金プラチナ短期相場観
ユーロ圏PMI、2月は製造業とサービス業、独仏格差も拡大
更新日:2021年2月20日(土)
ユーロ圏製造業PMIは2月速報値で57.7。1月の54.8を大きく上回って3年ぶり高水準。節目50超は8ヵ月連続となって好調を維持。これに対してサービス業PMIは44.7。続落で3ヵ月ぶり低水準、6ヵ月連続の節目50割れ。この結果、総合PMIは48.1。1月の47.8からは小幅上昇も4ヵ月連続の節目50割れ。
2月に入ってからは新型コロナの感染も急縮小し、ワクチン接種も進行中ながら、行動規制が続いたことでサービス業のさらなる低迷が続き、ユーロ圏の経済活動は縮小傾向が継続。
製造業の拡大基調加速によってこれをある程度相殺する格好となっています。
製造業はドイツ(60.6、8ヵ月連続50超)、フランス(55.0、3ヵ月連続50超)ともに予想を上回る好結果となっていずれも3年ぶりの高水準。ただし、その水準と回復状況には開きも。
サービス業はドイツ(45.9、5ヵ月連続50割れ)は続落で9ヵ月ぶり低水準。フランス(43.6、6ヵ月連続50割れ)も続落で3ヵ月ぶり低水準。これも12-1月にはフランスがドイツを上回りましたが2月速報では再逆転。
ユーロ圏での回復基調は、製造業とサービス業での格差拡大とともに、ドイツとフランスの格差も拡大しているようです。
製造業PMIでは主要国のなかでも回復基調を牽引してきたドイツが1月には米国に逆転されていましたが、2月速報では再逆転。
年明け以降、ワクチン接種状況も含めて景気回復基調では米国が先行し、欧州が後塵を拝してきた流れを背景にドル高ユーロ安基調が進行してきましたが、ここに来てユーロの下げ渋りにもなっています。これに追随する形で金の調整局面も足下では下げ渋り。
ただし、サービス業PMI(米2月:58.9)、総合PMI(米2月:58.8)では米高欧低。米欧格差は埋まらず、これが対ドルでのユーロや金の重石にもつながっているかのようです。
なお、ワクチン接種では周回遅れの日本、製造業PMIは50.6となって2年2ヵ月ぶりの高水準。これも周回遅れでようやく節目50を本格回復の兆しに。ただしここでも、欧日格差、米日格差もなかなか埋まりません。
19日のNY金相場は+2.4ドル、0.14%の小幅続伸。時間外では1770ドル台半ばで戻り売り、1770ドル近辺の重要水準を維持できず17-18日安値と昨年7月2日安値1760ドル台半ばも割り込んで一時1760ドル割れ、昨年6月26日(1754.0)以来8ヵ月ぶり安値まで下落。しかしこの水準では押し目買いも入って1770ドル近辺まで戻して下げ渋る展開へ、オセアニア通貨や欧州通貨が買われてドル安の流れとなり、2月ユーロ圏PMIの好結果もこれをサポート。NY市場では一時1790ドルまで反発も、米国PMIも好結果となり、米10年債利回りが1年ぶり高水準となる1.35%台まで上昇したことも重石となって1780ドル付近まで押し戻される展開に。1790ドルでの抵抗感は強まり、2日連続十字線に近い足型を残して下げ渋る状態も1790ドルの重要水準での短期下げ止まりをかけた攻防も継続。
週間ベースでは-45.8ドル、2.51%の反落。52週移動平均線(1815.3)がサポートからレジスタンスに切り替わった可能性も。
NYプラチナは+18.4ドル、1.44%の続伸。終値では2014年9月30日(1298.5)以来、6年5ヵ月ぶりの高値。時間外には上方向への節目1280ドルを超えて1290ドル手前まで小反発して反落、保ち合い下限の1250ドルを割れて1240ドルまで50ドル弱の急落となったところで切り返し。ドル安ユーロ高、株高・金高の流れにも連れてロンドン市場までに1280ドルを回復、NY市場では一段高となって1280ドルの節目超えに伴う短期上値目標1300ドル超え、一時1310ドル付近まで上昇もこれを維持できず金の反落にも追随し、1280ドル付近まで下落。目先は1250ドルから1300ドルまでに主要レンジを拡大する形となり、足場固めができるかどうか。
金との価格差は484.3ドル、2019年5月28日(480.0)以来、1年9ヵ月ぶりの500ドル割れ。
週間ベースでは+34.1ドル、2.71%高で3週続伸。
ドル円は25銭のドル安円高、0.24%安で3日続落。前日終値水準105円70銭近辺での小幅揉み合いとなった東京時間を経て、欧州時間にはユーロ圏PMIの好結果などを好感してのユーロドル上昇に連れてドル安が進行、NY朝には一時105円20銭台まで下落。しかし、米2月PMIの好結果などもあり105円60銭台まで反発。ただし200日移動平均線(105.52)超えを維持できずNY終盤には105円40銭台へ。200日線がサポートになり切れず、抵抗線となるようだと105円ちょうど付近までが下限候補となってもう一段小幅に水準を切り下げる展開にも。
週間では+52銭、0.5%の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/19終値とチャート
- 2021年2月20日(土)時点の相場
-
国内金 : 6,576 円 2/19(金) ▼35(0.53%) 国内プラチナ : 4,694 円 2/19(金) ▼2(0.04%) NY金 : 1,777.4 ドル 2/19(金) ▲2.4(0.14%) NYプラチナ : 1,293.1 ドル 2/19(金) ▲18.4(1.44%) ドル円 : 105.44 円 2/19(金) ▼0.25(0.24%)
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