金プラチナ短期相場観

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米輸入物価は1年ぶりの前年比プラスで2年3ヵ月ぶり高水準

更新日:2021年2月19日(金)

米輸入物価指数×CPI×PPI 2021年1月米労働省が発表した1月の輸入物価指数は前月比では+1.36%。3ヵ月続伸で2012年3月(+1.41%)以来、8年10ヵ月ぶりの高水準。前年比では+0.88%となって1年ぶりのプラス圏を回復、2018年10月(+3.38)以来、2年3ヵ月ぶりの高水準。
原油価格などエネルギー価格上昇とともにドル安にもサポートされ、CPIやPPIのインフレ上昇をサポートしました。

この日発表されたフィラデルフィア連銀製造業景況指数でも、仕入れ価格指数は1月に45.4となって2018年8月以来2年5ヵ月ぶりの高水準、2月は54.4へとさらに上昇し、2年半ぶり高水準。販売価格も1月には36.6で1989年2月以来、ほぼ32年ぶりの高水準となっていました。ただし2月は16.7へと急低下。
今週発表されたNY連銀製造業景況指数でも、2月に仕入れ価格は57.8で2011年5月以来9年9ヵ月ぶり高水準。販売価格も23.4で2011年5月以来の高水準となっていました。
さらに仕入れ価格見通しも2年3ヵ月ぶり高水準、販売価格見通しも2014年9月以来6年5ヵ月ぶりの高水準。

インフレ期待値の上昇を裏付けるように、インフレ上昇の兆しを示すような指標が目に付き始めています。
ただし、前年比で見るインフレ率についてはここから先、春にかけては昨年のコロナショックで急落した時期との比較となる為、インフレ急加速?と錯覚するような高い数値が飛び出す可能性にも要注意です。

NY金・日足チャート 2021/1/13 - 2/1818日のNY金相場は+2.2ドル、0.12%の小幅高で5日ぶりの反発。反発基調はドル高の巻き戻しが加速した欧州時間に加速、NY朝には一時1790ドル手前まで上昇。しかし前日高値と直近のサポート水準1790ドルに届かずに失速すると米10年債利回りが1.3%台へと再浮上し、米ドルの反発もきっかけとなって急反落。一時前日安値と11月30日安値(1767.2)もわずかに下回り、昨年7月2日(1766.3)以来7ヵ月半ぶり安値となる1766.6ドルまで下落。NY午後には1770ドル台へと戻すも上値はまだまだ重そう。11月安値とで形成するダブルボトムを維持すべく、3月安値から8月最高値までの半値戻しにも相当する1770ドル近辺の重要水準との攻防は続き、明確に割り込めば下落トレンド延長戦、中期的には61.8%戻し(1694.7)、1700ドル近辺を目指す流れへ。反発方向には1790ドルが抵抗水準、これを突破できれば短期的にはいったん下げ止まりにも。

NYプラチナ・日足チャート 2021/1/13 - 2/18NYプラチナは+17ドル、1.35%の反発。前日の下ヒゲからの流れで時間外には1296.1ドルまで上昇。1280ドルの節目を早々に上抜けて短期上値目標1300ドル近辺まで上昇した格好にも。これで反発基調一服となってしまった感もあり、ロンドン・NY市場にかけては1270ドルをはさんでの揉み合いの展開に。1250ドルから1280ドルまでが目先の主要レンジとなり、下限割れなら前日安値1230ドル近辺までが短期下値目安に、上限を超えると1300ドルの大台ライン再トライへ。
金との価格差は500.3ドル、2019年5月30日(498.3)以来、ほぼ1年9ヵ月ぶりの水準まで縮小。

ドル円・日足チャート 2021/1/15 - 2/18ドル円は19銭のドル安円高、0.18%の続落。東京朝と欧州朝の105円90銭台が高値となって軟調推移、NY朝には失業保険申請件数の悪化もあり一時105円60銭近辺まで下落。しかし高値攻防状態にある米10年債利回りの動向に敏感に反応するドル円は、1.3%割れで推移していた10年債利回りが1.3%台へと小幅に急反発した流れを受けて105円80銭台まで急反発。しかし米10年債利回りが再び1.3%割れへと反落するとドル円も105円60銭台へと小反落。目先、下値は再び200日移動平均線(105.53)にサポートされ、上方向には106円が抵抗線。抵抗線突破で今年高値更新へと向かえば106円半ばまでは上値を伸ばす展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/18終値とチャート

19日の国内金価格は-35円、0.53%安で3日続落。12月1日(6516)以来、2ヵ月半ぶり安値圏での一段安。6720円の節目割れに伴う下値目安6580円程度までにもしっかり到達。2ヵ月半のレンジで二番底をつける形となり、短期的にはいったん下げ止まりやすい状況にも。ただしNY金が同じ構図で微妙な水準での攻防状態にあり、米10年債利回り上昇やドル高圧力に押されて一段安へと向かうようなら追随へ。そうなった場合には11月30日の6512円を下回る可能性も高まり、昨年3月安値から8月最高値までの61.8%戻し(6423)から6400円辺りまでが下値警戒水準にも。
週間ベースでは-145円、2.16%の反落。

プラチナ価格は-2円、0.04%の小反落。急騰後の調整もそこそこにとどまり、しかし反発も限定的となっていったんは高止まりを維持しての小康状態。4660円から4800円までの高値保ち合いレンジを形成し、移動平均線の上昇を待ちながらも、金の軟調推移に若干足を引っ張られるような展開にも。高値保ち合い崩れとなれば、短期的には4600円前後までが下値目安に。中期的、もしくは急加速の場合の行き過ぎ警戒水準としては11月安値(3096)から2月高値(4798)までの23.6%戻し(4396)、4400円近辺も。
金との価格差は1882円となり、2019年6月5日(1877)以来1年8ヵ月半ぶりの水準まで縮小。
週間では+214円、4.78%の大幅高で3週続伸。3週間での上昇率は20.3%。
※参考:金プラチナ国内価格2/19とチャート

2021年2月19日(金)時点の相場
国内金6,576 円 2/19(金) ▼35(0.53%)
国内プラチナ4,694 円 2/19(金) ▼2(0.04%)
NY金1,775.0 ドル 2/18(木) ▲2.2(0.12%)
NYプラチナ1,274.7 ドル 2/18(木) ▲17.0(1.35%)
ドル円105.69 円 2/18(木) ▼0.19(0.18%)

2/18(木)のその他主要マーケット指標

ユーロ圏PMI、2月は製造業とサービス業、独仏格差も拡大 2/20(土)

米輸入物価は1年ぶりの前年比プラスで2年3ヵ月ぶり高水準 2/19(金)

米消費好調でインフレ上昇の兆しに製造業も好調、もドル高一服 2/18(木)

プラチナ価格、金との価格差もRSI限界水準でいったん折返し 2/17(水)

世界のプラチナ需給2020年はともに急減、2年連続供給不足 2/16(火)


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