金プラチナ短期相場観

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ドイツIFO景況感は2年ぶり高水準も不確実性には下げ余地

更新日:2021年5月26日(水)

ドイツIFOビジネス不確実性指数 2021年5月ドイツの5月IFO景況感指数は99.2となり、2020年2月の96.0を大きく上回って2019年5月(99.3)以来、2年ぶり高水準。コロナ前の水準を回復してさらにそれ以上の水準へと加速するドイツ経済の急回復ぶりを示す結果となりました。
現況指数は95.7となって2020年2月(98.8)以来、1年3ヵ月ぶりの高水準。4ヵ月続伸でコロナ後では最高ながら、コロナ前の水準には少し届きません。
期待指数は102.9で前月比+3.7の急騰、2017年11月(102.9)以来3年半ぶりの高水準。ワクチン接種加速とともに見通しの明るさも近年最大値。

セクタ別では製造業が前月比+0.6で25.7、4ヵ月続伸で2018年5月(27.0)以来3年ぶりの高水準となって好調を維持。指数でこれを上回ったのが卸売業で29.2。前月比+6.1の急騰で3ヵ月続伸、2019年4月(30.0)以来2年1ヵ月ぶり高水準。
出遅れていたサービス業も回復基調が鮮明に。2月までの4ヵ月連続マイナス圏推移から3月以降は3ヵ月連続プラス圏、5月は13.7となって前月比+10.2ポイント、11ヵ月ぶりの急騰で2020年2月(17.0)以来1年3ヵ月ぶりの高水準。ただしコロナ後最高も、コロナ前の水準には少し及ばず。

それ以外では、貿易関連が8.4となって5ヵ月ぶりのプラス圏回復、2年1ヵ月ぶり高水準。建設業も2.8で3ヵ月連続プラス圏、8ヵ月ぶりの高水準。唯一マイナス圏を脱しきれなかった小売が-3.4。それでも前月比+11.4の急騰で7ヵ月ぶり高水準。

広範囲に好調を持続、急加速状態となり、景気循環指数はMAX状態を維持して景況感指数としては2年ぶり高水準となりましたが、ビジネス不確実性指数はまだ下げ余地を残します。
この指数では2020年2月の55.3から4月には74.2まで、18.9ポイントの急騰。その後の回復基調で昨年秋以降はやや停滞しましたが、年明けから低下基調再開、5月は61.9となり、コロナ前の水準まで残り6.3ポイント。
不確実性指数としては、回復すべき水準の3分の2を達成した状態です。残り3分の1の不確実性を解消する必要があります。

NY金・日足チャート 2021/4/21 - 5/2525日のNY金相場は+13.5ドル、0.72%の続伸で1月7日(1913.6)以来、4ヵ月半ぶりの高値。前日まで4営業日連続1890ドル前後で上値を押さえられ、過熱感を高めながら団子天井を形成して反落警戒感も高まる状況下、時間外序盤に1880ドルを割れて調整の動きも1870ドル台前半までと限定的。浅めの押し目となってドル安が進行したロンドン時間に1880ドル台を回復するとNY市場では1.6%を割れていた米10年債利回りが一段と低下、さらに米4月新築住宅販売件数や5月消費者信頼感指数などが予想を下回ったことなどもあり、小幅に急騰の展開となって1890ドルの壁を突破、NY引け後には1900ドルの大台にもワンタッチ。この日はクラリダFRBの副議長が「今後テーパリング協議を始めることができるかもしれない」としながらもあらためて「インフレは一時的」であることを念押し。FRB関係者の相次ぐ「一時的」発言が浸透し、テーパリング観測先送りへの思惑も強まった様子。RSIは87.0%となり、今年高値となった1月6日の86.4%を上回り、終値ベースで過去最高値となった昨年8月6日の100%以来、9ヵ月半ぶりの過熱状態。1900ドルへの抵抗感も残り、5日移動平均線(1884.5)程度までの調整はすぐにでも。

NYプラチナ・日足チャート 2021/4/21 - 5/25NYプラチナは+19.3ドル、1.64%の続伸。時間外序盤に1170ドルを少し割り込んだのがこの日の安値となり、金にも追随してゆっくりと水準を切り上げる展開に。NY朝までの1180ドル台を回復するとNY午後には1190ドル台へ、高値では一時1200ドルまで上昇し、NY引け後には再び1200ドル台回復をかけた攻防状態にも。結果的に1200ドル台の節目割れに伴う短期下値目安1150ドル台に対しては24日に1162.0ドルまで下げて折返し。3日ぶりに右肩上がりの90日移動平均線(1193.7)を上抜け、地合い回復への流れにも。目先は1200ドルの大台をしっかり回復できれば20日移動平均線も推移する1220ドル近辺が次の抵抗水準候補にも。

ドル円・日足チャート 2021/4/21 - 5/25ドル円は前日からほぼ変わらず108円70銭台での横ばい推移。米10年債利回りが1.6%割れへと低下した流れにも連れてドル安の展開となった東京時間には108円80銭台から軟調推移、欧州時間序盤には108円50銭台の安値まで下落。米10年債利回りの下げ止まりを受けてドル高へと反発した流れでNY時間には109円台を回復。しかし米10年債利回りの低下基調再開と消費者信頼感指数が4月よりも低下したことなどもあり、108円70銭近辺まで反落。ドル安の流れが続くなかでも円安で緩和する形となって下げ渋り、108円70銭から109円までの小幅保ち合いレンジを維持。下限割れとなればもう一段水準を切り下げる展開となって短期下値目安は5月安値108円30銭近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/25終値とチャート

26日の国内金価格は+86円、1.2%の反発。前日の下げ幅の倍返し以上の急騰となって今年高値を更新、昨年9月15日(7274)以来、8ヵ月ぶりの高値。高値保ち合い上抜けに伴う短期上値目標7230円程度にもしっかり到達したことから、調整が入りやすい状態に。ただし、最高値から3月安値の61.8%戻し(7194)を超え、最高値をつけた昨年夏場のサポート水準7200円近辺を上抜けた状態となり、水準だけで見れば最高値圏入り。ここから先は上へも下へも荒っぽい展開への警戒感も。短期的には7140円がサポートとなり、これを割り込んだ場合には下げ幅拡大、7080円程度までが下値目安に。

プラチナ価格は+105円、2.35%高で3日ぶりの反発。5月19日(4634)以来、1週間ぶりの高値。ただし今回の下落局面の起点となった4630円の節目には少し距離があり、地合い回復に向けてはこの節目水準の回復が目安にも。下方向には4460円の節目を割り込んでしまうと下値トライ再開で3月後半安値圏4400円近辺までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格5/26とチャート

2021年5月26日(水)時点の相場
国内金7,232 円 5/26(水) ▲86(1.20%)
国内プラチナ4,569 円 5/26(水) ▲105(2.35%)
NY金1,898.0 ドル 5/25(火) ▲13.5(0.72%)
NYプラチナ1,196.9 ドル 5/25(火) ▲19.3(1.64%)
ドル円108.78 円 5/25(火) ▲0.01(0.01%)

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