下で4ヵ月ぶりの低水準、かつ節目50割れ。景気拡大基調を示す50超はわずか3ヵ月で途切れてしまった状態。
サービス業PMIが46.2となって3ヵ月続落、2ヵ月連続の節目50割れで5月(30.5)以来、5ヵ月ぶりの低水準に落ち込んだことが足を引っ張りました。
好調を維持する製造業PMIは54.4。続伸で4ヵ月連続節目50超、2018年8月(54.6)以来、2年2ヵ月ぶりの高水準。

好調を牽引したドイツの製造業PMIは58.0となって6ヵ月続伸、4ヵ月連続節目50超、2018年4月(58.1)以来2年半ぶりの高水準。
製造業の生産指数は64.9となって2011年2月以来、9年8ヵ月ぶりの高水準。中国向けを中心に輸出の急回復で受注が急増して過去最高を記録、受注残も2年10ヵ月ぶりの高水準となる一方、雇用面では人員削減が継続している模様。
また、製造業とは対照的にサービス業はドイツでも低調、サービス業PMIは48.9となって3ヵ月続落で4ヵ月ぶりの節目50割れ、4ヵ月ぶりの低水準。
感染者数増加に伴う制限措置再開など不確実性が高まる状況はサービス業においてより顕著に影響が表れることを示す結果となっています。

累積感染者数が今週100万人を超え、スペインとアルゼンチンなどをかわして世界5番目に浮上してしまったフランスでは、22日の新規感染者数が4万人を超え、7日平均では20日連続増加傾向となり、夜間外出禁止令を主要都市以外にも拡大。
ユーロ圏でのコロナ危機再燃を牽引する状態のフランスの総合PMIは47.3、サービス業PMIは46.5でいずれも2ヵ月連続の50割れで5ヵ月ぶりの低水準。製造業PMIは51.0と2ヵ月連続50超も9月の51.2からは小幅に低下、伸び悩みの状態となり、ドイツとの格差は秋以降、急拡大となっています。

なお、フランスに次いで累積感染者数100万人超となって世界7番めとなっているのがスペイン、世界15番めにはイタリアで50万人弱。世界17番目のドイツも40万人を超え、26-27番めには30万人弱でオランダ、ベルギーが続くなど、ユーロ圏主要国は軒並み上位に。
いずれも新規感染者の急増で先行き不透明感は強まる状況にあり、今後ドイツなどでも制限措置拡大となるようだと景気回復基調腰折れへの警戒感がいっそう高まることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2020/9/21 - 10/2323日のNY金相場は+0.6ドル、0.03%の小反発。前日の大幅下落から一服となった時間外は1900ドル台で小康状態、ドイツ10月製造業PMI速報値が予想外の好結果となったことを受けてユーロ高ドル安の流れが急進、これに追随する形でNY朝にかけては1910ドル台後半まで上昇。すると今度は米10月サービス業・総合PMiが予想を上回る結果となったことを受けてドルの買い戻し、ユーロドル失速とともに戻り売りの展開となって1900ドル割れへと急反落。それでも前日安値は下回らず、またしても1890ドルのサポートに下支えされ、ドル買い失速にも連れて1900ドル台を回復。90日移動平均線(1903.1)にもなんとかサポートされた形となり、急落後の十字線となって下げ渋りを示唆。引き続き1890ドルから1930ドルまでの主要レンジ内で1900ドルでの足場固めを試みるもなかなかうまくいかない状況。
週間ベースでは-1.2ドル、0.06%の小幅続落。

NYプラチナ・日足チャート 2020/9/21 - 10/23NYプラチナは+22.7ドル、2.57%の大幅反発。時間外は前日終値水準880ドル台での小幅揉み合い推移から、ロンドン・NY市場にかけて金の堅調推移に追随すると抵抗水準となっていた90日移動平均線(901.8)が推移する900ドル前後を上抜けて加速。NY市場では金の急反落に逆行する形で下げ渋り、一時1ヵ月ぶり高値となる924ドルまで上昇。40ドル程の急騰後の反落でも910ドル割れでは下げ渋る状態に。短期上値目標910ドル台をしっかりクリアし、中期的な抵抗水準にもなりつつあった90日線超えも維持。目先はこの水準を維持できるかどうかがポイントにも。当面の下値サポートは880ドルに切り上げ、これを割れると以前の下値サポート860ドルまでが下値目安に。
週間ベースでは+37.4ドル、4.3%の反発。

ドル円・日足チャート 2020/9/21 - 10/23ドル円は15銭のドル安円高、0.14%の反落。東京朝に前日高値圏104円90銭台まで上昇した後は上値の重い展開に、104円70銭近辺では下げ渋る状態となって欧州序盤、ドイツの製造業PMI好結果を受けてのユーロ高ドル安に連れる形で104円50銭台まで下落。しかし下値サポートとなりつつあるこの水準では底堅く、NY時間には持ち直し、米サービス業PMIの好結果なども好感して104円90銭付近まで上昇。すると今度は短期レジスタンスとなりつつある104円90銭に跳ね返される形で短期レンジ半ばへと収束。次週、104円90銭の抵抗線を上抜けできれば直近高値圏105円半ばまで上値余地拡大へ。104円半ばのサポート割れの場合には104円ちょうど付近までが下値目安に。
週間ベースでは-68銭、0.65%の続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/23終値とチャート

2020年10月24日(土)時点の相場
国内金7,011 円 10/23(金) ▼54(0.76%)
国内プラチナ3,262 円 10/23(金) ▼7(0.21%)
NY金1,905.2 ドル 10/23(金) ▲0.6(0.03%)
NYプラチナ906.7 ドル 10/23(金) ▲22.7(2.57%)
ドル円104.71 円 10/23(金) ▼0.15(0.14%)

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