金プラチナ短期相場観

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米2月貿易赤字は過去最大、ペントアップ需要で輸入は小幅減

更新日:2021年4月8日(木)

米貿易収支 2021年2月米2月貿易収支は-711億ドル。赤字幅は市場予想を超えて2ヵ月連続の拡大、1月の-678億ドルからは4.8%の大幅拡大。昨年11月の-690億ドルを大きく超えて貿易赤字は過去最大を更新。
米国の貿易赤字拡大基調は急速に進行し、コロナ直前の昨年2月の-380億ドルからはほぼ倍増。

輸出は1873億ドルとなって前月からは-2.6%。減少するのは5月以来、9ヵ月ぶり。ちなみに過去最大となった2018年5月の2150億ドルと比較すると-12.9%。
米国の国内要因としては寒波の影響なども指摘されてはいますが、コロナ禍での世界的な貿易急縮小からは回復途上。世界的な半導体不足に伴う自動車の生産減なども大きく影響しているようです。

いっぽうで2月の輸入は2583億ドル。やはり9ヵ月ぶりの減少とはなりましたが、前月比-0.7%と小幅減にとどまります。過去最大となった2018年10月の2667億ドルとの比較では-0.63%。
内需の強い米国の輸入はコロナショックからの回復基調が急速に進行し、既にコロナ前の水準を回復済。
足下ではロックダウンや巣ごもり生活で我慢を強いられてきた人々の反動によるご褒美需要、ペントアップ需要などが輸入増を支えているようです。

なお、対中国のモノの貿易額では、2月の貿易赤字は246億ドル。3ヵ月連続の縮小で昨年4月以来10ヵ月ぶりの低水準。
ただし、輸入も3ヵ月連続の減少で340億ドル、これも昨年4月以来10ヵ月ぶりの低水準。輸出は94億ドルとなって2ヵ月連続減で7ヵ月ぶりの低水準。
対中国では貿易額全体の減少傾向が続いています。

NY金・日足チャート 2021/3/3 - 4/77日のNY金相場は-1.4ドル、0.08%の小幅安で5日ぶりの反落。前日NY午後から続いた小康状態のまま1745.4ドルが高値となって時間外は小幅調整、ロンドン時間にかけては1740ドルをはさんで揉み合い、NY朝には一時この日の安値1730ドル付近まで下げて1740ドル台へと急反発。米10年債利回りが1.7%手前で小康状態となり、ドルも方向感なく小動きとなった流れにも連れて小幅揉み合いに終始。変動値幅14.2ドルは今年の平均29.8ドルの半分以下、今年4番めの小動き。引き続き上値トライへの可能性を残しながらも米長期金利と米ドルの動向次第という状況でもあり、やや材料不足の感も。下値サポート候補、20日移動平均線(1726.9)を割れるようだと失速感も鮮明に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/3/3 - 4/7NYプラチナは-8.6ドル、0.69%安で5日ぶりの反落。NY金に連れてようやくの小幅調整、時間外には前日高値をわずかに上回る1250ドル台へと上昇後に戻り売り、ロンドン市場では1230ドル割れを試しながらもNY朝には1250ドル再トライへと急反発、しかしこれも維持できずに1220ドル台半ばへとこの日の安値を更新し、1230ドル付近に収束。この日の変動値幅26.1ドルは今年の平均45ドルの6割弱、今年4番めの小動き。1240ドルが目先の抵抗水準候補、これを超えると1260ドル程度までは水準を切り上げる可能性も。下方向にはゆるやかに上昇する20日移動平均線(1197.4)と1200ドルの大台ラインがサポート候補。

ドル円・日足チャート 2021/3/4 - 4/7ドル円は10銭のドル高円安、0.09%の小幅高で3日ぶりの反発。東京朝には日経平均の上昇にも連れる格好で109円90銭台まで上昇も110円台回復に失敗すると一転戻り売り、急落の展開となって前日安値を下回る109円60銭割れ。しかし下値も堅く、程なく反発すると109円80銭付近での保ち合い推移の展開へ。欧州・NY時間には109円90銭台を何度試しても上値を押さえられれ、NY市場での下値トライでは109円60銭近辺でしっかりサポートされ、20日移動平均線(109.47)付近での底堅さも確認。目先は109円台後半を主要レンジに保ち合いの様相にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/7終値とチャート

8日の国内金価格は-16円、0.24%の反落。3ヵ月ぶりに上抜けた90日移動平均線(6691)を再度下抜け、上抜けはわずか1日で終了、抵抗線としての攻防状態からは抜け切れず。実は3ヵ月前の90日線上抜けも短命、1月8日の前後は下抜け、2日前までの上抜けも2日間のみと散発的に上抜けただけ。今年ここまで90日線を本格的に超えたことはない、状態。一定期間以上しっかりと90日線を上回って推移したのは昨年10月22日が最後。90日線自体の傾きも含め、短中期的なトレンド好転の目安となる90日線の安定的な上抜けを目指すのは半年ぶり。6670円台から6700円台までの小幅保ち合いを形成し、90日線超えも含めてしっかりと上抜けると6750円程度までが短期上値目標に。下抜けなら90日線上抜け再トライは先送り、6600円近辺までの下値トライへ。

プラチナ価格は-51円、1.08%の反落。短期上値目標4720円近辺を少しオーバーラン後の調整では前日大幅上昇の6割超を戻す展開に。とはいえ今年の平均騰落値幅68円にも満たず、その75%程の下落で堅調推移の範囲内。目先、4730円台の直近高値超えとなれば一段高で今年高値も視野に4780円近辺までが短期上値目標。下方向には4650円の節目を割れるとトレンド崩れへ、4590円程度までが下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格4/8とチャート

2021年4月8日(木)時点の相場
国内金6,686 円 4/8(木) ▼16(0.24%)
国内プラチナ4,683 円 4/8(木) ▼51(1.08%)
NY金1,741.6 ドル 4/7(水) ▼1.4(0.08%)
NYプラチナ1,231.9 ドル 4/7(水) ▼8.6(0.69%)
ドル円109.85 円 4/7(水) ▲0.10(0.09%)

4/7(水)のその他主要マーケット指標

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米2月貿易赤字は過去最大、ペントアップ需要で輸入は小幅減 4/8(木)

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