4月
金プラチナ短期相場観
それでも年内利上げ織り込みは10％
更新日：2021年5月11日(火)
CMEフェドウォッチツールによれば、今年12月FOMCでのFF金利予想は、今年に入って徐々に現状維持の確率が下がり始め、米10年債利回り上昇とインフレ上昇予想が高まるに連れて0.25％利上げの織り込み度合いが上昇し始めています。
米10年債利回りが1.7％台へと上昇した3月後半には一時的に10％台へと上昇し、4月後半以降はほぼ10％超え。4月末のFOMCでパウエルFRBの議長の慎重発言を受けて28日には10％を割れましたが、翌日からは再び10％台へ、30日には15％まで上昇しました。
そして雇用統計の日には10％へと低下。10％に踏みとどまっている状態とも言えそうです。
10日には10年債から算出される期待インフレ率（BEI）が2.54％まで上昇し、2013年3月以来、8年2ヵ月ぶりの高水準となっています。今週発表予定の米4月消費者物価指数では、コアCPIも2％台への上昇が予想されています。
インフレ上昇予想とともに、年内利上げ予想も目先しばらくは、あまり低下しないのかもしれません。
10日のNY金相場は+6.3ドル、0.34％高で4日続伸。2月10日（1842.7）以来3ヵ月ぶり高値圏を維持しての小幅高。1790ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標1830ドル台到達後の一服状態となり、1830ドル台を主要レンジに小幅揉み合い推移。時間外での安値1830ドルから欧州時間にはゆるやかなドル安の流れに連れて上昇、NY朝には先週末高値をわずかに上回る1846ドルまで上昇もNY午後には1830ドル台半ばに収束。高値圏での失速感も漂う状態にもなり、目先は1830ドルを維持できるかどうかが一段高か反落かの分岐点にも。割れると5日移動平均線（1809.0）辺りまでの調整はすぐにでも。
NYプラチナは+11.0ドル、0.88％の反発。2月22日（1282.3）以来、2ヵ月半ぶりの高値。1250ドル台でスタートした週明けは徐々に水準を切り上げる堅調推移となり、ロンドン時間には1260ドル台から1270ドル台へ、高値では一時1281ドルまで上昇し、1250ドルの節目突破に伴う短期上値目標1280ドル近辺に到達。NY朝にはこの1280ドルが抵抗水準となる形で何度も上値を押さえられるとNY午後には急反落。引けにかけて1260ドルを割れると一時1250ドル割れを試す場面も。目標水準到達に伴う一服感から目先は多少の調整も、20日移動平均線（1219.0）辺りがサポート候補に。
ドル円は26銭のドル高円安、0.24％高で4日ぶりの反発。雇用統計のネガティブショックを引きずることなく、週明けから反発基調。東京朝の108円半ばから株高円安の流れに連れて午後には108円90銭台へ、欧州時間には109円台へと一段高。しかしこれがピークとなって失速すると米10年債利回り低下とともにドル安の流れとなって108円60銭台まで反落。NY時間には材料不足もあり108円70銭近辺を中心に小幅揉み合い推移。予想された下値トライ継続の流れは早々に巻き戻され、108円半ばが目先のサポート水準となり、109円40銭までを主要レンジに保ち合い形成の様相に。サポート割れの場合には108円近辺までが下値目安に、上限突破なら110円台前半までの反発局面形成へ。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場5/10終値とチャート
11日の国内金価格は+19円、0.27％高となって4営業日続伸、連休前の横ばい推移をはさんで6日続伸。6日続伸は今年最長で昨年12月以来、5ヵ月ぶり。水準としては今年高値となった1月6日（7016）以来4ヵ月ぶり、1月5日の7015円に次いで今年3番めの高値。短期的には6780円の節目突破に伴う短期上値目標6850円程度をオーバーラン、想定外の行き過ぎで過熱感を示すRSIでは79.6％の高水準。確率的には反落の可能性は昨日から一段と高まり、逆三尊完成トライは先送り濃厚。NY金も短期目標到達による一服感も漂い始めたことからも調整への確率はさらに高まる状態。めぼしいサポート候補としては一目・転換線が6853円、3月の今年安値からここまでの上昇幅に対する23.6％戻しが6852円など。
プラチナ価格は-22円、0.46％安で4日ぶりの反落。4700円の節目上抜けに伴う短期上値目標4770円台には少し届かず、4750円まで上昇して失速。遅行線が三角保ち合い上限ラインにぶつかって上値を押さえられた状態からの反落となり、この水準付近への抵抗感は強まる可能性も。逆にこの水準4750円をあらためて上抜けることができれば一段高の展開となって今年高値（4798）更新トライへ。
※参考：金プラチナ国内価格5/11とチャート
- 2021年5月11日(火)時点の相場
-
国内金 ： 6,988 円 5/11(火) ▲19(0.27％) 国内プラチナ ： 4,728 円 5/11(火) ▼22(0.46％) NY金 ： 1,837.6 ﾄﾞﾙ 5/10(月) ▲6.3(0.34％) NYプラチナ ： 1,265.5 ﾄﾞﾙ 5/10(月) ▲11.0(0.88％) ドル円 ： 108.85 円 5/10(月) ▲0.26(0.24％)
市場予想のインフレ見通しも上昇持続、雇用見通しも改善 5/12(水)
それでも年内利上げ織り込みは10％ 5/11(火)
米4月雇用統計は楽観見通しに冷水、100万人予想が26.6万人 5/8(土)
失業保険申請減少ペースも急加速、最速半年でコロナ前を回復？ 5/7(金)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート＆レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート＆レジスタンスライン
