金プラチナ短期相場観

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2021年IMF世界経済見通し、牽引役は印中米、追随する英欧日

更新日:2021年4月7日(水)

IMF世界経済見通し 2021年4月IMF(国際通貨基金)が発表した2021年の世界経済成長見通しは6.0%。1月時点での5.5%からは0.5%上方修正され、達成すれば過去40年で最大の伸び。
主要国での追加財政支援、一部の国で先行するワクチン接種拡大も年後半には世界的にも拡大が予想されることなどから、強気見通しとなったようです。ただし、合わせて各国の経済政策の有効性や財政状況などへの不確実性も指摘されています。

過去最大の成長率となった場合の牽引役はインド12.5%(前回から+1.0)、中国8.4%(+0.3)、米国6.4%(+1.3)。これ以外ではスペイン6.4%(+0.5)も世界の成長率を上回る見通し。
世界の成長率を下回り、追随組となったなかでの主要国上位は英国5.3%(+0.8)、ユーロ圏4.4%(+0.2)、ドイツ3.6%(+0.1)、日本3.3%(+0.2)の順。
EUを離脱してワクチン接種でも先行する英国の成長率見通しが高く、上方修正幅も大きくなっているのが象徴的です。

今年の成長率見通しで日本を下回るのはサウジアラビア2.9%(+0.4)、南アフリカ3.1%(+0.3)、ナイジェリア2.5%(+1.0)と限定的。

なお、1月からの上方修正幅が米国を上回るのはカナダ5.1%(+1.4)のみ、米国に次ぐのはイタリア4.2%(+1.2)、インド、ナイジェリア。これ以外の国の上方修正幅は1%未満。
1月からの改定幅がマイナスとなったのはASEAN5カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)4.9%(-0.3)。

主要国のなかでもワクチン接種一つとっても格差が拡大しつつある現状、年間成長率への影響も大きくなりそうです。
当然、先進国と発展途上国との格差拡大も、今後のリスク要因として警戒されそうです。

NY金・日足チャート 2021/3/2 - 4/66日のNY金相場は+14.2ドル、0.82%高となって4日続伸。4日続伸は2月10日以来2ヵ月ぶり。年末年始の5日続伸を除けば今年最長タイ。水準としては2月25日(1775.4)以来、6週間ぶりの高値。前日NY終値水準1728ドルがこの日の安値となり、米10年債利回りが1.7%を割れて2週間ぶり低水準となる1.65%台へと低下した流れに連れ、ドルインデックスも2週間ぶり安値圏へと軟調推移となったことにも支えられてNY市場では1740ドル台半ばへと上昇。20日移動平均線(1725.6)にサポートされつつあり、上方向への節目1730ドル台をしっかり上抜けてきたことからさらなる上昇局面形成へと向かう可能性が高まる状況となり、当面の上値目標は1790ドル台から1800ドルの大台トライも。ただし、細かく見た場合のダブルボトムのネックライン、3月18日高値1754.2ドル近辺が抵抗水準となる可能性も。また、現状で単独での大台回復トライは難しくもあり、米長期金利の伸び悩みかドル高の調整局面、あるいはその両方がもう少し進行するような展開を暗示している可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2021/3/2 - 4/6NYプラチナは+30.7ドル、2.54%の大幅高となって4日続伸。2月24日(1257.9)以来、6週間ぶりの高値。欧州時間に小幅に押し目を形成も1200ドルの大台を維持し、NY市場にかけては金の堅調推移に追随し、1240ドル台後半までの急騰局面を形成。金に牽引される形で直近の短期上値目標1220ドルを大きく超えての堅調推移にも依然として過熱感もなく、金が一段高へと向かえば追随の構えも。3月初旬と下旬の安値とで変則的なダブルボトム形成と見れば、そのネックラインとなる3月高値1240.4ドルも超えており、ダブルボトム完成からの上昇値幅としてはざっくり60ドル余り。金の動向次第ながら終値ベースでの今年高値圏1290ドルを試しに行く可能性も。上昇軌道に入った20日移動平均線(1194.6)が目先の下値サポート候補。

ドル円・日足チャート 2021/3/3 - 4/6ドル円は43銭のドル安円高、0.39%の続落で3月26日(109.67)以来、10日ぶりの安値。前日安値110円割れからの戻りを試す展開となった東京時間には110円40銭近辺まで、欧州時間には50銭台半ばまで上昇してこの日の高値。NY時間にかけては米10年債利回り急低下の流れに追随、一時109円60銭台まで急落。その後の戻りでは110円に届かず、今朝の東京市場にかけても109円80銭台を中心に小幅揉み合い推移。短期下値目安110円前後を若干オーバーランする形となってやや下げ渋る状態にも。目先、ゆるやかな上昇基調が続く20日移動平均線(109.39)がサポート候補にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/6終値とチャート

7日の国内金価格は+26円、0.39%の反発。一度は上値を押さえられて反落警戒感もあった90日移動平均線(6692)を上抜け、年初1月8日以来3ヵ月ぶり。水準としては2月25日(6718)以来、1ヵ月半ぶりの高値。節目の90日線を上抜け、小幅保ち合い上抜けの形にもなり、もう一段上値を試す可能性。2月半ば高値(6745)付近、6740円前後までが短期上値目安に。確率的には低いと思われるものの、短期行き過ぎ、もしくは短中期の上値目標水準としてNY金が大台近辺まで上昇した場合を想定すると200日移動平均線(6866)付近、6850円近辺までが意識される可能性も。下方向に6670円を割り込んだ場合には流れが逆転、6600円近辺までが下値目安にも。

プラチナ価格は+82円、1.76%の反発。2月末の戻り高値水準にもなった4670円台の節目上抜けに伴う短期上値目標4720円近辺をいきなりクリア。短期的には一服感も、過熱感なくサイクル的にも反発基調が強まりやすい状況から、NY金が一段高へと向かってNYプラチナも追随するような展開となった場合には連れ高となる可能性。その場合に想定可能な上値目標水準としては今年高値を更新し、2015年春頃の高値圏4850円近辺までが意識されることにも。ただし4650円の節目割れなら4600円割れへと流れは逆転。
※参考:金プラチナ国内価格4/7とチャート

2021年4月7日(水)時点の相場
国内金6,702 円 4/7(水) ▲26(0.39%)
国内プラチナ4,734 円 4/7(水) ▲82(1.76%)
NY金1,743.0 ドル 4/6(火) ▲14.2(0.82%)
NYプラチナ1,240.5 ドル 4/6(火) ▲30.7(2.54%)
ドル円109.75 円 4/6(火) ▼0.43(0.39%)

4/6(火)のその他主要マーケット指標

米2月貿易赤字は過去最大、ペントアップ需要で輸入は小幅減 4/8(木)

2021年IMF世界経済見通し、牽引役は印中米、追随する英欧日 4/7(水)

ISM非製造業景況指数も3月は急騰 4/6(火)

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