金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

米消費好調でインフレ上昇の兆しに製造業も好調、もドル高一服

更新日:2021年2月18日(木)

米・鉱工業生産(前年比) 2021年1月この日発表された米国の1月経済指標は軒並み想定以上の好結果。
商務省発表の小売売上高は前月比+1.0%予想に対して+5.3%、自動車を除く数値も同程度の予想に対して+5.9%。いずれも4ヵ月ぶりのプラス圏回復で6月以来、7ヵ月ぶりの高水準。
前年比では+7.43%となり、2011年9月(+7.91%)以来、9年4ヵ月ぶりの高水準。6月以降、8ヵ月連続の前年比プラスとなっています。

米労働省発表の生産者物価指数(PPI)は前月比では+1.3%となり、+0.4%程度の予想を大きく上回って過去最大の伸び。
前年比では+1.68%となり、+0.9%程度の予想を大幅に上回り、昨年1月(+1.97)以来1年ぶりの好水準。
食品とエネルギーを除くコア指数は前年比+2.03%。これも予想の+1.1%程度を上回って2019年8月(+2.34)以来、1年5ヵ月ぶりの2%台回復。
食品とエネルギーと貿易サービスを除くコア指数では前年比+1.97%。3ヵ月続伸での急騰となって2019年6月(2.12)以来、1年7ヵ月ぶりの高水準。
先週発表された消費者物価指数(CPI)が低調となったのに対し、PPIは想定外の急上昇となっています。消費の好調ぶりと合わせ、今後のインフレ上昇の兆しと見ることもできるかもしれません。

FRB発表の鉱工業生産は前月比+0.9%となり、予想の+0.4%の倍以上の伸び。4ヵ月連続のプラス圏推移で製造業の好調ぶりを裏付ける状況となっています。
ただし、前年比では-1.83%となり、17ヵ月連続の前年割れ。前年比での落ち込みは9ヵ月連続で縮小してはいるものの、プラス圏にはまだ届きません。
鉱工業生産指数としては昨年2月以来、11ヵ月ぶりの高水準となってコロナ前の水準を回復。
ただし、この指数は2018年12月を最後に2年1ヵ月間過去最高を更新していません。
製造業の回復基調としては好調を持続していますが、コロナ前の好調期の水準にはもう少し。

NY金・日足チャート 2021/1/12 - 2/1717日のNY金相場は-26.2ドル、1.46%の大幅安で4日続落。終値では昨年6月25日(1770.6)以来、8ヵ月ぶりの安値。NY市場でつけた安値1767.9ドルは11月30日安値(1767.2)と同水準となり、二番底をつけた形に。時間外は1790ドルの節目との攻防となって下げ渋る状態も、ドル高の勢いが強まったNY朝に力尽きた格好。小売売上高にPPI、鉱工業生産など一連の米1月指標がいずれも予想を上回る好結果となったこともドル高をサポート。1790ドルの節目割れに伴う下値目安1770ドル前後までしっかり下げたことで、NY引け後には1770ドル台半ばへと小反発。二番底をつけたことと短期下値目安到達に加え、現状水準は昨年3月安値から8月最高値までの半値戻し(1770.1)にも相当し、いったん下げ止まるのには都合の良い水準。と同時にこの水準をいつまで維持できるかが当面の課題。二番底崩れへと安値更新となった場合には新たな下落トレンド形成へと向かうことになり、次なる中期的な目安水準としては61.8%戻し(1694.7)、1700ドル近辺。

NYプラチナ・日足チャート 2021/1/12 - 2/17NYプラチナは-21.9ドル、1.71%の大幅安となって8日ぶりの反落。前日の長めの上ヒゲ陽線でピークアウトの兆しとなった流れは、時間外こそ1270ドル近辺で下げ渋る状態となったものの、欧州時間から株価の下押し局面などにも連れて再開、40ドル弱の急落局面を形成して一時1230ドル付近まで下落。当面のサポート候補と見られた2011年高値から2020年安値までの半値戻し(1237.0)近辺では下げ渋り、NY市場にかけては徐々に下値を切り上げる買い戻し状態となってNY引け後には1270ドルを回復して一段高、1280ドルトライへと早くも調整を終えてしまった感も。目先、再調整となればあらためて1230ドル近辺がサポート候補となり、上方向には1280ドルの節目を超えると1300ドル前後までが次の上値目標。16日高値1348.2ドルトライには少し時間を要しそうな状況にも。
金との価格差は515.1ドル、2019年6月4日(509.6)以来1年8ヵ月ぶりの低水準に。

ドル円・日足チャート 2021/1/14 - 2/17ドル円は15銭のドル安円高、0.14%安で5日ぶりの反落。200日移動平均線(105.53)超えに伴う短期上値目標106円台到達の勢いのまま、東京朝には昨年9月11日(106.25)以来5ヵ月ぶり高値となる106円20銭まで上昇。しかし一服感と売り圧力もあり欧州時間にかけては106円をはさんでの揉み合い推移の展開に。NY朝には複数の米指標好結果を受けてドル買いが強まるも、東京朝につけた高値106円20銭近辺では頭打ち、対ユーロなどでのドル高の流れも一服となり、NY午後にかけて106円割れへと調整の展開に。目先は106円ラインがいったん抵抗水準となり、これをしっかり超えることができれば9月高値106円半ばまでの一段高も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/17終値とチャート

18日の国内金価格は-55円、0.83%の続落で12月1日(6516)以来、2ヵ月半ぶりの安値。6720円の節目を割り込んで三角保ち合い下放れとなり、下値目安6580円程度までを目指す流れが進行中。2月5日(6666)の水準で下げ止まって短期二番底形成とはならず、1月18日(6625)の水準で下げ止まって短中期二番底形成にも失敗。11月安値(6512)まで下げて中期二番底形成も意識されるものの、現状ではまだそこまでの下落は想定し難い状況のようにも。

プラチナ価格は+29円、0.62%の反発。NYプラチナの下げ幅縮小と今朝の時間帯での反発基調により、国内価格は急騰後の調整もそこそこに高止まり状態に。目先は4660円台が当面のサポートとなるかどうか、これを維持して高値再トライへと向かい、4800円の節目を超えると4850円程度までが上値目標に。4660円台が維持できないようなら4600円前後までを下値目安に一段安も。
金との価格差は1915円となり、2019年6月12日(1899)以来1年8ヵ月ぶりの水準まで縮小。
※参考:金プラチナ国内価格2/18とチャート

2021年2月18日(木)時点の相場
国内金6,611 円 2/18(木) ▼55(0.83%)
国内プラチナ4,696 円 2/18(木) ▲29(0.62%)
NY金1,772.8 ドル 2/17(水) ▼26.2(1.46%)
NYプラチナ1,257.7 ドル 2/17(水) ▼21.9(1.71%)
ドル円105.88 円 2/17(水) ▼0.15(0.14%)

2/17(水)のその他主要マーケット指標

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