金プラチナ短期相場観
ドル売り金買い、ドル買い金売りの攻防ライン
更新日:2021年5月25日(火)
米10年債利回りが1.6%付近で上げ渋る状態が続く3月以降、NY金が上昇局面を形成した結果、両者の逆相関関係は弱まり、ピーク時には-0.95台まで強まる90日相関係数は現在-0.54台となっています。
この間、NY金との相関関係、もしくは逆相関関係が強まっているのはドルインデックス。90日相関係数は-0.8095と強めの逆相関関係となっています。なお、ドル円との相関係数は-0.534。ドル安・円安となる場面も多く見られることから逆相関関係は弱まっています。ユーロドルとの90日相関係数は0.8025。これも強めの相関関係となっています。
ドルインデックスを逆メモリにすると、NY金とドルインデックスは今年ここまで、かなり似通った推移となっています。
現在、NY金は1870ドル台、ドルインデックスは90ポイント付近。これは今年前半の高値圏(ドルインデックスは安値圏)に相当し、どちらも揉み合い状態となり、ピークアウト(またはボトムアウト)するか、突き抜けて一段高(または一段安)か、という状態となっています。ドル売り金買いが押し切るか、ドル買い金売りへと反転するかの攻防状態とも言えます。
ドルインデックスは現状水準を下抜けると年初の89.5ポイント近辺まで若干の下げ余地も、さらには2018年序盤の88ポイント付近。ここ数年間の安値圏付近に位置している状態とも言えます。
ドル売り金買いがもう一段進行した場合でも、NY金は1900ドルの大台ラインに届くか届かないかのところでいったん反落へ、という展開も想定できそうです。
上げ渋る状態が続くNY金は短期的にはすぐにでも、調整局面がスタートするかもしれません。
24日のNY金相場は+7.8ドル、0.42%の反発で1月7日(1913.6)以来、4ヵ月半ぶりの高値。変動値幅は上下わずか12.2ドルで今年の平均27.7ドルの半分以下、今年3番めの小動き。週末NY市場で1870ドルまで下げて反発した流れは1880ドルを回復して週を跨ぎ、時間外序盤に1888ドル付近まで上昇して失速。ロンドン時間には一時的に米10年債利回りが急上昇し、ドル高急進となった場面では1870ドル台半ばまで小幅に急落。その後はゆるやかな金利低下とドル安の流れとなってNY朝には1887ドルまで上昇して失速。結果的に4営業日連続で1890ドル前後の高値をつけ、この日は1880ドル台後半で何度も上値を押さえられる形となり、NY引け後には1880ドル割れ。19日と21日の高値1890ドル台でダブルトップ形成の可能性も維持して反落の兆しも。目先はネックラインとなる19日安値(1852.2)、200日移動平均線(1850.0)近辺までが下値目安、かつサポート候補。
NYプラチナは+8.2ドル、0.7%の反発。時間外には金に追随する形で1170ドルから1180ドルまで上昇して戻り売り、ロンドン市場では1162ドルまで下落して4月14日(1158.1)以来の安値。1200ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1150ドル台には少し届かず反発へ、ただしNY市場での高値も1880ドル台前半まで。NY午後には1180ドルが抵抗線となる形で小幅揉み合い推移、NY引け後には1170ドル付近へと軟調推移。目先は1160ドル台がサポートとなって下げ止まるかどうか、という状態に。あらためて下値トライへと向かうようだと4月安値から3月末安値が意識されて1150ドル前後までが下値目安に。
ドル円は18銭のドル安円高、0.16%の反落。週末に109円ラインに上値を押さえられた状態が週明けも継続、東京朝に109円ちょうど付近の高値を2度つけて反落すると、欧州序盤には108円70銭近辺の安値まで30銭程の下落。これがこの日の変動値幅となり、今年の平均55銭の半分強、今年7番めの小動き。軟調推移となった米10年債利回りの上昇局面などにも連れての反発も109円寸前までを何度か試してNY時間には失速。今度は108円70銭の節目に2度サポートされて反発も、今朝の東京市場ではまたも108円70銭の節目との攻防に。これを割り込むようだと一段安へ、5月安値108円30銭近辺までが短期下値目安に。上方向には109円ラインが抵抗線となり、これを上抜けると109円半ばまでが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/24終値とチャート
25日の国内金価格は-35円、0.49%安で4日ぶりの反落。前日上昇分を帳消しとする下げで過熱感を少し緩和も、今年2番めの高値となって高止まり。最高値から今年3月安値の61.8%戻し(7194)近辺を短期上値目標とした流れは7181円まで、少し届かずいったん巻き戻し。失速感もやや強まり始め、NY金の調整が進行すれば連れ安となって一定の調整局面入りも。7120円の節目を割り込めば最高値から3月安値の半値戻し(7045)近辺までが下値目安に。切り返して高値更新へと向かうようなら7230円程度までが上値目標に。
プラチナ価格は-24円、0.53%の続落で4月14日(4428)以来、6週間ぶりの安値。4630円のサポート割れに伴う下値目安4540円程度を突き抜けた場合の次の下値目安4450円近辺に急接近。NYプラチナに下げ渋りの様子も見られるものの、NY金の調整が進行するようだと追随する可能性もあり、さらなる売られ過ぎ警戒水準としては3月後半安値圏4400円近辺も。
※参考:金プラチナ国内価格5/25とチャート
- 2021年5月25日(火)時点の相場
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国内金 : 7,146 円 5/25(火) ▼35(0.49%) 国内プラチナ : 4,464 円 5/25(火) ▼24(0.53%) NY金 : 1,884.5 ドル 5/24(月) ▲7.8(0.42%) NYプラチナ : 1,177.6 ドル 5/24(月) ▲8.2(0.70%) ドル円 : 108.77 円 5/24(月) ▼0.18(0.16%)
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