金プラチナ短期相場観

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ロックダウン延長前、ドイツ製造業・サービス業PMIともに急騰

更新日:2021年3月25日(木)

ユーロ圏総合PMI 2021年3月IHSマークイット発表の3月ユーロ圏総合PMI速報値は52.5。2月の48.8から急騰、7月(54.9)以来8ヵ月ぶりの高水準。牽引したのはドイツ。ロックダウン延長を発表した23日までに調査が完了したドイツ総合PMIの3月速報値は56.8となり、2月の51.1から急騰で3年1ヵ月ぶりの高水準。フランスも2月の47.0から49.5へ、3ヵ月ぶり高水準へと上昇も節目50には届かず。

ドイツでは一部での封鎖制限緩和も影響し、サービス業PMIも50.8と半年ぶりの節目50超で7ヵ月ぶり高水準。
これを大きく上回る好調ぶりを示したのが製造業PMIで66.6。2月から5.9ポイントの急騰で9ヵ月連続節目50超、2ヵ月連続で60超。水準としては調査開始の1996年4月以降のデータで過去最高。受注増に伴い、生産レベルも上昇し、生産高指数も過去最高となる68.5へと急騰。
この結果、ユーロ圏の製造業PMIも3月速報値では調査開始の1997年6月以降で過去最高となる62.4。
ドイツの製造業は四半世紀で最も好調となり、ユーロ圏としてもユーロ発足以来の最高水準という状況になっています。

ただし感染拡大を受けてのロックダウン再開、延長やワクチン接種が予想以上に進まないことなどから、4月は再び悪化する可能性もありそうです。
ドイツのIFO経済研究所はこの日、2021年のGDP成長見通しを従来の+4.2%から+3.7%へと引き下げています。
ドイツやユーロ圏のみならず、三寒四温状態は春以降ももう少し続きそうです。

また、ドイツのメルケル首相は4月初旬のイースター前後の5日間に厳格なロックダウンを実施する計画を、業界団体などの批判を受けて撤回、国民に謝罪したようです。
コロナ対策を巡る迷走はどこの国でもあることで、これもまだまだ続きそうです。

NY金・日足チャート 2021/2/18 - 3/2424日のNY金相場は+8.1ドル、0.47%高で3日ぶりの反発。時間外に前日安値と同水準、1722.3ドルの安値をつけて切り返し。4日連続1720ドル台の安値、8日連続1720ドル前後の安値をつけての反発でロンドン・NY市場にかけては1730ドルをはさんでの保ち合い、NY午後には一時1730ドル台後半まで上昇も、前日まで3日連続高値となった1740ドル台には届かず。米10年債利回りの下げ渋り、ゆるやかなドル高基調も重石に。右肩下がりの20日移動平均線(1724.6)は超えたものの前日下抜けた5日移動平均線(1734.1)は超えられず。目先は1720ドルから1740ドル台までを主要レンジに保ち合いの様相に。上方向へ抜け出して反発基調再開なら2月中旬安値圏1770ドル台までが上値目標。下限割れなら戻り売り基調スタート、今年安値圏1680ドル台までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/2/18 - 3/24NYプラチナは+5.6ドル、0.48%高で4日ぶりの反発。時間外には前日安値と前々日安値を下回る1161.5ドルまで下げたところで下げ渋り、短期下値目安1150ドル近辺には少し届かず、金に追随する形で切り返し。ロンドン時間に急騰となってつけた高値は1190ドル、右肩下がりの5日移動平均線(1191.3)にきっちり上値を押さえられ、4日連続で上値切り下げ。三尊天井を形成しての下落局面から抜け出す為の第1歩は5日線超え。1170ドルが目先の下値サポートとなり、割れるとあらためて1150ドル近辺の下値目安再トライへ。5日線を超えると徐々に流れに変化も1220ドルが当面の上値抵抗水準。

ドル円・日足チャート 2021/2/18 - 3/24ドル円は13銭のドル高円安、0.12%高で4日ぶりの小反発。東京市場では株安の流れにも連れて円高圧力が強まり、108円40銭台の安値を何度も試しながらもサポートの堅さを確認する格好に。欧州時間からは米10年債利回りの反発とともにドル高の流れが強まり、108円70銭台へと反発。NY時間には米10年債利回りが一時1.64%台へと一段高となった流れに追随、108円90銭台まで急騰も、米10年債利回りの低下とともに108円60銭台まで反落。結果的にゆるやかに下降し始めた5日移動平均線(108.80)にしっかり上値を押さえられた形にも。引き続き108円40銭から109円20銭までのレンジで保ち合い継続へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/24終値とチャート

25日の国内金価格は+42円、0.64%高で3日ぶりの反発。短期下値目安6570円前後に到達して即反発、下に行って来いの形となって戻り売り基調継続を回避。ただし、9日移動平均線(6626)には届かず、3月5日の今年安値からの反発基調のサポートラインも割れたまま。微妙な水準を抜け出す為には9日線超えが必要、さらに6640円台の節目も上抜けることができれば一段高への可能性も浮上、上値目標は2月末高値6720円近辺と昨年8月来の中期下落トレンドの抵抗線上抜け。下方向には6570円が目先のサポート、割れると下値トライ再開で6530円近辺までが短期目安に。

プラチナ価格は+39円、0.88%高で5日ぶりの反発。NYプラチナの反発にドル円の反発も加わって切り返し。昨年11月来の上昇チャネルの下限ライン付近でサポートされた格好にもなり、現状水準をあと1週間程度維持できれば上昇トレンド継続期間は丸5ヵ月。ただし短期的には軟調な流れから抜け出し切れておらず、まずは下落基調が続く21日移動平均線(4486)の早期上抜けが待たれるところ。下方向に4410円の節目を割れるようだと短期下落トレンド継続へ、4340円辺りまでが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格3/25とチャート

2021年3月25日(木)時点の相場
国内金6,617 円 3/25(木) ▲42(0.64%)
国内プラチナ4,454 円 3/25(木) ▲39(0.88%)
NY金1,733.2 ドル 3/24(水) ▲8.1(0.47%)
NYプラチナ1,180.2 ドル 3/24(水) ▲5.6(0.48%)
ドル円108.74 円 3/24(水) ▲0.13(0.12%)

3/24(水)のその他主要マーケット指標

失業保険申請件数は新規も継続もコロナ後最少へ、回復基調加速 3/26(金)

ロックダウン延長前、ドイツ製造業・サービス業PMIともに急騰 3/25(木)

ドル円は円売りへ、投機筋ポジションは1年ぶり大転換 3/24(水)

シカゴ連銀全米活動指数2月は過去平均割れへと急失速 3/23(火)

国内金価格は最高値からのレジスタンスラインとの攻防へ 3/22(月)


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