更新日：2021年2月9日(火)
米テスラが15億ドルをビットコインに投資し、ビットコインによる商品代金の支払いを可能にすることも表明。これを受けてビットコイン相場が4万2000ドルを超えて最高値更新。米株主要3指数も揃って連日の最高値更新となった日。NY金の続伸にもサポートされ、NYプラチナも高値圏での保ち合いを抜け出すように急騰。新たな領域に踏み出した可能性もありそうです。
前日の国内プラチナ価格に続き、NYプラチナ価格も月足で雲の上限を上抜け。1月にも一時的には雲の上限超えもこれを維持できず、逆に雲の上限に上値を押さえられる形で十字線を形成していましたが、2月に入っての急騰で大きく上抜け。月末時点で上回るべき雲の上限ラインは1093.1ドル。
一時的でも雲の上限を超えたのは2013年4月以来、終値でも上回ることになれば2013年3月以来、ほぼ8年ぶり。また、日足・週足・月足でも三役好転となるのはNY金の昨年夏、過去最高値更新が続いた時期以来。
上方視界が開けた状態で意識される節目水準としては、2011年高値（1912）から2020年安値（562）までの50％戻し（1237.0）、あるいは2008年の過去最高値（2290）から2020年安値までの38.2％戻し（1222.1）など。今年、1200ドル台はもしかすると、単なる通過点となる可能性もあるかもしれません。
8日のNY金相場は+21.2ドル、1.17％の大幅続伸。雇用統計前の急落分を雇用統計後に2日かけて取り戻した形に。週明け時間外は1820ドルでいったん上値を押さえられて1810ドル割れまでの小幅調整。しかし、一時1.2％付近まで上昇した米10年債利回りの急反落を受けてドル高の巻き戻しも進行したロンドン・NY市場にかけては急騰。急落の前日高値圏、1840ドルまで上昇して1830ドル台に落ち着いた状態に。結果的に地合い回復に向けての最初のハードル20日移動平均線（1843.7）にはわずかに届かず、これが抵抗線となる前に上抜けておきたいところ。下方向には1800ドルの大台ラインがサポートになるかどうか。
NYプラチナは+42.2ドル、3.72％の大幅続伸で2016年8月10日（1183.1）以来、4年半ぶりの高値。今年ここまで何度も上値を押さえられていた1140ドルラインを週明け時間外スタートとともに上抜けると1150ドル台まで小幅に急騰。1140ドルの抵抗感払拭後は1140ドルをサポートに小幅揉み合いを経て堅調推移。ロンドンで1160ドルを超えるとNY朝には1180ドル超え、高値では1186.9ドルまで上昇し、短期上値目標で2016年最高値圏1190ドル台まではあと少し。1ヵ月余り続いた高値保ち合いをようやく上抜けた形となって過熱感もなく、むしろ保ち合いで調整を終えたような格好にもなり、流れは好転。軟調気味の状態から抜けきれない金がブレーキ役となる可能性もあるものの、目先は多少の行き過ぎで目標水準を超えて大台回復という展開にも。下方向には1140ドルが当面のサポート候補にも。
金との価格差は659.0ドルとなり、昨年2月20日（641.5）以来ほぼ1年ぶりの水準で一段と縮小。
ドル円は20銭のドル安円高、0.19％の続落。欧州時間にかけて105円60銭台まで小反発、小幅揉み合い状態も結果的に200日移動平均線（105.59）に上値を押さえられた形となり、NY時間にかけては米10年債利回りの急低下にも連れてドル安の流れが急進、105円10銭台までほぼ50銭の急落。ドル高の流れは一服となり、目先は105円60銭が上限となり、105円ちょうどまでが下値サポート候補に。105円を割れると昨年3月高値から年初の安値までの23.6％戻し（104.75）近辺が次のサポート候補。上方向に再トライとなれば38.23％戻し（106.08）が目標水準に。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場2/8終値とチャート
9日の国内金価格は+49円、0.73％の続伸。5日の急落分（-102円）を週明け2日でほぼ取り戻し、21日移動平均線（6747）も上抜けて軟調地合いからほぼ中立状態まで戻したような格好にも。1月安値から2番底をつけて折り返したような形状にもなり、ネックラインとなる直近高値6833円を上抜けることができれば、ダブルボトム完成で一段高へ、となる可能性も。その場合の上値目標は年初の高値保ち合い水準6950円台辺りまで。逆にここで失速して6660円台の2月安値を下回った場合には下値トライ再開へ、少し長めのレンジで2番底をつけに行くことになり、11月安値（6512）もチラつく6530円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は+101円、2.44％と2日連続100円超の大幅高で4日続伸。1月末からの8営業日で7日上昇、うち2％超の上昇が4日。高値保ち合い上抜け後の短期上値目標4140円程度を突き抜けて2015年8月24日（4290）以来、5年半ぶりの高値。若干の過熱感もあり、急騰後の急反落警戒感も漂いながらもNYプラチナには若干の上げ余地も。2013年高値（5445）から2020年安値（2422）までの61.8％戻し（4290）が早くも意識されるような展開にも。下値サポート候補としては直近保ち合い高値4060円台辺りまで。
金との価格差は2522円となり、昨年2月20日（2383）以来、ほぼ1年ぶりの水準で一段と縮小。
※参考：金プラチナ国内価格2/9とチャート
2021年2月9日(火)時点の相場
国内金：6,765 円 2/9(火) ▲49(0.73％)
国内プラチナ：4,243 円 2/9(火) ▲101(2.44％)
NY金：1,834.2 ﾄﾞﾙ 2/8(月) ▲21.2(1.17％)
NYプラチナ：1,175.2 ﾄﾞﾙ 2/8(月) ▲42.2(3.72％)
ドル円：105.22 円 2/8(月) ▼0.20(0.19％)