金プラチナ短期相場観

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ドル高の巻き戻し、ユーロも金も23.6%戻しで一服

更新日:2021年4月13日(火)

NY金×ユーロドル 2021年4月12日ユーロドルとNY金は今年も相関性の高い関係が続いています。
ユーロドルは年初の1月6日に1.23ドル台の高値をつけた後、軟調推移が続いて3月末にはほぼ5ヵ月ぶり安値となる1.17ドル台まで下落しました。その後は流れが反転し、4月第2週には1.1870ドル台へ、12日には1.1910ドル台まで上昇。今年高値から安値までの23.6%戻し(1.1862)を達成した状態となっています。

同様にNY金も年初1月5日には1950ドル台の高値をつけた後は軟調推移。3月8日には11ヵ月ぶり安値となる1670ドル台まで下落しました。3月末にほぼ同水準の安値を再びつけて反発すると、4月第2週には1740ドル台を回復、8日には1758ドルまで上昇。値幅的には今年高値から安値までの23.6%戻し(1743.2)を達成した状態。

ユーロドルもNY金も23.6%戻しを達成後にやや一服感、という状況にもなってきました。12日にはユーロ圏2月の小売売上高が予想を上回ったことでユーロ高ドル安の流れが強まり、結果的にユーロドルは反発、NY金は続落と展開が分かれましたが、大きな方向性では同じ流れ。

長期金利上昇とドル高に左右される状況は同じであり、足下の経済指標では米欧ともにやや行き過ぎた回復基調を示す指標も目につく程の好調ぶりながらも米国がやや先行、ワクチン接種の格差も意識されてドルに対してユーロの劣勢な情勢は続きます。
経済回復が続けば金融政策も緩和解除、そして正常化へと向かうことは今後の規定路線でもあり、将来の政策金利引き上げに向けてNY金の対ドルでの劣勢も続きます。

ドルインデックスも年初の89.40ポイント台から3月末には93.30ポイント台まで上昇し、足下では92ポイント台前半で停滞、こちらも23.6%戻しを達成しての一服状態が続いています。

ドルインデックスの調整がもう一段進行し、38.2%戻しとなる91ポイント台後半へと下落するようなら、ユーロドルも38.2%戻しで1.1950ドル台へ、NY金も38.2%戻しで1780ドル台へと上値トライへの可能性もありそうですが、米指標の好結果が今後も続き、インフレ上昇を市場が過信する状態となり、ドルインデックスが3月末高値を超えて93ポイント台後半以上へと上昇基調再開となれば、ユーロドルは1.17ドル割れへ、NY金は1670ドル割れへとそれぞれ今年安値更新へと向かう確率も高まりそうです。

NY金・日足チャート 2021/3/8 - 4/1212日のNY金相場は-12.1ドル、0.69%の続落。先週末からの調整の流れが継続し、4月5日(1728.8)以来1週間ぶりの安値。時間外には1730ドル半ばまで10ドル程下落した後のロンドン時間にはユーロ高ドル安の流れに追随する形で1740ドル台半ばへ、元の水準へと反発。しかしNY市場ではユーロドルの頭打ち、1.6%台後半で下げ渋っていた米10年債利回りも小幅に上昇した流れを受けて戻り売り。1730ドル付近へと小幅に急落するとNY午後には一時1730ドル割れを試す場面も。結果的に3月半ば以降の1730ドルを中心とした小幅保ち合い水準に押し戻された格好に。このベースラインを中心に2度の下値トライでダブルボトムを形成し、これを完成する形での上値トライにも失敗しての原点回帰。水平状態へと移行中の20日移動平均線(1730.5)に下値を支えられ、横ばい推移の様相に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/3/8 - 4/12NYプラチナは-34.5ドル、2.85%の大幅続落。今年の平均騰落値幅21.1ドルの1.6倍の下げ幅、今年7番めの急落となって3月30日(1160.6)以来、2週間ぶりの安値。3月後半の1160ドルから1180ドル台までの保ち合い水準を抜け出しての上値トライの流れでは想定以上に上値を伸ばし、今年高値保ち合い圏も意識される1250ドル台まで上昇して失速。調整局面に入ると再び加速する形で元の保ち合い水準へと逆戻り。勢い余って上昇し始めていた20日移動平均線(1198.2)を押さえ込む形で下抜け。それでも3月安値1110ドルを起点にゆるやかに下値を切り上げるサポートラインに支えられた状態。この近辺で下げ止まれないようだと流れは逆転へ、1160ドルの節目を割れるようだと3月安値圏、1110ドル台辺りまでが下値目安に。

ドル円・日足チャート 2021/3/9 - 4/12ドル円は29銭のドル安円高、0.26%の反落。週末NY市場で110円にわずかに届かず失速した流れでの調整局面が週をまたいで継続。東京朝の109円70銭台が高値となって軟調な展開。株安の流れにも連れる形で円高優勢の流れで午前中のうちに109円50銭近辺まで下落、20日移動平均線(109.55)にも支えられて午後には下げ渋る展開も欧州時間スタートと同時に戻り売り再開となって109円20銭台まで下落。しかし前日安値を下回ることなく下げ渋ると今朝の東京市場では株価の反発基調にも連れて円安の流れで109円50銭台を回復。20日移動平均線をはさんでの小幅保ち合いを形成し、調整再開か上値トライ再開か。109円70銭超へと抜け出せば上値トライ再開で上値目標は111円台再トライ。109円20銭割れへと動き出せば、調整幅拡大で108円近辺までが短期下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/12終値とチャート

13日の国内金価格は-44円、0.66%の続落。小幅に上下動を繰り返しながらのゆるやかな上昇基調が崩れて4月1日(6622)以来、2週間ぶりの安値。抜きつ抜かれつの90日移動平均線(6690)を大きく下抜け、年初の時と同様に今回の上抜けも散発的にとどまり、今年に入って90日移動平均線=抵抗線の関係を崩し切れず。短期的にはゆるやかな上昇トレンドも崩れつつあり、目先21日移動平均線(6642)も下抜けて6620円程度までの下値余地も。

プラチナ価格は-107円、2.23%の大幅安で4日続落。下げ幅は今年の平均68円の1.6倍、今年8番めの急落で3月31日(4470)以来、2週間ぶりの安値水準。21日移動平均線(4569)も突き抜けて昨年11月来の上昇トレンドの下値サポートラインを大きく割り込む形となり、短期トレンドも下向きへ。ただし、3月初旬と下旬に保ち合いを形成した水準まで戻し、3月安値(4207)から4月高値(4734)までの半値戻し(4471)にほぼ到達、下げ止まるのにも都合の良い水準。都合よくいかない場合には61.8%戻し(4408)から76.4%戻し(4331)へ、4400円割れも意識される展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格4/13とチャート

2021年4月13日(火)時点の相場
国内金6,649 円 4/13(火) ▼44(0.66%)
国内プラチナ4,479 円 4/13(火) ▼107(2.33%)
NY金1,732.7 ドル 4/12(月) ▼12.1(0.69%)
NYプラチナ1,174.8 ドル 4/12(月) ▼34.5(2.85%)
ドル円109.38 円 4/12(月) ▼0.29(0.26%)

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